9 / 25
結婚披露パーティ
アルバンスとカタリナの結婚式が終わって一週間、王家の結婚披露パーティの夜が来た。
クレーヌ公爵家からは、公爵夫妻と、小公爵夫妻となったアルバンスとカタリナが出席する。
馬車は2台。
公爵夫人が、気を遣ってくれたようだ。
お陰でゆっくり支度ができた。
「本当なら、新婚旅行でひと月ほど、ゆっくりしていらしゃいって、送り出してあげるところなんだけど、王家の結婚披露パーティが控えていたから、そんな訳にもいかなくてね、、、 普通は、式の後に披露宴になるのに、、今回は急いだから流石の王家も披露宴の準備が間に合わなかったのよきっと」
独り言のように、義母エメラルダは言った。
確かに、王家の結婚式は急いでいた。
ナターリアのお腹が目立たないうちに、式を済ませたかったようだ。
平民のナターリアと、リオナ王子の恋物語は、王都の全新聞社の一面を買い取って、王家が書かせたでっちあげの記事だ。
平民は誤魔化せたが、貴族であの記事を読んで信じた者はいないだろう。
記事の中では、ナターリアは没落貴族の娘になっていたし、その没落した理由も、父親が悪徳商人に騙されて、没落した事になっていた。
その上父親は、何とか騙された金を取り戻そうとして、盗賊に襲われて命を落とした事で
家屋敷を手放す事になったようだ。
話としては上手くかけていたように思うが、残念な事に、最近そんな没落家はない。
貴族の間では新聞を読んだ後、
はて?
という感想で終わっただろう。
とにかく今夜のパーティは、全ての貴族が招待されている。
失礼の無いようにしなければならないが、、、
私が、アルバンスと結婚したことは少人数しか知らない。
極秘というわけでも無いのだが、式場が街の中でも小さな教会だったし、招待客も少数だ。
公にしたわけでも無いので、知っている数は少ない。
実家の両親の知り合いと、クレーヌ公爵家の付き合い関係の皆様には連絡したが、おそらく一般の貴族家は知らないだろう。
アルバンスの妻の座を狙っている貴族の子女には申し訳ないが、今日彼が結婚した事を知りショックを受けるご令嬢も多いと思う。
まぁ、諦めてもらうしか無いのだが、、、。
そんな事を考えていると、馬車は王宮に着いた。
アルバンスが先に降りて振り返り、手を差し伸べる。
私はその彼の手の上に、自分の手を乗せた。
馬車から降りる時は、私の腰にそっと手を回し、私がステップを踏み外さないように、手を貸してくれた。
近くで見ていたご令嬢が、黄色い声を出した。
こう言う姿に憧れるのだろうが、誰もがこんな紳士ではありません。
相手を選ぶのですよ。
と忠告してあげたい。
真っ直ぐに、公爵家の控室に向かった。
既に義両親は着いており、優雅にお茶を飲んでいた。
「遅かったのね、馬車、混んでいた?」
義母が尋ねた。
「いいえ、家を出るのが少し遅くなってしまいました」
正直に話す。
アルバンスが、カタリナを離さなかったのだ。
それで支度が少し遅れた。
「、、、そう、、、」
義母はその一言で気づいたようだ。
それ以上聞かなかった。
「あ!そういえば、注意事項が回ってきていたわ」
「?注意事項?ですか?」
何だそれは?初めて聞いた言葉だ。
「ええ、カタリナは知らない?、」
そんな事聞いたことがない。
逆に、お義母は知っているのですか?と聞きたい。
「はい」
腹の中は別として、ここは素直に返事をした。
「あー王家の者に問題がある場合に出るのよ、まぁ。下位貴族は、ホールで王家にご挨拶にもいかないし、近よりもしないから、こう言う事はないのだけれど、
きっと、ナターリア様の事だと思うわ、、、」
言いながら、義母の話した注意事項は、
まず、飲食は勧めない。
ダンスはお誘いしない。
此方から話しかけない。
この3点だそうだ。
「、、は、あ、、」
何とも、どう返事をして良いのか分からなかった。
何故、飲食を勧めてはいけないのか?
例えば、此方が飲み物を飲んでいるところに来られたら、、、いかがですか?と一応勧める。
ダンスも、社交辞令ではないが、一人で立っていたら、踊りませんか?
と誘う。
話しかけないと言われても、黙って隣に立っている訳にはいかない場合があるし、
友人と楽しげに喋っているところに、隣でポツンと立たれていては、話も出来ないではないか。
そこで席を外すのも、嫌味っぽいし。
なかなか難しい注意事項だ。
王家も、頭を悩ませた結果なのだろう。
今後の社交はどうする?
外交は?
リオナ殿下と、外国に行かなければならない場合、どうするのだ?
