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医療費助成制度
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とっぷり日も暮れて、あたしは書類を書き終えた。担当のお役人が書類にささっと目を通して、言う。
「魔力欠乏性貧血、ですね?
かかりつけのシャーマンの方に、意見書を書いてもらうよう手配しますので」
魔力欠乏性貧血。それが、あたしの主な病名だ。
もちろん、あちこち弱いので、それだけではない。
ただ、お役人的にはどうやらそれがいちばん引っかかったようだった。
だが、わからないことがある。
「意見書……?」
意見書とやらを書いてもらって、どうなると言うのだ?
そんなあたしの頭の中を見透かすかのように、お役人は言った。
「冒険不可、制限付き冒険可、冒険可、でこちらとしても対応が変わります」
「は、はぁ……」
あたしはそう答えるしかなかった。
制限付き冒険可、という意味のわからない単語を初めて耳にしたせいもあったが、対応が変わるとは……?
まぁ、普通に考えれば冒険不可ということなら保護を受けることができるのだろう。けれど、あたしは生活が成り立っていないだけで冒険はできているし、かかりつけのシャーマンはこんなことのために病状を悪く書くような相手だとは思えない。
……などと考えていると、お役人が続きを喋っていた。あたしは危うく聞き逃すところだった。
「いずれにせよ、審査には3週間かかります。
その間、医療費の減免の方だけでも手続きをされた方がよろしいかと。
今日はもう窓口が閉まってしまいますが、あちらの”冒険支援科”の方で手続きできます」
「医療費の、減免……?」
減免? どういうこと? あのバカ高い魔力草やシャーマンにかかる代金が安くなるの?
「ご存知なかったんですか?
一定の病気に対しては、医療費の減免の申請ができるんですよ。
魔力欠乏性貧血でしたら、冒険支援制度がありますよ。
シャーマンさんの方に、役所からある程度お支払するお約束をさせていただいて、その分冒険者さんのご負担が減るような制度になります」
あたしはそれを聞いて、呆れた。
だって、そんなの知らなかった!
誰も教えてくれなかった!
母さんだって、それを知ってればもっとラクできたかもしれないのに。
早速あたしは、冒険支援科に立ち寄って申請用紙とパンフレットを貰い、自宅に帰って読んだ。
知らないと損をする内容しか書かれていなかった。
何故こういうことを周知してくれないのかと、ぷりぷり怒りながら読んだ。
「魔力欠乏性貧血、ですね?
かかりつけのシャーマンの方に、意見書を書いてもらうよう手配しますので」
魔力欠乏性貧血。それが、あたしの主な病名だ。
もちろん、あちこち弱いので、それだけではない。
ただ、お役人的にはどうやらそれがいちばん引っかかったようだった。
だが、わからないことがある。
「意見書……?」
意見書とやらを書いてもらって、どうなると言うのだ?
そんなあたしの頭の中を見透かすかのように、お役人は言った。
「冒険不可、制限付き冒険可、冒険可、でこちらとしても対応が変わります」
「は、はぁ……」
あたしはそう答えるしかなかった。
制限付き冒険可、という意味のわからない単語を初めて耳にしたせいもあったが、対応が変わるとは……?
まぁ、普通に考えれば冒険不可ということなら保護を受けることができるのだろう。けれど、あたしは生活が成り立っていないだけで冒険はできているし、かかりつけのシャーマンはこんなことのために病状を悪く書くような相手だとは思えない。
……などと考えていると、お役人が続きを喋っていた。あたしは危うく聞き逃すところだった。
「いずれにせよ、審査には3週間かかります。
その間、医療費の減免の方だけでも手続きをされた方がよろしいかと。
今日はもう窓口が閉まってしまいますが、あちらの”冒険支援科”の方で手続きできます」
「医療費の、減免……?」
減免? どういうこと? あのバカ高い魔力草やシャーマンにかかる代金が安くなるの?
「ご存知なかったんですか?
一定の病気に対しては、医療費の減免の申請ができるんですよ。
魔力欠乏性貧血でしたら、冒険支援制度がありますよ。
シャーマンさんの方に、役所からある程度お支払するお約束をさせていただいて、その分冒険者さんのご負担が減るような制度になります」
あたしはそれを聞いて、呆れた。
だって、そんなの知らなかった!
誰も教えてくれなかった!
母さんだって、それを知ってればもっとラクできたかもしれないのに。
早速あたしは、冒険支援科に立ち寄って申請用紙とパンフレットを貰い、自宅に帰って読んだ。
知らないと損をする内容しか書かれていなかった。
何故こういうことを周知してくれないのかと、ぷりぷり怒りながら読んだ。
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