60 / 90
第三章
59話 反省会
しおりを挟む
「……で、俺が悪かった……のか?」
「そこまでは言ってないだろ」
とは言え、明らかにぶすくれているリックである。あのお見合い相手のつぶやきはしっかり名無しの耳にも届いていた。ここはいつかリックと泊まった宿の下の居酒屋兼食堂だ。
「どっちにろ、あの人に農家のかみさんがつとまるかどうか」
「うん、それはちょっと思った……」
村のおかみさん連中はパワフルだ。別に一日二日でああなった訳ではないだろうが。名無しはくいっとエールを飲んだ。
「は~あ~、どっかにいい人がいないかな……」
リックのため息がまだ昼間でがら空きの店内に響いた。リックはもう四杯目のエールである。
「あら、ここにいるわよ」
「へっ……ああ、ジャンヌ……」
「なーに、そのしけた顔」
「うるさい、俺は傷心してんだよっ」
馬鹿でかいため息に近寄ってきたのはここの女給のジャンヌである。机につっぷしたリックを見てジャンヌは名無しを見た。
「なにがあったの?」
「……見合い相手とうまく行かなかったんだ」
「アルッ!」
「まぁ、そうなの」
「そうだよっ、緊張してうまく話せなかった上に向こうもなんか乗り気じゃなくて、あげくに……アルに一目惚れしやがったっ!」
リックは一息に鬱憤を吐き出した。そしてエールを一気に飲み干す。
「おかわりっ!」
「はいはい……ちょっとミカエラ、エール持って来て! それでこんな荒れてるのね」
「悪いか!?」
「いいえ。でもあたしとは普通に喋ってるじゃない」
「……そういやそうだな」
「きっと相性が悪かったのよ。リックはいい男よ」
そういってジャンヌは色っぽくに笑った。
「はーい、お代わり。あらアルさんも今日は来てるのね」
その時、ミカエラがエールのジョッキを持って現れた。そして当然のように名無しの隣に座った。
「……ふん。あのサラってやつアルに惚れても無駄さ、なぁ」
「ん……?」
「だってアルは面食いなのさ」
「何言ってんだ」
「まぁそうなの!?」
リックが酒に顔を赤らめながら吐き捨てるように言った内容に女達は目を輝かせた。そんな彼女らに名無しは小さく首を振った。
「いやさ、だって。エミリアさんえらい美人じゃないか!」
「エミリアはそういうのとは違うだろ……」
「「誰よ、エミリアって!!」」
キーン……と女達の黄色い声が鼓膜を刺した。
「リック、いい加減にしないとここに置いて帰るぞ。それで村のおかみさんにあることないこと話してやる」
「う……俺、ちょっとトイレいってくる……」
「ミカエラ、ついてってやってちょうだい」
「えーあたしー?」
トイレに向かうリックに、ぶつくさいいながらミカエラが付き添いに行った。
「ごめんな」
「え、なにが?」
「こんな話聞かせてさ。あんた……リックと寝てるんだろ」
「そんなの」
ジャンヌはふっと笑った。
「……仕事よ」
「そっか、ならいいんだ。今日は駄目だったかもしれないけどリックはまた見合いするだろうしさ」
「そう……所帯を持ったら、あんまりこういう所にこれないかしら」
「どうだろうな。泊まりがけは難しいかもな」
「そう……」
その時、トイレに行っていたリックが戻ってきた。
「んもーっ、この酔っ払い重い!」
ミカエラが肩にリックを担いで帰ってきた。
「あーら」
「……しょうがないな。今日は泊まるか?」
「えっ、大丈夫なの」
「いいさ別に一日くらい。……どうだ、ミカエラ」
「へ、私? ……やだーぁ! ジャンヌー! 私面食いさんに誘われちゃったぁ」
ミカエラは名無しの腕にくっついた。名無しは苦笑いしながらもそれを振り払おうとはしなかった。
「しかたないわね」
「んんー! ジャンヌ……?」
「立ちなさいよ、酔っ払い。まだ日もあるのに。……とにかく部屋で休ませるわ」
ジャンヌはため息をつきながらリックを椅子から立たせた。
「アルー! 今度こそ内緒なー」
ふらつきながらもリックはジャンヌに手を引かれて上の階に移動していった。
「ねぇ、私たちもいきましょうよ」
「ああ……」
名無しもミカエラに案内されて部屋に向かった。
「じゃあ……」
スルスルと服を脱ごうとするミカエラに対し、名無しは手でそれを止めた。
「待った」
「なによ」
「俺はお前と話したかったんだ」
「話……なーんだ。話だけでも料金は貰うわよ?」
ミカエラは急に横柄な態度になってはだけた肩を直した。
「ジャンヌは……リックをどう思ってる? ただの客か?」
「姉さんはねぇ……本当の本当に気に入ったのしか相手にしないのよ。親父さんはいい顔しないけど。でも一番人気だから誰も文句言えないの」
「……ジャンヌはそれでいいのか」
「どうしろっていうのよ。宿屋のいかがわしい女給やってた女を嫁にする気?」
「それのどこが悪い」
さっきのやり取り。リックは自然にジャンヌとやり取りしていた。ジャンヌもリックを心から気遣っているように見えた。そう口にした名無しをミカエラは馬鹿にしたように鼻をならした。
「リックが良くても周りは許さないでしょ。分かったような事言わないでよ」
「……すまん」
「リックはいい人だけど……けっこうちゃんとした家でしょ」
「だが別に貴族相手って訳じゃない」
「そうね……どっちにしろ姉さんが決める事だわ」
ミカエラはそこまで言うと今度はじっと名無しを見た。
「……なんだ」
「あんた、ちょっと感じ変わったわね」
「そうか?」
「うん。もっと周りに無関心だと思っていたのに。……さっきのエミリアって人のせいかな?」
にやっと笑ったミカエラを見て、名無しはこの間までの旅を思い返した。バードを手にかけて冷たく震える名無しにずっと寄り添ってくれたエミリア。あれから何かがあきらかに変わった。
「まぁ……そうかもしれない」
「いい人なのね。ちゃんと口説いてる?」
「口説くもなにも……相手は尼さんだ。リックはからかってるだけだよ」
名無しがそう言うと、ミカエラははーっとため息をついた。
「あんたも厄介な女に惚れたのねぇ」
「そういうんじゃ……」
名無しがそう言いかけると、ミカエラが笑って首に手を回してきた。
「慰めてあげようか?」
「……結構だ」
「ふーん」
それから名無しはリックの酒だかなんだかが抜けるまでミカエラのちょっかいをかわしながらごろごろとして過ごした。
「……すまん」
「ああ……」
やっぱり妙にすっきりした顔のリックをつれてこの日は遅くなったものの村に向かう事ができた。
「俺……ちゃんと結婚できるのかなぁ」
「できるんじゃないか?」
パカパカと馬の足音だけが響く夜道を二人は行く。
「次に見合いも協力してやるから。……友達だからな」
「うん……ははは」
酒と香水の匂いにまみれて、二人は家へと帰った。リックの見合いの失敗とその後どこかで鬱憤晴らしをしたという噂は翌朝には村中に広がった。
「そこまでは言ってないだろ」
とは言え、明らかにぶすくれているリックである。あのお見合い相手のつぶやきはしっかり名無しの耳にも届いていた。ここはいつかリックと泊まった宿の下の居酒屋兼食堂だ。
「どっちにろ、あの人に農家のかみさんがつとまるかどうか」
「うん、それはちょっと思った……」
村のおかみさん連中はパワフルだ。別に一日二日でああなった訳ではないだろうが。名無しはくいっとエールを飲んだ。
「は~あ~、どっかにいい人がいないかな……」
リックのため息がまだ昼間でがら空きの店内に響いた。リックはもう四杯目のエールである。
「あら、ここにいるわよ」
「へっ……ああ、ジャンヌ……」
「なーに、そのしけた顔」
「うるさい、俺は傷心してんだよっ」
馬鹿でかいため息に近寄ってきたのはここの女給のジャンヌである。机につっぷしたリックを見てジャンヌは名無しを見た。
「なにがあったの?」
「……見合い相手とうまく行かなかったんだ」
「アルッ!」
「まぁ、そうなの」
「そうだよっ、緊張してうまく話せなかった上に向こうもなんか乗り気じゃなくて、あげくに……アルに一目惚れしやがったっ!」
リックは一息に鬱憤を吐き出した。そしてエールを一気に飲み干す。
「おかわりっ!」
「はいはい……ちょっとミカエラ、エール持って来て! それでこんな荒れてるのね」
「悪いか!?」
「いいえ。でもあたしとは普通に喋ってるじゃない」
「……そういやそうだな」
「きっと相性が悪かったのよ。リックはいい男よ」
そういってジャンヌは色っぽくに笑った。
「はーい、お代わり。あらアルさんも今日は来てるのね」
その時、ミカエラがエールのジョッキを持って現れた。そして当然のように名無しの隣に座った。
「……ふん。あのサラってやつアルに惚れても無駄さ、なぁ」
「ん……?」
「だってアルは面食いなのさ」
「何言ってんだ」
「まぁそうなの!?」
リックが酒に顔を赤らめながら吐き捨てるように言った内容に女達は目を輝かせた。そんな彼女らに名無しは小さく首を振った。
「いやさ、だって。エミリアさんえらい美人じゃないか!」
「エミリアはそういうのとは違うだろ……」
「「誰よ、エミリアって!!」」
キーン……と女達の黄色い声が鼓膜を刺した。
「リック、いい加減にしないとここに置いて帰るぞ。それで村のおかみさんにあることないこと話してやる」
「う……俺、ちょっとトイレいってくる……」
「ミカエラ、ついてってやってちょうだい」