当然他国に行けば、あちらは歓迎パーティを開く。
その時に、あちらの高位貴族からのダンスの申し込みをお断りする訳には行かないだろうに、、、。
これから先、城の重役方は頭が痛いだろうなー。
色々な事を思っていると、城の案内人が会場への入場を促した。
クレーヌ公爵家は最後から二番目だ。
一番最後に入場するのは、王家に連なる公爵家で、今は奥様を亡くされて、確かお一人だったと思う。
先先代の王の血筋で、陛下の叔父にあたる方だ。
かなり年配だったと思う。
子供がないので、公爵が亡くなれば家は絶える。
ホールの入り口で、名を呼ばれて中に入る。
流石に、全ての貴族が招待されたパーティだ、
ホールは人で溢れていた。
下位貴族は玉の輿に乗った、話題の暴落貴族家の令嬢を一目見ようと、目を皿のようにして見回しているし、
高位貴族は、どんな厚かましい娘が、王家に取り入ったのかと興味深々だ。
その中を、王家の面々が座る上座に向かって、カタリナはアルバンスにエスコートされて、義両親の後に続いた。
クレーヌ公爵家からは、公爵夫妻と、小公爵夫妻となったアルバンスとカタリナが出席する。
馬車は2台。
公爵夫人が、気を遣ってくれたようだ。
お陰でゆっくり支度ができた。
「本当なら、新婚旅行でひと月ほど、ゆっくりしていらしゃいって、送り出してあげるところなんだけど、王家の結婚披露パーティが控えていたから、そんな訳にもいかなくてね、、、 普通は、式の後に披露宴になるのに、、今回は急いだから流石の王家も披露宴の準備が間に合わなかったのよきっと」
独り言のように、義母エメラルダは言った。
確かに、王家の結婚式は急いでいた。
ナターリアのお腹が目立たないうちに、式を済ませたかったようだ。
平民のナターリアと、リオナ王子の恋物語は、王都の全新聞社の一面を買い取って、王家が書かせたでっちあげの記事だ。
平民は誤魔化せたが、貴族であの記事を読んで信じた者はいないだろう。
記事の中では、ナターリアは没落貴族の娘になっていたし、その没落した理由も、父親が悪徳商人に騙されて、没落した事になっていた。
その上父親は、何とか騙された金を取り戻そうとして、盗賊に襲われて命を落とした事で
家屋敷を手放す事になったようだ。
話としては上手くかけていたように思うが、残念な事に、最近そんな没落家はない。
貴族の間では新聞を読んだ後、
はて?
という感想で終わっただろう。
とにかく今夜のパーティは、全ての貴族が招待されている。
失礼の無いようにしなければならないが、、、
私が、アルバンスと結婚したことは少人数しか知らない。
極秘というわけでも無いのだが、式場が街の中でも小さな教会だったし、招待客も少数だ。
公にしたわけでも無いので、知っている数は少ない。
実家の両親の知り合いと、クレーヌ公爵家の付き合い関係の皆様には連絡したが、おそらく一般の貴族家は知らないだろう。
アルバンスの妻の座を狙っている貴族の子女には申し訳ないが、今日彼が結婚した事を知りショックを受けるご令嬢も多いと思う。
まぁ、諦めてもらうしか無いのだが、、、。
そんな事を考えていると、馬車は王宮に着いた。
アルバンスが先に降りて振り返り、手を差し伸べる。
私はその彼の手の上に、自分の手を乗せた。
馬車から降りる時は、私の腰にそっと手を回し、私がステップを踏み外さないように、手を貸してくれた。
近くで見ていたご令嬢が、黄色い声を出した。
こう言う姿に憧れるのだろうが、誰もがこんな紳士ではありません。
相手を選ぶのですよ。
と忠告してあげたい。
真っ直ぐに、公爵家の控室に向かった。
既に義両親は着いており、優雅にお茶を飲んでいた。
「遅かったのね、馬車、混んでいた?」
義母が尋ねた。
「いいえ、家を出るのが少し遅くなってしまいました」
正直に話す。
アルバンスが、カタリナを離さなかったのだ。
それで支度が少し遅れた。
「、、、そう、、、」
義母はその一言で気づいたようだ。
それ以上聞かなかった。
「あ!そういえば、注意事項が回ってきていたわ」
「?注意事項?ですか?」
何だそれは?初めて聞いた言葉だ。
「ええ、カタリナは知らない?、」
そんな事聞いたことがない。
逆に、お義母は知っているのですか?と聞きたい。
「はい」
腹の中は別として、ここは素直に返事をした。
「あー王家の者に問題がある場合に出るのよ、まぁ。下位貴族は、ホールで王家にご挨拶にもいかないし、近よりもしないから、こう言う事はないのだけれど、
きっと、ナターリア様の事だと思うわ、、、」
言いながら、義母の話した注意事項は、
まず、飲食は勧めない。
ダンスはお誘いしない。
此方から話しかけない。
この3点だそうだ。
「、、は、あ、、」
何とも、どう返事をして良いのか分からなかった。
何故、飲食を勧めてはいけないのか?
