27 / 27
第二十七話
しおりを挟む
もう、一歩も歩けねーよ。
キサラギはミナミ区、つまり、私のバイクが止めてあるその先に、これから来る予定だ。
現在地からニシ区の外れまで行って、そっから迂回して護送車に向かうことは、今の私には不可能。
「無理、じゃんか……」
思わず、弱音を吐く。
誰か、颯爽と私の前に現れて、助けてくれねーかな。
そうだ、ウォーリー。
成長したウォーリーが、カンナ姉さん、助けにきやしたぜ、とかなんとか言って、現れるのはどうた?
……何キャラだよ、ウォーリー。
「……へっ、いつから私は、そんなヤワになったんだよ」
私は、すぐに考えを改めた。
ウォーリーの顔を思い出したら、こんなダセー自分が情けなくなっちまった。
守るのは、私の役目だろ。
「駅前に、でけー病院があったよな」
郊外には向かわないで、あえて駅前を目指す。そこで、輸血をして、更に地下鉄でミナミ区を目指すんだ。
「……ウォーリー、待ってろよ!」
私は、家から飛び出した。
堂々とセンター通りを歩く。
住宅街の入り組んだ道は、迷う上にいつ何時襲われるか分からない。
センター通りなら、影はあんまりねーし、ここら辺は催眠に落としたガーゴイルが、かなりの数紛れてるから、助けてもらえる。
私は、姿を敵に晒しつつも、安全に病院を目指した。
「……ついたか」
イーストシティ総合病院に到着。
輸血なんて自分でできないから、看護婦が残ってくれてることに期待するしかない。
だが、その可能性は、高いハズだ。
私は、病室のドアを開けた
「……あなたは?」
やっぱり、いた。
看護婦だ。
彼女らは、人助けを生業にしている。
病室で寝たきりの患者を、放って逃げるようなタマじゃねーよな。
「頼む。 急いで、輸血してくれねーか?」
輸血を済ませて、何とか地下鉄まで到着した。
後は、バイクに乗って、護送車にこの槍を届ければ、しまいだ。
「大丈夫ですか?」
「……ああ、問題、ねーよ」
血にまみれた私を、周りの乗客が気遣ってくれる。
問題ねー。
槍さえ届けられれば、それでいい。
私の命が、そこまでだったとしてもな。
電車から降りると、一斉にカンナコールが沸き起こった。
「カンナ、もう少しだ!」
「頑張れ、頑張れ!」
……何だ、コレ。
ああ、そうか。
みんな、最初に催眠にかけた奴らか。
ったく、いつまでも催眠にかかってんじゃねーよ。
「言われるまでもねーっつの」
絶対に、最後までやり遂げる。
それが、私の使命だから。
おわり
キサラギはミナミ区、つまり、私のバイクが止めてあるその先に、これから来る予定だ。
現在地からニシ区の外れまで行って、そっから迂回して護送車に向かうことは、今の私には不可能。
「無理、じゃんか……」
思わず、弱音を吐く。
誰か、颯爽と私の前に現れて、助けてくれねーかな。
そうだ、ウォーリー。
成長したウォーリーが、カンナ姉さん、助けにきやしたぜ、とかなんとか言って、現れるのはどうた?
……何キャラだよ、ウォーリー。
「……へっ、いつから私は、そんなヤワになったんだよ」
私は、すぐに考えを改めた。
ウォーリーの顔を思い出したら、こんなダセー自分が情けなくなっちまった。
守るのは、私の役目だろ。
「駅前に、でけー病院があったよな」
郊外には向かわないで、あえて駅前を目指す。そこで、輸血をして、更に地下鉄でミナミ区を目指すんだ。
「……ウォーリー、待ってろよ!」
私は、家から飛び出した。
堂々とセンター通りを歩く。
住宅街の入り組んだ道は、迷う上にいつ何時襲われるか分からない。
センター通りなら、影はあんまりねーし、ここら辺は催眠に落としたガーゴイルが、かなりの数紛れてるから、助けてもらえる。
私は、姿を敵に晒しつつも、安全に病院を目指した。
「……ついたか」
イーストシティ総合病院に到着。
輸血なんて自分でできないから、看護婦が残ってくれてることに期待するしかない。
だが、その可能性は、高いハズだ。
私は、病室のドアを開けた
「……あなたは?」
やっぱり、いた。
看護婦だ。
彼女らは、人助けを生業にしている。
病室で寝たきりの患者を、放って逃げるようなタマじゃねーよな。
「頼む。 急いで、輸血してくれねーか?」
輸血を済ませて、何とか地下鉄まで到着した。
後は、バイクに乗って、護送車にこの槍を届ければ、しまいだ。
「大丈夫ですか?」
「……ああ、問題、ねーよ」
血にまみれた私を、周りの乗客が気遣ってくれる。
問題ねー。
槍さえ届けられれば、それでいい。
私の命が、そこまでだったとしてもな。
電車から降りると、一斉にカンナコールが沸き起こった。
「カンナ、もう少しだ!」
「頑張れ、頑張れ!」
……何だ、コレ。
ああ、そうか。
みんな、最初に催眠にかけた奴らか。
ったく、いつまでも催眠にかかってんじゃねーよ。
「言われるまでもねーっつの」
絶対に、最後までやり遂げる。
それが、私の使命だから。
おわり
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
落ちこぼれ公爵令息の真実
三木谷夜宵
ファンタジー
ファレンハート公爵の次男セシルは、婚約者である王女ジェニエットから婚約破棄を言い渡される。その隣には兄であるブレイデンの姿があった。セシルは身に覚えのない容疑で断罪され、魔物が頻繁に現れるという辺境に送られてしまう。辺境の騎士団の下働きとして物資の輸送を担っていたセシルだったが、ある日拠点の一つが魔物に襲われ、多数の怪我人が出てしまう。物資が足らず、騎士たちの応急処置ができない状態に陥り、セシルは祈ることしかできなかった。しかし、そのとき奇跡が起きて──。
設定はわりとガバガバだけど、楽しんでもらえると嬉しいです。
投稿している他の作品との関連はありません。
カクヨムにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる