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第4話 先輩の優しさと、重ならない影
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「‥‥‥‥」
頬が濡れてくる。
涙‥‥もあるけど、いつの間にか、雨粒が落ちてきている。顔を上げると行き過ぎる人達は傘をさしていた。
もちろん、傘なんて持ってきていない。
別に濡れたって構わなかったけど、条件反射のように雨をしのげる場所を探して、ビルの小さなひさしの下に入った。
建物はガラス張りの外壁で、私の情けない顔が映ってる。
「‥‥‥‥」
アスファルトに落ちる雨音が、無関心に通り過ぎていく人々の足音と、私の呼吸の音を消している。音は確かに聞こえているのに、まるで無音の世界に感じる。
そう言えば連絡の来なかった最初の週も、こんな雨が降っていた。
もし‥‥あの日に彼と会っていたら、傘をさして二人で歩いていたのかもしれない。
そうしたら‥‥多分、喧嘩なんて笑いにしてた。
その日も、次の週も会って、一緒にいろんな所に行って‥‥そして寂しい時は、優しくキスをしてくれて‥‥。
「‥‥一人は‥‥嫌だよ‥‥」
私は肩を押さえてうずくまった。
目を瞑ると真っ暗な世界に、雨の音だけが響いていく。
でも目を開ける事ができない。
頬が濡れてくる。
涙‥‥もあるけど、いつの間にか、雨粒が落ちてきている。顔を上げると行き過ぎる人達は傘をさしていた。
もちろん、傘なんて持ってきていない。
別に濡れたって構わなかったけど、条件反射のように雨をしのげる場所を探して、ビルの小さなひさしの下に入った。
建物はガラス張りの外壁で、私の情けない顔が映ってる。
「‥‥‥‥」
アスファルトに落ちる雨音が、無関心に通り過ぎていく人々の足音と、私の呼吸の音を消している。音は確かに聞こえているのに、まるで無音の世界に感じる。
そう言えば連絡の来なかった最初の週も、こんな雨が降っていた。
もし‥‥あの日に彼と会っていたら、傘をさして二人で歩いていたのかもしれない。
そうしたら‥‥多分、喧嘩なんて笑いにしてた。
その日も、次の週も会って、一緒にいろんな所に行って‥‥そして寂しい時は、優しくキスをしてくれて‥‥。
「‥‥一人は‥‥嫌だよ‥‥」
私は肩を押さえてうずくまった。
目を瞑ると真っ暗な世界に、雨の音だけが響いていく。
でも目を開ける事ができない。
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