血に塗れた氷の騎士

fireworks

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40話 矛盾

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40話 矛盾
 深く追究できずに1日が終わった。そんな暇がないほど予定が詰め詰めで、儀式でさえ巻きだったから。まずは神に結婚を誓って、次に披露宴をして、最後に晩餐パーティーもして、休憩のために座る時間がないほど忙しかった。隣にいるときは気が気じゃなくて、離れたところにいれば、なんて言われるかたまったものじゃない。 
「ブレイカ嬢、一体どういうことなのですか?」
「説明してください」
「もちろんです。フォールディング侯爵様、夫人。場所を変えましょう?」
 新郎親戚として、フォールディングの両親が控室に現れた。大体の話は使用人に伝えたから、何があったか知っているはず。冷静に取り繕っているのだろうけど、焦りと緊張が滲み出ている。
 この反応からして、フォールディング両親が考えた計画ではなさそうだ。ということは、ストローマ家による策略だろうか。一体何のために? 授かり婚のため? そんなこと打ち合わせのときの書類に書いていなかったし、聞いてもいない。
 ブレイカは両親を連れ、離れた部屋へと案内した。俺は少し離れたところにいて、ついていこうとしたけどストローマ侯爵に止められた。
「どこへ行く? 式はまだ終わっていない」
 鋭い目つきで睨まれたけれど、臆さずに言い返せた。わけの分からない怒りと混乱に任せて、普段よりも大きな声を出してしまった。
「通してください! 私には話を聞く権利があります!」
 侯爵は高いところで見下し、軽く鼻で笑う。
「どうせすぐ消えるのだから、聞く必要などないだろう?」
「……勝手に決めつけないでください」
 華々しい雰囲気はどこかに消え、物々しい邪悪な空気へと変わる。ストローマ侯爵は偉そうに立ち、隣の夫人は扇子で顔を隠す。「早く死ね」と言われているような気がして、怒りで拳を握る。周りの使用人は困り、だれもこの状況を止められなかった。
「結婚前に手を出したのはお前だろう? 戯言を吐きおって」
「私は何もしていませんし、何も知りません。彼女が妊娠していたとしても、その子は私の子供ではありません」
「物事には順序があることを知らないのか? 大切な娘を汚されて怒りに震えているのだ」
「……だからといって……」
 侯爵と言い争っても話が進まない。それどころか疑いは増すばかり。ストローマ侯爵と夫人は、娘の妊娠を知っている(一緒に住んでいるから普通か)。結婚前に俺の子を妊娠したと言う理由は? 授かり婚として世間に知らせるため? なら最初から打ち合わせのときに言ってくれ。いやそれもおかしい。
 触れたこともない人の子供なんて授かれるわけがないのだから。
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