学年一のイケメンに脅されて付き合うことになりました!

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第49話

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「そんなことは…っ、」

 言い返そうとした瞬間、視界がぐらりと揺れた。

 言葉の勢いに体がついていかなくて、足元がふらつく。

 重心が崩れて、
 一瞬、世界が傾いたような感覚。

 あ、まずい…。

 そう思った瞬間、膝が少し折れそうになって、鞄の重さが肩に食い込む。

 踏ん張ろうとしたけど、力が入らない。

 体が前に傾きかけたその瞬間────

「おい、大丈夫か、」

 すぐに海斗の声が飛んできて、腕が支えてくれる。

 その手の温度が、思った以上にあたたかくて、少しだけ安心する。

 でも、情けなくて、恥ずかしくて、顔を上げられない。

 今日これで2回目だし、いや、3回目か。

「ごめん、ちょっとふらついて」

 なんとか言葉を絞り出す。

 本当はもっとしっかりしていたかったのに。

 こんなふうに弱いところを見せるのは、やっぱり苦手だ。

「ごめん!体調悪いのに長話しちゃって」

 翔くんの声が慌てていて、申し訳なさそうで。
 その気遣いが、逆に胸に沁みる。

「気にしないでください」

 そう言いながら、少しだけ笑ってみせる。

 本当はちょっとしんどいけど、翔くんに心配させたくない。

 それに、こうして話せたことは、私にとって嬉しい時間だったから。

「帰るぞ」

 その言葉が、どこか頼もしくて。

 短くてぶっきらぼうなのに、ちゃんと私を気遣ってくれてるのが伝わる。

 海斗のそういうところ、ずるいなって思う。
 言葉じゃなくて、行動で示してくるから。

「うん、」

 素直に返事をする。
 今は、海斗の隣にいることが一番安心できる。

 歩けるかどうかはわからないけど、彼がいるなら大丈夫な気がした。

「あ、そうだ。歩けそうにないなら、海斗におんぶしてもらえば?」

 ――え?

 その言葉が爆弾みたいに落ちてきて、頭の中が真っ白になる。

 おんぶって、翔くん、何言ってるの?

 冗談だよね?いや、でも翔くんの顔、真面目だし…。

「おん、ぶ…?」

 声が震えてしまう。
 顔が熱くなって、耳まで赤くなってる気がする。

 なんて爆弾発言を…

 そんなこと、考えたこともなかった。

 海斗におんぶされるなんて、そんな距離感、そんな密着…。

 無理、絶対無理。

 翔くん、ほんとに悪気ないんだろうけど、今のはさすがに心臓に悪い。

 ちらっと海斗の方を見る。

 か、かいと、?

 屈んでる。
 え、ちょっと待って。まさか、まさか本気で――?

 違うよね?
 冗談だよね?

 でも、海斗の顔は真剣で、背中を向けて、ほんとにおんぶする気満々みたいで。

 いやいやまさか。海斗はそういうキャラじゃない。
 何言ってんの。なんて言って拒むに決まってる。

 そ、そうだよね、?
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