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第七話
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彼らのズボラさからして、借りた家賃を踏み倒すのは目に見えています。
三万五千円の家賃代くらい、自力で払ってもらわねば、来月も同じピンチに見舞われるだけです。
そんな思いで、自室に向かう途中でした。
「山猫、話があんねん」
腕を組み、日に焼けた男が声をかけてきました。
202号室に住む、自称・考古学の骨塚竜ノ介さん(30)です。
「これはこれは考古学者様、おはようございます」
「おう。 それより、一大事やで。 近々、このアパートで人が殺されんねん。 誰だか分かるか? 101号室の、めぐちゃんや」
……大の大人が探偵ごっこ。
考古学者気取りの遊びに付き合う暇はありません。
部屋に戻ろうとすると、骨塚さんは私の手を引いて、駄々をこね始めました。
「話聞けや! 放置してたら、このアパートとり潰しになんねんぞ」
「何でそんな未来の話を、あなたが知っているんですか?」
「分からんやっちゃなーっ、何度も同じ事、言わすなや!」
骨塚さんの素性をまとめると、こうです。
彼は化石発掘のバイトをしており、たまにその年代の地層からはありえないものが採掘される。
分かり易く言えば、江戸時代に車のパーツが発見されるとか、そんな感じでしょうか。
そこで、骨塚さんはずっと、タイムマシンの存在を疑っていて、最近、とあるお笑い芸人が未来人であることを突き止めたそうです。
「あの、ゴー〇ャスって芸人、笑いのセンスが奇抜過ぎる。 絶対、未来人や!」
それで、楽屋で出待ちして問い詰めた所、本当に未来人だった。
彼とメル友になり、未来の情報を手に入れている、とのことです。
「せやから、間違いない。 犯人探し、お前も手伝えや!」
「……アパートが取り潰されるのは、困りますね」
家賃が集まっても、殺人が起きてしまえば、誰もこのアパートには住みたがらず、取りつぶしは免れないでしょう。
それに、この考古学者もどきならまだしも、101号室の森林恵さんが狙われているのだとしたら、見殺しにはできません。
「一体、いつ、森林さんは殺される予定なんですか?」
「今夜や」
三万五千円の家賃代くらい、自力で払ってもらわねば、来月も同じピンチに見舞われるだけです。
そんな思いで、自室に向かう途中でした。
「山猫、話があんねん」
腕を組み、日に焼けた男が声をかけてきました。
202号室に住む、自称・考古学の骨塚竜ノ介さん(30)です。
「これはこれは考古学者様、おはようございます」
「おう。 それより、一大事やで。 近々、このアパートで人が殺されんねん。 誰だか分かるか? 101号室の、めぐちゃんや」
……大の大人が探偵ごっこ。
考古学者気取りの遊びに付き合う暇はありません。
部屋に戻ろうとすると、骨塚さんは私の手を引いて、駄々をこね始めました。
「話聞けや! 放置してたら、このアパートとり潰しになんねんぞ」
「何でそんな未来の話を、あなたが知っているんですか?」
「分からんやっちゃなーっ、何度も同じ事、言わすなや!」
骨塚さんの素性をまとめると、こうです。
彼は化石発掘のバイトをしており、たまにその年代の地層からはありえないものが採掘される。
分かり易く言えば、江戸時代に車のパーツが発見されるとか、そんな感じでしょうか。
そこで、骨塚さんはずっと、タイムマシンの存在を疑っていて、最近、とあるお笑い芸人が未来人であることを突き止めたそうです。
「あの、ゴー〇ャスって芸人、笑いのセンスが奇抜過ぎる。 絶対、未来人や!」
それで、楽屋で出待ちして問い詰めた所、本当に未来人だった。
彼とメル友になり、未来の情報を手に入れている、とのことです。
「せやから、間違いない。 犯人探し、お前も手伝えや!」
「……アパートが取り潰されるのは、困りますね」
家賃が集まっても、殺人が起きてしまえば、誰もこのアパートには住みたがらず、取りつぶしは免れないでしょう。
それに、この考古学者もどきならまだしも、101号室の森林恵さんが狙われているのだとしたら、見殺しにはできません。
「一体、いつ、森林さんは殺される予定なんですか?」
「今夜や」
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