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34話 ひとりじゃないから
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34話 ひとりじゃないから
「ごちそうさまでした」
ランチを終え、片付けをした後移動することにした。さすがに運動やジェットコースターに乗ることは避けたくて、近くにあったクラフト加工という看板のある建物に入ってみた。どうやら、ここでは木やプラスチックでできたミニチュアの模型を組み立て、色塗りして街を作る、がコンセプトみたい。ミニチュアだから本当に小さくて、細かい作業が好きな人向けだとも書いてあった。
ここでも、フィディリスは本領を発揮し、1時間足らずでパン屋を作り上げた。私はかなりてこずって、フィディリスの力を借りて、ようやく出来上がった。縦横幅ともに5cmの小さな箱庭。塗装が特に難しかった。指まで一緒に塗ってしまったし。ミニチュア模型が好きだから、その気持ちで取り組んだけど、2時間もずっと座っていたから疲れて背伸びした。ショップも見て回って、気になったものを買い、作ったものも同じ袋に入れた。
「フィディリスってなんでもできるね」
「……そう?」
建物を出るとき、そんなことを言ったらフィディリスは少し照れていた。頬が少し赤くなっていたから。
「器用でいいね」
「……ありがとう」
褒め言葉すら下手で、続きの言葉が浮かばない。そうしたら気まずくなって、行き先もなく止まってしまった。
「あー、あそこで景色見ようよ!」
バカみたいに声を上げて、目の前にある山を指した。あれ、思ったより高いかも……。墓穴を掘ったような……。
「山登り中級コース……って書いてあるよ。登れる?」
「たぶん行けるかと……」
「行ってみる? 体力増やすために運動するのいいよ」
「うん……ガンバル」
変なこと言ったかも……!
あのとき適当に言ったこと、今になってとても後悔している。山登り、想像以上に過酷だった。中級コース(約1時間)と書いてあったから、荷物をロッカーに預けて意気込んだけど、まったく歯が立たず。砂利道をひたすら登って、ロープを頼りに頂上を目指した。これだけ聞くと大したことなさそうだけど、登頂まで1時間40分かかった。達成感はありつつ疲労が半端ない。何度か滑ったりつまずいたりして、転んだし。最初はなんともなかったけど、頂上に着いたら急に痛くなって、歩くときに苦痛で顔が歪んだ。
「やっと頂上……」
「長かったね。よく頑張ったよ」
「……痛っ」
景色を見ることなく、膝の痛みが限界に達する。擦りむいたのは知っていたけど、まさか、血が出ているとは思わなかった。やんちゃな子供みたいで恥ずかしい。
「見せて」
私は石の上に座って、フィディリスはかがむ。砂利のせいで布が破れて、肌もこすったみたい。
「いいよ。自分でやるから」
「ううん」
近くに水場はなくて、お手拭きで砂利を取り除いて少し乾かす。絆創膏を取り出してぺたりと貼った。傷はそれほど深くないようだけど、破れたズボンとそこから見える絆創膏がアンバランス。
「……ありがとう」
応急処置をしてもらって、痛みが和らいで安心した気がする。フィディリスからお手拭きや絆創膏の包みを受け取って袋に入れ、バッグにしまった。
「歩ける?」
「うん」
「気づくのに遅れてごめん」
「いいよ」
フィディリスの手を借りて立ち上がり、山からの景色を見てみる。アトラクションや建物が小さい。人もアリみたい。ジェットコースターや観覧車が目立つけど……。太陽が地平線に沈もうとしている。閉園時間も迫っているし、早くこの山を下らないと。風も強くなってきているし、肌寒くなってきた。
「フィディリス」
「?」
「あのブランコに乗ってみたいけど、どうかな?」
「ごちそうさまでした」
ランチを終え、片付けをした後移動することにした。さすがに運動やジェットコースターに乗ることは避けたくて、近くにあったクラフト加工という看板のある建物に入ってみた。どうやら、ここでは木やプラスチックでできたミニチュアの模型を組み立て、色塗りして街を作る、がコンセプトみたい。ミニチュアだから本当に小さくて、細かい作業が好きな人向けだとも書いてあった。
ここでも、フィディリスは本領を発揮し、1時間足らずでパン屋を作り上げた。私はかなりてこずって、フィディリスの力を借りて、ようやく出来上がった。縦横幅ともに5cmの小さな箱庭。塗装が特に難しかった。指まで一緒に塗ってしまったし。ミニチュア模型が好きだから、その気持ちで取り組んだけど、2時間もずっと座っていたから疲れて背伸びした。ショップも見て回って、気になったものを買い、作ったものも同じ袋に入れた。
「フィディリスってなんでもできるね」
「……そう?」
建物を出るとき、そんなことを言ったらフィディリスは少し照れていた。頬が少し赤くなっていたから。
「器用でいいね」
「……ありがとう」
褒め言葉すら下手で、続きの言葉が浮かばない。そうしたら気まずくなって、行き先もなく止まってしまった。
「あー、あそこで景色見ようよ!」
バカみたいに声を上げて、目の前にある山を指した。あれ、思ったより高いかも……。墓穴を掘ったような……。
「山登り中級コース……って書いてあるよ。登れる?」
「たぶん行けるかと……」
「行ってみる? 体力増やすために運動するのいいよ」
「うん……ガンバル」
変なこと言ったかも……!
あのとき適当に言ったこと、今になってとても後悔している。山登り、想像以上に過酷だった。中級コース(約1時間)と書いてあったから、荷物をロッカーに預けて意気込んだけど、まったく歯が立たず。砂利道をひたすら登って、ロープを頼りに頂上を目指した。これだけ聞くと大したことなさそうだけど、登頂まで1時間40分かかった。達成感はありつつ疲労が半端ない。何度か滑ったりつまずいたりして、転んだし。最初はなんともなかったけど、頂上に着いたら急に痛くなって、歩くときに苦痛で顔が歪んだ。
「やっと頂上……」
「長かったね。よく頑張ったよ」
「……痛っ」
景色を見ることなく、膝の痛みが限界に達する。擦りむいたのは知っていたけど、まさか、血が出ているとは思わなかった。やんちゃな子供みたいで恥ずかしい。
「見せて」
私は石の上に座って、フィディリスはかがむ。砂利のせいで布が破れて、肌もこすったみたい。
「いいよ。自分でやるから」
「ううん」
近くに水場はなくて、お手拭きで砂利を取り除いて少し乾かす。絆創膏を取り出してぺたりと貼った。傷はそれほど深くないようだけど、破れたズボンとそこから見える絆創膏がアンバランス。
「……ありがとう」
応急処置をしてもらって、痛みが和らいで安心した気がする。フィディリスからお手拭きや絆創膏の包みを受け取って袋に入れ、バッグにしまった。
「歩ける?」
「うん」
「気づくのに遅れてごめん」
「いいよ」
フィディリスの手を借りて立ち上がり、山からの景色を見てみる。アトラクションや建物が小さい。人もアリみたい。ジェットコースターや観覧車が目立つけど……。太陽が地平線に沈もうとしている。閉園時間も迫っているし、早くこの山を下らないと。風も強くなってきているし、肌寒くなってきた。
「フィディリス」
「?」
「あのブランコに乗ってみたいけど、どうかな?」
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