43 / 181
第43話
しおりを挟む
朝、学校で柊先輩を呼び出した。
「昨日は、勝手に帰ってごめんなさい」
「俺の方こそ、傷つけるようなこと言ってごめん」
違う。傷ついてなんかない。
だって、
「私、本当は嬉しかったの」
私は小さな声で言った。
「え?」
柊先輩は驚いた表情を見せた。
「本当は分かってた。柊先輩は私のことを思ってあぁ言ってくれたってこと」
私は目を伏せた。
「もちろん心桜のためもあるけど…俺が、心桜のそばにいたかったんだ 」
柊先輩もそう思ってくれてたんだ。
「そっか、」
「心桜の言う通りだった」
柊先輩は自分を責めるように言った。
「え?」
私は驚いて柊先輩を見つめた。
「心桜のお願いは聞かなかったのにわがままだったよね。ごめん」
柊先輩は深く息をついた。
昨日のこと、、
そりゃ、気にするよね。
「でも、急にどうして一緒にいたいなんて」
「それは…」
柊先輩は言葉を探しているようだった。
「何?」
なにか隠してるように見えるけど、
「心桜が、」
柊先輩は一瞬ためらった。
「私?」
「心桜が…寂しい思いしてるって分かって、すごく反省した。それと、」
柊先輩の声は少し震えていた。
「それと?」
私は息を飲んだ。
「その、俺も、心桜と同じになって初めて、気づいたんだ。心桜がどんな気持ちだったのか。それでさらに反省した」
柊先輩の目には真剣さが宿っていた。
私と同じ気持ち…?
それって、
「私と同じ気持ちって、寂しかったってこと、?」
私は涙がこぼれそうになった。
私が咲月とか遥希くんとずっと一緒にいたから…?
距離を置く前から避けてたから、?
「ごめん。ほんとは俺がこんなこと言う権利ないよね」
柊先輩は自分を責めるように言った。
「どうして?」
私は首をかしげた。
柊先輩にだって寂しいって言う権利はある。
「だって先に寂しくさせちゃったのは俺の方だし」
柊先輩の言葉に、私は胸が痛んだ。
「ごめんなさい」
「え?なんで心桜が謝るの」
柊先輩は驚いた表情を浮かべた。
「寂しい思いさせて、私もごめん」
私は涙をこらえながら言った。
柊先輩の気持ちに気づいてあげられなかった。
自分のことばっかりだった。
「いや、俺が悪いよ」
「ちゃんと気持ちを伝えなかった私も悪い」
あの時、寂しいって正直に言ってたら、ここまで大事にはならなかった。
「心桜、」
「あの後、考えたんだ。私は柊先輩が変わってくれないかなって期待してたけど、それは私も一緒だった」
咲月は変わらなくてもいいんじゃないって言ってくれたけど、ずっとモヤモヤしてた。
「どういうこと、?」
「変わらないといけないのは私も一緒だった」
私は真剣な眼差しで柊先輩を見つめた。
「昨日は、勝手に帰ってごめんなさい」
「俺の方こそ、傷つけるようなこと言ってごめん」
違う。傷ついてなんかない。
だって、
「私、本当は嬉しかったの」
私は小さな声で言った。
「え?」
柊先輩は驚いた表情を見せた。
「本当は分かってた。柊先輩は私のことを思ってあぁ言ってくれたってこと」
私は目を伏せた。
「もちろん心桜のためもあるけど…俺が、心桜のそばにいたかったんだ 」
柊先輩もそう思ってくれてたんだ。
「そっか、」
「心桜の言う通りだった」
柊先輩は自分を責めるように言った。
「え?」
私は驚いて柊先輩を見つめた。
「心桜のお願いは聞かなかったのにわがままだったよね。ごめん」
柊先輩は深く息をついた。
昨日のこと、、
そりゃ、気にするよね。
「でも、急にどうして一緒にいたいなんて」
「それは…」
柊先輩は言葉を探しているようだった。
「何?」
なにか隠してるように見えるけど、
「心桜が、」
柊先輩は一瞬ためらった。
「私?」
「心桜が…寂しい思いしてるって分かって、すごく反省した。それと、」
柊先輩の声は少し震えていた。
「それと?」
私は息を飲んだ。
「その、俺も、心桜と同じになって初めて、気づいたんだ。心桜がどんな気持ちだったのか。それでさらに反省した」
柊先輩の目には真剣さが宿っていた。
私と同じ気持ち…?
それって、
「私と同じ気持ちって、寂しかったってこと、?」
私は涙がこぼれそうになった。
私が咲月とか遥希くんとずっと一緒にいたから…?
距離を置く前から避けてたから、?
「ごめん。ほんとは俺がこんなこと言う権利ないよね」
柊先輩は自分を責めるように言った。
「どうして?」
私は首をかしげた。
柊先輩にだって寂しいって言う権利はある。
「だって先に寂しくさせちゃったのは俺の方だし」
柊先輩の言葉に、私は胸が痛んだ。
「ごめんなさい」
「え?なんで心桜が謝るの」
柊先輩は驚いた表情を浮かべた。
「寂しい思いさせて、私もごめん」
私は涙をこらえながら言った。
柊先輩の気持ちに気づいてあげられなかった。
自分のことばっかりだった。
「いや、俺が悪いよ」
「ちゃんと気持ちを伝えなかった私も悪い」
あの時、寂しいって正直に言ってたら、ここまで大事にはならなかった。
「心桜、」
「あの後、考えたんだ。私は柊先輩が変わってくれないかなって期待してたけど、それは私も一緒だった」
咲月は変わらなくてもいいんじゃないって言ってくれたけど、ずっとモヤモヤしてた。
「どういうこと、?」
「変わらないといけないのは私も一緒だった」
私は真剣な眼差しで柊先輩を見つめた。
5
あなたにおすすめの小説
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
友達の肩書き
菅井群青
恋愛
琢磨は友達の彼女や元カノや友達の好きな人には絶対に手を出さないと公言している。
私は……どんなに強く思っても友達だ。私はこの位置から動けない。
どうして、こんなにも好きなのに……恋愛のスタートラインに立てないの……。
「よかった、千紘が友達で本当に良かった──」
近くにいるはずなのに遠い背中を見つめることしか出来ない……。そんな二人の関係が変わる出来事が起こる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる