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第71話
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「心桜がそんなだと遥希くん、きっと落ち込んじゃうと思うけどな」
柊先輩の言葉に、私はドキッとした。
「どうして?」
戸惑いながら聞き返す。
「どうして頼ってくれないんだろう。友達だと思ってるのは俺だけなのかなって」
「そんなわけ、」
友達じゃないなんて思うわけないのに。
遥希くんがそんな風に感じているのなら、それは私のせいだ。
「遥希くんが困ってたら、今度は心桜が助けてあげればいいし、そんな機会が訪れないとしてもそれでいいんだよ」
遥希くんは、きっと一人で解決しようとして、きっと一人で解決出来てしまうんだろう。
私なんかが気にかけなくても。
「私だけ貰ってばっかりで、返せなくて、」
友達だからこそ、助け合うべきなのに、私は一方的に助けてもらってばかりだ。
「友達に貰うも返すもないでしょ。お互いが思いやっているから必然的にそういう形になるだけでね」
先輩の言いたいことも分かる。
友達の関係にギブアンドテイクなんてものはなくて、そんなものを意識しなくても自然と助け合うものなのだと。
「そうだよね、」
だけど、その優しさに甘えてていいのかな、なんて。そんなふうに思ってしまうから。
私がこんなだと先輩にも、遥希くんにまで気を使わせちゃうよね。
でも、どうしても割り切れない自分がいる。
「昨日も言ったけど、遥希くんも心桜のことを大事に思ってるから、助けたいんだよ。それを受け入れるのも友達として大事なことだと思うよ」
その優しさを受け入れる…
「…確かに、そうかも」
私は小さく頷く。
もし私が遥希くんなら、助けたいという気持ちを受け入れてもらえないのは辛いと思う。
友達だから助けてあげたいのにって。
友達だからこそ助け合える関係でありたい。
お互いが思いやることで成り立つ友情を、もっと大切にしていこうと思えた。
「先輩、」
私はふと立ち止まり、柊先輩の顔を見上げた。
先輩にどうしても言いたいことがあった。
先輩が私を頼りにしてくれる機会は訪れないかもしれない。
私が先輩のためにしてあげられることなんて、ないかもしれない。
それなら私ができることはただ一つだけ。
「ありがとう」
感謝の気持ちをちゃんと伝えたえること。
あなたのおかげで私が笑顔でいられると、安心していられると少しでも伝われば。
「お礼を言われることなんてしてないよ」
先輩は微笑む。
「ううん。そばにいてくれるだけで救われてるよ。本当は、すっごく怖かった。あの人がいつ現れるか分からないから、学校にも行きたくなかった。だけど、先輩がそばにいてくれるから頑張れる」
先輩がそばにいてくれるだけで、不安も恐怖も少しずつ和らいでいく。
先輩の存在が私にとってどれほど心強いか、言葉にするのが難しいほどに。
「それなら良かった」
先輩は嬉しそうに笑った。
「本当にありがとう」
感謝の気持ちが溢れ出た。
「心桜は一人じゃないよ。もちろん俺だけじゃない。沙紀も、遥希くんも咲月ちゃんもみんな心桜の味方だからね」
そう言って優しく頭を撫でてくれる。
その温かい手の感触に、心がさらに安らぐのを感じた。
柊先輩の言葉に、私はドキッとした。
「どうして?」
戸惑いながら聞き返す。
「どうして頼ってくれないんだろう。友達だと思ってるのは俺だけなのかなって」
「そんなわけ、」
友達じゃないなんて思うわけないのに。
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「遥希くんが困ってたら、今度は心桜が助けてあげればいいし、そんな機会が訪れないとしてもそれでいいんだよ」
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私なんかが気にかけなくても。
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友達だからこそ、助け合うべきなのに、私は一方的に助けてもらってばかりだ。
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先輩の言いたいことも分かる。
友達の関係にギブアンドテイクなんてものはなくて、そんなものを意識しなくても自然と助け合うものなのだと。
「そうだよね、」
だけど、その優しさに甘えてていいのかな、なんて。そんなふうに思ってしまうから。
私がこんなだと先輩にも、遥希くんにまで気を使わせちゃうよね。
でも、どうしても割り切れない自分がいる。
「昨日も言ったけど、遥希くんも心桜のことを大事に思ってるから、助けたいんだよ。それを受け入れるのも友達として大事なことだと思うよ」
その優しさを受け入れる…
「…確かに、そうかも」
私は小さく頷く。
もし私が遥希くんなら、助けたいという気持ちを受け入れてもらえないのは辛いと思う。
友達だから助けてあげたいのにって。
友達だからこそ助け合える関係でありたい。
お互いが思いやることで成り立つ友情を、もっと大切にしていこうと思えた。
「先輩、」
私はふと立ち止まり、柊先輩の顔を見上げた。
先輩にどうしても言いたいことがあった。
先輩が私を頼りにしてくれる機会は訪れないかもしれない。
私が先輩のためにしてあげられることなんて、ないかもしれない。
それなら私ができることはただ一つだけ。
「ありがとう」
感謝の気持ちをちゃんと伝えたえること。
あなたのおかげで私が笑顔でいられると、安心していられると少しでも伝われば。
「お礼を言われることなんてしてないよ」
先輩は微笑む。
「ううん。そばにいてくれるだけで救われてるよ。本当は、すっごく怖かった。あの人がいつ現れるか分からないから、学校にも行きたくなかった。だけど、先輩がそばにいてくれるから頑張れる」
先輩がそばにいてくれるだけで、不安も恐怖も少しずつ和らいでいく。
先輩の存在が私にとってどれほど心強いか、言葉にするのが難しいほどに。
「それなら良かった」
先輩は嬉しそうに笑った。
「本当にありがとう」
感謝の気持ちが溢れ出た。
「心桜は一人じゃないよ。もちろん俺だけじゃない。沙紀も、遥希くんも咲月ちゃんもみんな心桜の味方だからね」
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その温かい手の感触に、心がさらに安らぐのを感じた。
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