「えーあたしー?」
トイレに向かうリックに、ぶつくさいいながらミカエラが付き添いに行った。
「ごめんな」
「え、なにが?」
「こんな話聞かせてさ。あんた……リックと寝てるんだろ」
「そんなの」
ジャンヌはふっと笑った。
「……仕事よ」
「そっか、ならいいんだ。今日は駄目だったかもしれないけどリックはまた見合いするだろうしさ」
「そう……所帯を持ったら、あんまりこういう所にこれないかしら」
「どうだろうな。泊まりがけは難しいかもな」
「そう……」
その時、トイレに行っていたリックが戻ってきた。
「んもーっ、この酔っ払い重い!」
ミカエラが肩にリックを担いで帰ってきた。
「あーら」
「……しょうがないな。今日は泊まるか?」
「えっ、大丈夫なの」
「いいさ別に一日くらい。……どうだ、ミカエラ」
「へ、私? ……やだーぁ! ジャンヌー! 私面食いさんに誘われちゃったぁ」
ミカエラは名無しの腕にくっついた。名無しは苦笑いしながらもそれを振り払おうとはしなかった。
「しかたないわね」
「んんー! ジャンヌ……?」
「立ちなさいよ、酔っ払い。まだ日もあるのに。……とにかく部屋で休ませるわ」
ジャンヌはため息をつきながらリックを椅子から立たせた。
「アルー! 今度こそ内緒なー」
ふらつきながらもリックはジャンヌに手を引かれて上の階に移動していった。
「ねぇ、私たちもいきましょうよ」
「ああ……」
名無しもミカエラに案内されて部屋に向かった。
「じゃあ……」
スルスルと服を脱ごうとするミカエラに対し、名無しは手でそれを止めた。
「待った」
「なによ」
「俺はお前と話したかったんだ」
「話……なーんだ。話だけでも料金は貰うわよ?」
ミカエラは急に横柄な態度になってはだけた肩を直した。
「ジャンヌは……リックをどう思ってる? ただの客か?」
「姉さんはねぇ……本当の本当に気に入ったのしか相手にしないのよ。親父さんはいい顔しないけど。でも一番人気だから誰も文句言えないの」
「……ジャンヌはそれでいいのか」
「どうしろっていうのよ。宿屋のいかがわしい女給やってた女を嫁にする気?」
「それのどこが悪い」
さっきのやり取り。リックは自然にジャンヌとやり取りしていた。ジャンヌもリックを心から気遣っているように見えた。そう口にした名無しをミカエラは馬鹿にしたように鼻をならした。
「リックが良くても周りは許さないでしょ。分かったような事言わないでよ」
「……すまん」
「リックはいい人だけど……けっこうちゃんとした家でしょ」
「だが別に貴族相手って訳じゃない」
「そうね……どっちにしろ姉さんが決める事だわ」
ミカエラはそこまで言うと今度はじっと名無しを見た。
「……なんだ」
「あんた、ちょっと感じ変わったわね」
「そうか?」
「うん。もっと周りに無関心だと思っていたのに。……さっきのエミリアって人のせいかな?」
にやっと笑ったミカエラを見て、名無しはこの間までの旅を思い返した。バードを手にかけて冷たく震える名無しにずっと寄り添ってくれたエミリア。あれから何かがあきらかに変わった。
「まぁ……そうかもしれない」
「いい人なのね。ちゃんと口説いてる?」
「口説くもなにも……相手は尼さんだ。リックはからかってるだけだよ」
名無しがそう言うと、ミカエラははーっとため息をついた。
「あんたも厄介な女に惚れたのねぇ」
「そういうんじゃ……」
名無しがそう言いかけると、ミカエラが笑って首に手を回してきた。
「慰めてあげようか?」
「……結構だ」
「ふーん」
それから名無しはリックの酒だかなんだかが抜けるまでミカエラのちょっかいをかわしながらごろごろとして過ごした。
「……すまん」
「ああ……」
やっぱり妙にすっきりした顔のリックをつれてこの日は遅くなったものの村に向かう事ができた。
「俺……ちゃんと結婚できるのかなぁ」
「できるんじゃないか?」
パカパカと馬の足音だけが響く夜道を二人は行く。
「次に見合いも協力してやるから。……友達だからな」
「うん……ははは」
酒と香水の匂いにまみれて、二人は家へと帰った。リックの見合いの失敗とその後どこかで鬱憤晴らしをしたという噂は翌朝には村中に広がった。
1
あなたにおすすめの小説
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい
鈴木竜一
ファンタジー
旧題:引退賢者はのんびり開拓生活をおくりたい ~不正がはびこる大国の賢者を辞めて離島へと移住したら、なぜか優秀な元教え子たちが集まってきました~
【書籍化決定!】
本作の書籍化がアルファポリスにて正式決定いたしました!
