2 / 15
1-2
しおりを挟む
私のスキルが戦闘に不向きだったため当然、母は親戚から嫌がらせをされて、耐えきれず父と私を残して伯爵家からある日突然出ていった。
他所に男を作り駆け落ちしたのだと、使用人たちの間で噂になり、父は悲しみを紛らわすためか、母への当てつけかわからないが継母と再婚し、キャロラインが生まれた。
父は母を恨んでるようで、私に対して情など無い。それでも孤児院に入れずデュモルティー伯爵家に置くのは、政略の駒だからだろう。きっと裕福だが問題ある子息か、何回も結婚してるであろう年の離れ過ぎた相手と政略結婚させられる。それまでデュモルティー伯爵家の使用人のように過ごすのだ。
そんな風に漠然と、未来を想像しながら木箱を開ける。中は木彫りの魚を咥えた熊だった。
「スキルを使わなきゃ、見つからないかなぁ」と、大きな溜息を吐いて木箱に蓋をした。
母を追い詰めた原因のスキルなんかに頼りたくないが、仕方ない。
数回パチパチと瞬きをして、ピンクの花柄の花瓶を思い浮かべて呟く。
「サーチ」
数秒経過したが、棚にはなんの変化もなく「おかしいな?」と周囲を見回すが、目当ての反応はない。
私のスキルは『探索』だ。紛失物 を見つけたり、指定した場所などを探査、調査して新しい物や魔物を発見したりする。
一見便利そうなんだけど、戦闘スキルじゃないから屑スキルだ。
「あーぁ。やられたぁ」
キャロライン付きの侍女は「物置部屋にある」と言っていたが、実際にはピンクの花模様の花瓶は物置部屋になく別の場所にあるのだ。嫌がらせだ。
「まったく」と呆れるのと同時に、私のお腹が空腹を訴えてクゥゥと鳴った。
デュモルティー伯爵家での私の食事は、1日2回。時間も厳しく決められていて、時間を過ぎると食事できないのだ。他の使用人達は1日3食で時間もある程度融通がきくのに!
まぁ、つまり、私は朝食を食べ損なったのだ。もしかしたら、今日は食事にありつけないかもしれない。
お腹空いたなぁ。花瓶何処にあるかなぁ?と、思いながら散らかした木箱の片付けをはじめたが、不揃いな大きさの木箱はなかなか棚に収まらなくて。
八つ当たりで「えい!」と力任せに隙間に小さな木箱を押し込むと、振動で棚が揺れて年代物の筒が一つ落ちてきた。
やばい!キズがついてたり、壊れてたりしたら殴られる。
さぁっと全身の血が引く。慌てて筒がキズついていないか確認する。筒にキズはなかったが、問題は中身だ。
震える手で筒の蓋を取り、中を覗くと丸められた紙が入っていた。
「良かった」
中身が紙なら壊れる事が無いからほっとすると同時に、何が書いてあるのか気になるのが人と言うもので。ドキドキしながら丸められた紙を広げた。
他所に男を作り駆け落ちしたのだと、使用人たちの間で噂になり、父は悲しみを紛らわすためか、母への当てつけかわからないが継母と再婚し、キャロラインが生まれた。
父は母を恨んでるようで、私に対して情など無い。それでも孤児院に入れずデュモルティー伯爵家に置くのは、政略の駒だからだろう。きっと裕福だが問題ある子息か、何回も結婚してるであろう年の離れ過ぎた相手と政略結婚させられる。それまでデュモルティー伯爵家の使用人のように過ごすのだ。
そんな風に漠然と、未来を想像しながら木箱を開ける。中は木彫りの魚を咥えた熊だった。
「スキルを使わなきゃ、見つからないかなぁ」と、大きな溜息を吐いて木箱に蓋をした。
母を追い詰めた原因のスキルなんかに頼りたくないが、仕方ない。
数回パチパチと瞬きをして、ピンクの花柄の花瓶を思い浮かべて呟く。
「サーチ」
数秒経過したが、棚にはなんの変化もなく「おかしいな?」と周囲を見回すが、目当ての反応はない。
私のスキルは『探索』だ。紛失物 を見つけたり、指定した場所などを探査、調査して新しい物や魔物を発見したりする。
一見便利そうなんだけど、戦闘スキルじゃないから屑スキルだ。
「あーぁ。やられたぁ」
キャロライン付きの侍女は「物置部屋にある」と言っていたが、実際にはピンクの花模様の花瓶は物置部屋になく別の場所にあるのだ。嫌がらせだ。
「まったく」と呆れるのと同時に、私のお腹が空腹を訴えてクゥゥと鳴った。
デュモルティー伯爵家での私の食事は、1日2回。時間も厳しく決められていて、時間を過ぎると食事できないのだ。他の使用人達は1日3食で時間もある程度融通がきくのに!
まぁ、つまり、私は朝食を食べ損なったのだ。もしかしたら、今日は食事にありつけないかもしれない。
お腹空いたなぁ。花瓶何処にあるかなぁ?と、思いながら散らかした木箱の片付けをはじめたが、不揃いな大きさの木箱はなかなか棚に収まらなくて。
八つ当たりで「えい!」と力任せに隙間に小さな木箱を押し込むと、振動で棚が揺れて年代物の筒が一つ落ちてきた。
やばい!キズがついてたり、壊れてたりしたら殴られる。
さぁっと全身の血が引く。慌てて筒がキズついていないか確認する。筒にキズはなかったが、問題は中身だ。
震える手で筒の蓋を取り、中を覗くと丸められた紙が入っていた。
「良かった」
中身が紙なら壊れる事が無いからほっとすると同時に、何が書いてあるのか気になるのが人と言うもので。ドキドキしながら丸められた紙を広げた。
5
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
ねえ、今どんな気持ち?
かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた
彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。
でも、あなたは真実を知らないみたいね
ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・
魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす
三谷朱花
恋愛
ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。
ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。
伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。
そして、告げられた両親の死の真相。
家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。
絶望しかなかった。
涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。
雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。
そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。
ルーナは死を待つしか他になかった。
途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。
そして、ルーナがその温もりを感じた日。
ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる