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第二章 女子高にお世話になる2人、キッカケは使用済みパンツです
3 勇者と魔王は、校長室でようこそされます
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連れてこられた校長室はそこそこの広さがあり、自己主張の少ない落ち着いたインテリアがポツリポツリとあるだけだった。
そんな部屋にいる校長は、一段と目立っていた。ーー悪い意味で。
「聖・シーガデル学園へようこそ」
今のはボケか? ボケだよな。校門には『シーガデル学園』ってしか書いてなかったぞ。
部屋に置かれた上品かつ大きな机の前で、キラっとピースを決めて、彼女は言った。
金色の髪はくすんでおり、マオの光り輝く黄金できめ細かく髪と比べるまでもなく劣化品だな。マオの髪はもう乾いていてサラサラだし。
この目の前にいるのが、年齢的に無理がある制服を着ているのが、このシーガデル学園の校長らしい。
「せい、しぃがでる……」
マオが校長の言葉をボソッと復唱してる。
マオは意外とそういうことに興味ありありなのかもしれない。思春期だなぁ。
「校長のバアア=フフン、年齢が気になるって? ふふん、それはヒ・ミ・ツ」
強い。無反応の俺たちにネタを重ねるほどに、この校長のメンタル強いーー
「………うぅ」
ーーと思った矢先、俺は校長の頬が少し赤くなっているのを見逃さなかった。恥ずかしいならやるなよ、と思った。
視線を下に向けていた校長は腕を組みなおし、隣に立った元ネコミミの女に促す。
「私は、校長補佐のレスタ=バヨネット。貴方は?」
「はい、マオ=スタックと申します。以後お見知りおきを」
流れで俺も自己紹介をした。
校長は俺たちの名前を聞いてふぅんと全身を舐めまわすように、何かを確かめるように見てきた。
「…………ユウ。……君は何故ここにいる」
深刻そうな口調で校長は言った。しかし、俺は面識もないはず。
それに年齢的にピチピチではなく、制服の大きさ的にピチピチしている格好を改めて見て特に大したことではないと思った。極めて適当なことを言いそうな人だ。
「質問したいのはこっちだ。何で連れてこられたんだ」
「はぁ、スルーか。まぁ、君たちをここまで連れてきてもらったのは学校の近くで騒ぎを起こしていたからなんだよね。事情聴取するためにここに呼んだんだ。……どうせ君たちやることやって、仕事ないんでしょう。雇ってあげるわ」
「なんで知っているだよってホントか! マジで雇ってくれんのか!」
「そりゃ」、と口を開いた校長を遮って校長補佐のレスタが俺に指さし「こいつは!」と続けた。
「校長、こいつはヘタレですよ! ただの変態ならいいものをこのっ」
「レスタ君は黙ってなさい」
「あぁぁぁん。いぃ、こぅちょうのその冷め切った目いっぃいですぅ」
突如、部屋に甘い女の声が響いた。
「ユウさん。彼女は病気なのでしょうか」
「そうだな。だが教会では無理そうだから騎士団に捕まえてもらうのが一番いいな」
レスタは蕩けている。「あぁ」とか「うぉ」とか母音を口から漏らしているが、胸部はストンとしており、ボインの欠片もない。
「なぁ、こんな奴雇ってていいのか。変態じゃん」
「まだ入って1年も経っていないけど仕事は早いのよ。ちょっと扱いに困ることもあるから私が面倒を見ているのよ」
「あぁだから補佐なのか」
校長補佐ってことで自分の近くに置いているのだろう。
「それで雇われる気はあるの」
「それでのそれがわからねぇが、何でなんだ。信用も面識も何もねぇだろう」
「うぅん、そうねぇ」と校長は近くまで来ると、にっこりと手で口元を隠し囁いた
「……私は君の境遇を知っているからよ」
「えっ」
「てことで雇ってあげる。魔おぉじゃなかった。マオ君ーー」
もしかしないでもマオが魔王ってことも知っているのか……。さっき名前を聞いたとき特に思い当たった人物はいなかった。だから、出会ったけど名前を知らなかった人か、偽名か。
腕を身体の後ろで組みながら、笑顔を作る校長からは何も読み取れない……詳しく考えるのはもうやめておこう。
「ーー君はどうする。働く?」
「えぇと、」と何か言おうとしたマオを遮って、俺が代わりに答える。
「いや、マオは学校に通わせてもらってもいいか」
マオは魔族の内部分裂で学校にも王宮の外にも碌に行けなかったんだ。離れるのは嫌なんだが学校なら大丈夫だろうし、マオの楽しみも増えるだろう。
俺の考えまでお見通しなのか、校長は「それもそうねぇ」とニコリと笑った。
「いいわ、だけど学費のためにちょっとしたことはしてもらうわよ。……家はまだ使えるの?」
「……家は燃え尽きた」
「あっあぁそうなのね。……かなり古いけど寄宿舎があるからそこに住むといいわ」
「ちょっちょっと校長ーー」
いつの間にか正気を取り戻したレスタが真顔で言う。
「ーー寄宿舎ってスクリちゃんが住んでるのに何かあったらどうするんですか」
「大丈夫よ」
「いやだいじょばないですよ」
「いいのいいの。私のことセクスィ~な制服姿を見ても大きくなんないし、問題ないでしょ。……どうせ玉な」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
この校長。もしかして俺の息子(意味深)のことを知っているな。
話題をそらそう。
「ところで俺の仕事って何なんすか。あとちょっとしたことってマオも、だよな」
その『仕事』を校長は今思いついたのか、それとも俺たち、勇者と魔王がここに来ることまで予測して考えていたのかーー