第1巻は10月下旬発売!
よろしくお願いします!
賢者オーリンは大陸でもっと栄えているギアディス王国の魔剣学園で教鞭をとり、これまで多くの優秀な学生を育てあげて王国の繁栄を陰から支えてきた。しかし、先代に代わって新たに就任したローズ学園長は、「次期騎士団長に相応しい優秀な私の息子を贔屓しろ」と不正を強要してきた挙句、オーリン以外の教師は息子を高く評価しており、同じようにできないなら学園を去れと告げられる。どうやら、他の教員は王家とのつながりが深いローズ学園長に逆らえず、我がままで自分勝手なうえ、あらゆる能力が最低クラスである彼女の息子に最高評価を与えていたらしい。抗議するオーリンだが、一切聞き入れてもらえず、ついに「そこまでおっしゃられるのなら、私は一線から身を引きましょう」と引退宣言をし、大国ギアディスをあとにした。
その後、オーリンは以前世話になったエストラーダという小国へ向かうが、そこへ彼を慕う教え子の少女パトリシアが追いかけてくる。かつてオーリンに命を助けられ、彼を生涯の師と仰ぐ彼女を人生最後の教え子にしようと決め、かねてより依頼をされていた離島開拓の仕事を引き受けると、パトリシアとともにそこへ移り住み、現地の人々と交流をしたり、畑を耕したり、家畜の世話をしたり、修行をしたり、時に離島の調査をしたりとのんびりした生活を始めた。
一方、立派に成長し、あらゆるジャンルで国内の重要な役職に就いていた《黄金世代》と呼ばれるオーリンの元教え子たちは、恩師であるオーリンが学園から不当解雇された可能性があると知り、激怒。さらに、他にも複数の不正が発覚し、さらに国王は近隣諸国へ侵略戦争を仕掛けると宣言。そんな危ういギアディス王国に見切りをつけた元教え子たちは、オーリンの後を追って続々と国外へ脱出していく。
こうして、小国の離島でのんびりとした開拓生活を希望するオーリンのもとに、王国きっての優秀な人材が集まりつつあった……
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
『捨てられたシスターと傷ついた獣の修繕日誌』~「修理が遅い」と追放されたけど、DIY知識チートで壊れた家も心も直して、幸せな家庭を築きます
エリモコピコット
ファンタジー
「魔法で直せば一瞬だ。お前の手作業は時間の無駄なんだよ」
そう言われて勇者パーティを追放されたシスター、エリス。
彼女の魔法は弱く、派手な活躍はできない。 けれど彼女には、物の声を聞く『構造把握』の力と、前世から受け継いだ『DIY(日曜大工)』の知識があった。
傷心のまま辺境の村「ココン」に流れ着いた彼女は、一軒のボロ家と出会う。 隙間風だらけの壁、腐りかけた床。けれど、エリスは目を輝かせた。
「直せる。ここを、世界で一番温かい『帰る場所』にしよう!」
釘を使わない頑丈な家具、水汲み不要の自動ポンプ、冬でもポカポカの床暖房。
魔法文明が見落としていた「手間暇かけた技術」は、不便な辺境生活を快適な楽園へと変えていく。
やがてその温かい家には、 傷ついた銀髪の狼少女や、 素直になれないツンデレ黒猫、 人見知りな犬耳の鍛冶師が集まってきて――。
「エリス姉、あったか~い……」「……悔しいけど、この家から出られないわね」
これは、不器用なシスターが、壊れた家と、傷ついた心を修繕していく物語。 優しくて温かい、手作りのスローライフ・ファンタジー!
(※一方その頃、メンテナンス係を失った勇者パーティの装備はボロボロになり、冷たい野営で後悔の日々を送るのですが……それはまた別のお話)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる