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恋敵
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「南ぃ……! 寂しかったよぉ? 最近バイト入ってないんだもの」
かのん君の腕にさくらちゃんがぶら下がる。150センチちょっとの彼女が横に並ぶとそうなるだけかもしれないけど……私なんかかのん君よりちょっと身長あるからな。
「モデルの仕事が増えちゃって。元々、こっちは店が軌道に乗るまでの手伝いの約束だったしさー」
「えー、かのんモデルちゃんと出来てるのー?」
さくらちゃんが首を傾げると、アレクがそこに割って入った。
「さくらちゃん、かのんはその内表紙飾るよ」
「えー? すごい引っ込み次案だったんだよ。学芸会でも泣きそうになってて」
「さくら! 余計な事言わないで」
私の知らない昔のかのん君の話。さらに会話についていけなくなった私は黙り込むしかなかった。
「真希ちゃん、さくらのいう事は無視していいからね」
「なんでー? 南ひどいよお」
「いや、あの……聞かせて欲しいかな? かのん君の昔の話」
精一杯の笑顔を作って、さくらちゃんの話に合わせる。
「えー、どうしっようかなー」
あーダメ、イラつく。『どついてやりたいわぁ!』心の中の桜井さんが叫ぶ。ごめん桜井さん、とんだとばっちりだ。
「南は泣き虫でねー」
そんな私の様子に気づいてか気づかないでか、さくらちゃんはかのん君の昔の暴露話をはじめた。
「ほら、南って女の子みたいでしょー。だから男子にからかわれてて。クラスの女子みんなで加藤君をいじめないでって抗議したの」
あーそれ、余計に恨み買うやーつ。
「運動も苦手だし……ほっとけないっていうかぁ? あっ、私が保母さんになったのもそのせいかも?」
「さくらはずっと保母さんになるっていってたじゃん」
「南は私がいないとなんにも出来ないからぁ」
「俺、園児じゃないよ」
何だろう、この微妙に噛み合わない会話。悪いけどイライラしてしまう。だって私の知ってるかのん君はなんにも出来ないダメな子なんかじゃない。むしろ私を守ってくれるナイトなのに。
「ふーん、かのん君はとっても頼りになるよ」
「えー、うっそー」
とても信じられないって感じでさくらちゃんがケラケラと笑う。過去のかのん君がもしさくらちゃんの言う通りだとしても、今は違う。きっとそれはかのん君が自分磨きをしたから。
「かのん君も大人の男の人なんだから」
ついそんな苦言を口にすると、アレクが口をはさんだ。
「こっわー」
余計な一言いわないで、とそっちをみるとアレクはにやにやと笑っていた。あ、こいつ面白がってる。
「身長、レネと同じ位あるんじゃないのー。さくらちゃんの方がバランス的には丁度いいかも」
「ちょっとーアレクなに言ってんの」
さくらちゃんが恥ずかしそうに身もだえする。はい、決定。こいつはかのん君を狙ってる。
さぞ私は邪魔だろう。
「そうだよ、彼女は真希ちゃんだからね」
アレクのふざけた態度にきっぱりとかのん君は抗議する。ああ、やっぱりカッコいい。
「はー、どこがいいだよこんなの」
だから本人目の前にしてこんなの呼ばわりするのはやめなさい。
「ふん、アレクにはわかんないよ」
とうとうかのん君はぷいと顔を背けてしまった。そうなると焦るのはアレクの方だ。慌ててかのん君に縋り付く。
「ごめんごめん。分かるよ、おっぱいだよな」
「それだけじゃないよ! もう本当にアレクはバカだな」
それだけじゃ……って多少はおっぱいも好きな要素に入ってるのかな。うっ、ちょっと恥ずかしい。
「高身長、いいじゃない。……あ、本当に身長同じくらい」
ふらーり、といった感じでレネさんが立ち上がった。私より身長ある女性ってそうそう出会わないのでこれはちょっとうれしい。
「んふ、ねぇ良かったら連絡先交換しない?」
「あ、はい。いいですよ」
レネさんから予想外の提案が来た。もちろんこんな美人の提案を受け入れないはずはない。
「えー? じゃあ私もー」
「あ? じゃ俺も」
それになぜかさくらちゃんとアレクも乗っかってくる。私はぐったりとしながら濃い面子と連絡先を交換するはめになった。
「へんなメッセージ送らないでよ。俺、チェックするから」
「わー! 束縛彼氏だーこわー!」
「バカアレク! お前が一番心配なんだよ」
本当に騒がしいな。私は飲み物を取りに、そっとテーブルから離れてカウンターへと向かった。
【ライト文芸大賞エントリー中 応援よろしくお願いいたします。】
かのん君の腕にさくらちゃんがぶら下がる。150センチちょっとの彼女が横に並ぶとそうなるだけかもしれないけど……私なんかかのん君よりちょっと身長あるからな。
「モデルの仕事が増えちゃって。元々、こっちは店が軌道に乗るまでの手伝いの約束だったしさー」
「えー、かのんモデルちゃんと出来てるのー?」
さくらちゃんが首を傾げると、アレクがそこに割って入った。
「さくらちゃん、かのんはその内表紙飾るよ」
「えー? すごい引っ込み次案だったんだよ。学芸会でも泣きそうになってて」
「さくら! 余計な事言わないで」
私の知らない昔のかのん君の話。さらに会話についていけなくなった私は黙り込むしかなかった。
「真希ちゃん、さくらのいう事は無視していいからね」
「なんでー? 南ひどいよお」
「いや、あの……聞かせて欲しいかな? かのん君の昔の話」
精一杯の笑顔を作って、さくらちゃんの話に合わせる。
「えー、どうしっようかなー」
あーダメ、イラつく。『どついてやりたいわぁ!』心の中の桜井さんが叫ぶ。ごめん桜井さん、とんだとばっちりだ。
「南は泣き虫でねー」
そんな私の様子に気づいてか気づかないでか、さくらちゃんはかのん君の昔の暴露話をはじめた。
「ほら、南って女の子みたいでしょー。だから男子にからかわれてて。クラスの女子みんなで加藤君をいじめないでって抗議したの」
あーそれ、余計に恨み買うやーつ。
「運動も苦手だし……ほっとけないっていうかぁ? あっ、私が保母さんになったのもそのせいかも?」
「さくらはずっと保母さんになるっていってたじゃん」
「南は私がいないとなんにも出来ないからぁ」
「俺、園児じゃないよ」
何だろう、この微妙に噛み合わない会話。悪いけどイライラしてしまう。だって私の知ってるかのん君はなんにも出来ないダメな子なんかじゃない。むしろ私を守ってくれるナイトなのに。
「ふーん、かのん君はとっても頼りになるよ」
「えー、うっそー」
とても信じられないって感じでさくらちゃんがケラケラと笑う。過去のかのん君がもしさくらちゃんの言う通りだとしても、今は違う。きっとそれはかのん君が自分磨きをしたから。
「かのん君も大人の男の人なんだから」
ついそんな苦言を口にすると、アレクが口をはさんだ。
「こっわー」
余計な一言いわないで、とそっちをみるとアレクはにやにやと笑っていた。あ、こいつ面白がってる。
「身長、レネと同じ位あるんじゃないのー。さくらちゃんの方がバランス的には丁度いいかも」
「ちょっとーアレクなに言ってんの」
さくらちゃんが恥ずかしそうに身もだえする。はい、決定。こいつはかのん君を狙ってる。
さぞ私は邪魔だろう。
「そうだよ、彼女は真希ちゃんだからね」
アレクのふざけた態度にきっぱりとかのん君は抗議する。ああ、やっぱりカッコいい。
「はー、どこがいいだよこんなの」
だから本人目の前にしてこんなの呼ばわりするのはやめなさい。
「ふん、アレクにはわかんないよ」
とうとうかのん君はぷいと顔を背けてしまった。そうなると焦るのはアレクの方だ。慌ててかのん君に縋り付く。
「ごめんごめん。分かるよ、おっぱいだよな」
「それだけじゃないよ! もう本当にアレクはバカだな」
それだけじゃ……って多少はおっぱいも好きな要素に入ってるのかな。うっ、ちょっと恥ずかしい。
「高身長、いいじゃない。……あ、本当に身長同じくらい」
ふらーり、といった感じでレネさんが立ち上がった。私より身長ある女性ってそうそう出会わないのでこれはちょっとうれしい。
「んふ、ねぇ良かったら連絡先交換しない?」
「あ、はい。いいですよ」
レネさんから予想外の提案が来た。もちろんこんな美人の提案を受け入れないはずはない。
「えー? じゃあ私もー」
「あ? じゃ俺も」
それになぜかさくらちゃんとアレクも乗っかってくる。私はぐったりとしながら濃い面子と連絡先を交換するはめになった。
「へんなメッセージ送らないでよ。俺、チェックするから」
「わー! 束縛彼氏だーこわー!」
「バカアレク! お前が一番心配なんだよ」
本当に騒がしいな。私は飲み物を取りに、そっとテーブルから離れてカウンターへと向かった。
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