「君たちはこれから『対マ』で、ユウはそれに加えて用務員として働いてもらうわ」
ーー何となく後者だなと思いながら、俺はこれからの仕事を聞いた。
そんな部屋にいる校長は、一段と目立っていた。ーー悪い意味で。
「聖・シーガデル学園へようこそ」
今のはボケか? ボケだよな。校門には『シーガデル学園』ってしか書いてなかったぞ。
部屋に置かれた上品かつ大きな机の前で、キラっとピースを決めて、彼女は言った。
金色の髪はくすんでおり、マオの光り輝く黄金できめ細かく髪と比べるまでもなく劣化品だな。マオの髪はもう乾いていてサラサラだし。
この目の前にいるのが、年齢的に無理がある制服を着ているのが、このシーガデル学園の校長らしい。
「せい、しぃがでる……」
マオが校長の言葉をボソッと復唱してる。
マオは意外とそういうことに興味ありありなのかもしれない。思春期だなぁ。
「校長のバアア=フフン、年齢が気になるって? ふふん、それはヒ・ミ・ツ」
強い。無反応の俺たちにネタを重ねるほどに、この校長のメンタル強いーー
「………うぅ」
ーーと思った矢先、俺は校長の頬が少し赤くなっているのを見逃さなかった。恥ずかしいならやるなよ、と思った。
視線を下に向けていた校長は腕を組みなおし、隣に立った元ネコミミの女に促す。
「私は、校長補佐のレスタ=バヨネット。貴方は?」
「はい、マオ=スタックと申します。以後お見知りおきを」
流れで俺も自己紹介をした。
校長は俺たちの名前を聞いてふぅんと全身を舐めまわすように、何かを確かめるように見てきた。
「…………ユウ。……君は何故ここにいる」
深刻そうな口調で校長は言った。しかし、俺は面識もないはず。
それに年齢的にピチピチではなく、制服の大きさ的にピチピチしている格好を改めて見て特に大したことではないと思った。極めて適当なことを言いそうな人だ。
「質問したいのはこっちだ。何で連れてこられたんだ」
「はぁ、スルーか。まぁ、君たちをここまで連れてきてもらったのは学校の近くで騒ぎを起こしていたからなんだよね。事情聴取するためにここに呼んだんだ。……どうせ君たちやることやって、仕事ないんでしょう。雇ってあげるわ」
「なんで知っているだよってホントか! マジで雇ってくれんのか!」
「そりゃ」、と口を開いた校長を遮って校長補佐のレスタが俺に指さし「こいつは!」と続けた。
「校長、こいつはヘタレですよ! ただの変態ならいいものをこのっ」
「レスタ君は黙ってなさい」
「あぁぁぁん。いぃ、こぅちょうのその冷め切った目いっぃいですぅ」
突如、部屋に甘い女の声が響いた。
「ユウさん。彼女は病気なのでしょうか」
「そうだな。だが教会では無理そうだから騎士団に捕まえてもらうのが一番いいな」
レスタは蕩けている。「あぁ」とか「うぉ」とか母音を口から漏らしているが、胸部はストンとしており、ボインの欠片もない。
「なぁ、こんな奴雇ってていいのか。変態じゃん」
「まだ入って1年も経っていないけど仕事は早いのよ。ちょっと扱いに困ることもあるから私が面倒を見ているのよ」
「あぁだから補佐なのか」
校長補佐ってことで自分の近くに置いているのだろう。
「それで雇われる気はあるの」
「それでのそれがわからねぇが、何でなんだ。信用も面識も何もねぇだろう」
「うぅん、そうねぇ」と校長は近くまで来ると、にっこりと手で口元を隠し囁いた
「……私は君の境遇を知っているからよ」
「えっ」
「てことで雇ってあげる。魔おぉじゃなかった。マオ君ーー」
もしかしないでもマオが魔王ってことも知っているのか……。さっき名前を聞いたとき特に思い当たった人物はいなかった。だから、出会ったけど名前を知らなかった人か、偽名か。
腕を身体の後ろで組みながら、笑顔を作る校長からは何も読み取れない……詳しく考えるのはもうやめておこう。
「ーー君はどうする。働く?」
「えぇと、」と何か言おうとしたマオを遮って、俺が代わりに答える。
「いや、マオは学校に通わせてもらってもいいか」
マオは魔族の内部分裂で学校にも王宮の外にも碌に行けなかったんだ。離れるのは嫌なんだが学校なら大丈夫だろうし、マオの楽しみも増えるだろう。
俺の考えまでお見通しなのか、校長は「それもそうねぇ」とニコリと笑った。
「いいわ、だけど学費のためにちょっとしたことはしてもらうわよ。……家はまだ使えるの?」
「……家は燃え尽きた」
「あっあぁそうなのね。……かなり古いけど寄宿舎があるからそこに住むといいわ」
「ちょっちょっと校長ーー」
いつの間にか正気を取り戻したレスタが真顔で言う。
「ーー寄宿舎ってスクリちゃんが住んでるのに何かあったらどうするんですか」
「大丈夫よ」
「いやだいじょばないですよ」
「いいのいいの。私のことセクスィ~な制服姿を見ても大きくなんないし、問題ないでしょ。……どうせ玉な」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
この校長。もしかして俺の息子(意味深)のことを知っているな。
話題をそらそう。
「ところで俺の仕事って何なんすか。あとちょっとしたことってマオも、だよな」
その『仕事』を校長は今思いついたのか、それとも俺たち、勇者と魔王がここに来ることまで予測して考えていたのかーー
「君たちはこれから『対マ』で、ユウはそれに加えて用務員として働いてもらうわ」
ーー何となく後者だなと思いながら、俺はこれからの仕事を聞いた。
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