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相談窓口へ
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あたしは、思い切って相談のために役所へ行くことにした。
母親の葬儀費用の借金以来だ……借金といえば、返済もあるんだったわ……。
家賃すら払えなくなるかもしれないというのに、借金の返済だなんて、とてもじゃないけど生活できる気がしない。腹をくくるしかないようね。
・
・
・
『生活支援科』と書かれたカウンターの前には、長蛇の列ができていた。
……ふぅん、意外と賑わってるのね。ま、喜ばしいこととは言い難いけれど。
あたしの番が来た。カウンターの中の、目つきの鋭いお兄さんに話しかける。
「あの……生活保護の相談に来たんですが、窓口はこちらですか?」
その返答は、長蛇の列の理由を説明するにじゅうぶんだった。
「すみません、本日は支給日でして……相談でしたら明日以降でお願いできますか?
本日でも、16時頃になれば相談だけならお受けしますが」
役人の言葉は、どこか冷たかった。
そもそも、相談だけなら、とは、どういう意味……?
「相談だけ、とは?」
「お客様の相談に応じた窓口のご紹介をさせていただく形になりますね。
もしこちらで支援するということになったとしても、ただちに支給とはなりませんし」
……なるほど。
お役所仕事だ。
きっと、たらい回しにされる。
ここではあそこへ行け、あそこではあちらへ行け、あちらに行けばここに戻れ、と。
そこで、あたしはない知恵を絞って、言ってみた。
「あの……私、生活保護の申請をしたいんです。相談ではなく」
役人の返答は、意外なものだった。
「左様ですか、ではお客様、明日11時に身分証と印鑑をお持ちになってこちらにお越しください」
……え?
そんなあっさり?
だって、さっきから窓口に来るひと、片腕がなかったり、車椅子だったり……あたしなんて、到底受けられるとは思えないんだけど。あたしは魔力欠乏性貧血で身体は弱い。だけど、ギルドの依頼が全くこなせないわけじゃない。ただ、少し生活に困っている程度なのだ。それで困っているから相談に来たとはいえ。
……申請すると言ってしまったものは仕方ない。明日出直してくるとしよう……。
母親の葬儀費用の借金以来だ……借金といえば、返済もあるんだったわ……。
家賃すら払えなくなるかもしれないというのに、借金の返済だなんて、とてもじゃないけど生活できる気がしない。腹をくくるしかないようね。
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『生活支援科』と書かれたカウンターの前には、長蛇の列ができていた。
……ふぅん、意外と賑わってるのね。ま、喜ばしいこととは言い難いけれど。
あたしの番が来た。カウンターの中の、目つきの鋭いお兄さんに話しかける。
「あの……生活保護の相談に来たんですが、窓口はこちらですか?」
その返答は、長蛇の列の理由を説明するにじゅうぶんだった。
「すみません、本日は支給日でして……相談でしたら明日以降でお願いできますか?
本日でも、16時頃になれば相談だけならお受けしますが」
役人の言葉は、どこか冷たかった。
そもそも、相談だけなら、とは、どういう意味……?
「相談だけ、とは?」
「お客様の相談に応じた窓口のご紹介をさせていただく形になりますね。
もしこちらで支援するということになったとしても、ただちに支給とはなりませんし」
……なるほど。
お役所仕事だ。
きっと、たらい回しにされる。
ここではあそこへ行け、あそこではあちらへ行け、あちらに行けばここに戻れ、と。
そこで、あたしはない知恵を絞って、言ってみた。
「あの……私、生活保護の申請をしたいんです。相談ではなく」
役人の返答は、意外なものだった。
「左様ですか、ではお客様、明日11時に身分証と印鑑をお持ちになってこちらにお越しください」
……え?
そんなあっさり?
だって、さっきから窓口に来るひと、片腕がなかったり、車椅子だったり……あたしなんて、到底受けられるとは思えないんだけど。あたしは魔力欠乏性貧血で身体は弱い。だけど、ギルドの依頼が全くこなせないわけじゃない。ただ、少し生活に困っている程度なのだ。それで困っているから相談に来たとはいえ。
……申請すると言ってしまったものは仕方ない。明日出直してくるとしよう……。
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