幽冥の涙を探して

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5話 ランチタイム

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5話 ランチタイム
「はあー、全然眠れなかったぁ」
「寝るものじゃないよ」
「そう言われても~」
 午前中、4時間の授業が終わり、今はランチタイム。学食があるから、ほとんどの人はそこで食べることだろう。皆教材を片付け、友人と一緒に教室を出た。早く行くと座席が選び放題のため、ダッシュをする人も多い。あずと私は、のんびりまったり、走る人を横目にゆっくり歩いた。人でいっぱいの学食に到着。同じメニューを注文し、私たちは席に着く。
「寝てたから先生に当てられたんでしょ」
「えぇ~。あれは先生が私を当てたからだよ。説明三昧で疲れた~!」
 あずは、頬に空気を詰めて怒りモード。あんまり入れると爆発してしまいそう。
 4時間目、数学の授業であずは爆睡だった。当然のことながら、先生が彼女を当て、問題の答え合わせ役を任された。あずはすぐ答えられなかった。それまで寝ていたせいで、授業内容なんて何も聞いていない。激昂した先生が大きな雷を落とし、連帯責任とか舐め腐った態度とか言われて、追加の課題を課されたのだ。おかげで生徒間では大ブーイング。空気の流れを止めるように昼休みになった。
「そうだけど……ちゃんと聞きなよ」
 あずは、あまりいい気がしなかったようで、顔から笑みを消した。スン、と落ちて、目を左側に動かす。……だれかを見ている。
「ゆめに正論言われた~。はぁい。今日はちゃんと寝ますよおう」
「……うん。未来の自分のためになるよ」
 あずが肩を落とし、しゅんとうなだれる。口がお皿をひっくり返したように曲がっていた。なんだか、拗ねて耳を垂らした犬みたい。
 梓海は、何年も前から仲良しの大親友。家族と同じように大切な人だ。……それはそうなのだけど、最近の彼女の様子はおかしい。やけに力が入っている。私生活? 学校生活? わからないけど、無理にテンションを上げているのかも。
「もしわからなかったら私が教えるから。聞きに来て」
「え!? いいの! ありがとう! ぜひ!」
「一石二鳥になるよね」
 インプットとアウトプット、どちらも大切だもの。
 それはそうと、あずが余裕でいられていいな、と思ってしまう。授業料は高いし、自分のためにならない。そこまでして眠りたいというのなら、早く寝て7時間の睡眠時間を確保してほしいものだ。
 ……そんな余計なお世話、あずには言えないな。
「今日の定食~! かにクリームコロッケだよ! いただきます!」
「いただきます」
 座席も、メニューも、早いもの勝ち。売り切れするから、人気のものはすぐになくなってしまう。今日の定食、揚げ物セットを無事に購入できた。陽の光があたり、外の景色が見られる席を確保。水道が混むから、ウェットティッシュで手を拭いて準備完了。麦茶を飲み、白米から食べる。
「やっぱ、揚げ物といったらかにクリームしかない!」
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