例えば、此方が飲み物を飲んでいるところに来られたら、、、いかがですか?と一応勧める。
ダンスも、社交辞令ではないが、一人で立っていたら、踊りませんか?
と誘う。
話しかけないと言われても、黙って隣に立っている訳にはいかない場合があるし、
友人と楽しげに喋っているところに、隣でポツンと立たれていては、話も出来ないではないか。
そこで席を外すのも、嫌味っぽいし。
なかなか難しい注意事項だ。
王家も、頭を悩ませた結果なのだろう。
今後の社交はどうする?
外交は?
リオナ殿下と、外国に行かなければならない場合、どうするのだ?
当然他国に行けば、あちらは歓迎パーティを開く。
その時に、あちらの高位貴族からのダンスの申し込みをお断りする訳には行かないだろうに、、、。
これから先、城の重役方は頭が痛いだろうなー。
色々な事を思っていると、城の案内人が会場への入場を促した。
クレーヌ公爵家は最後から二番目だ。
一番最後に入場するのは、王家に連なる公爵家で、今は奥様を亡くされて、確かお一人だったと思う。
先先代の王の血筋で、陛下の叔父にあたる方だ。
かなり年配だったと思う。
子供がないので、公爵が亡くなれば家は絶える。
ホールの入り口で、名を呼ばれて中に入る。
流石に、全ての貴族が招待されたパーティだ、
ホールは人で溢れていた。
下位貴族は玉の輿に乗った、話題の暴落貴族家の令嬢を一目見ようと、目を皿のようにして見回しているし、
高位貴族は、どんな厚かましい娘が、王家に取り入ったのかと興味深々だ。
その中を、王家の面々が座る上座に向かって、カタリナはアルバンスにエスコートされて、義両親の後に続いた。
あなたにおすすめの小説
三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで
狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。
一度目は信じた。
二度目は耐えた。
三度目は――すべてを失った。
そして私は、屋上から身を投げた。
……はずだった。
目を覚ますと、そこは過去。
すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。
――四度目の人生。
これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、
同じように裏切られ、すべてを失ってきた。
だから今度は、もう決めている。
「もう、陸翔はいらない」
愛していた。
けれど、もう疲れた。
今度こそ――
自分を守るために、家族を守るために、
私は、自分から手を放す。
これは、三度裏切られた女が、
四度目の人生で「選び直す」物語。
必要とされなくても、私はここにいます
あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。
口出ししない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
ただ静かに、そこにいるだけ。
そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。
張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。
何かを勝ち取る物語ではない。
誰かを打ち負かす物語でもない。
それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。
これは、
声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、
何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
夫に欠陥品と吐き捨てられた妃は、魔法使いの手を取るか?
里見
恋愛
リュシアーナは、公爵家の生まれで、容姿は清楚で美しく、所作も惚れ惚れするほどだと評判の妃だ。ただ、彼女が第一皇子に嫁いでから三年が経とうとしていたが、子どもはまだできなかった。
そんな時、夫は陰でこう言った。
「完璧な妻だと思ったのに、肝心なところが欠陥とは」
立ち聞きしてしまい、失望するリュシアーナ。そんな彼女の前に教え子だった魔法使いが現れた。そして、魔法使いは、手を差し出して、提案する。リュシアーナの願いを叶える手伝いをするとーー。
リュシアーナは、自身を子を産む道具のように扱う夫とその周囲を利用してのしあがることを決意し、その手をとる。様々な思惑が交錯する中、彼女と魔法使いは策謀を巡らして、次々と世論を操っていく。
男尊女卑の帝国の中で、リュシアーナは願いを叶えることができるのか、魔法使いは本当に味方なのか……。成り上がりを目論むリュシアーナの陰謀が幕を開ける。
***************************
本編完結済み。番外編を不定期更新中。
わたくし、悪女呼ばわりされておりますが・・・無私の愛を称賛致します!
月白ヤトヒコ
恋愛
少し前に、わたくしの通う学園に平民育ちだという貴族令嬢が編入しました。
最初は貴族としてのマナーに疎く、所作などもあまり美しいとは言えませんでしたが、彼女は努力家なのでしょう。マナーなども率先して学び、学園での成績も下位から段々上がって来ているようです。
けれど、その方とわたくし達では住む世界が違ったのです。一度、彼女を招いたお茶会を開催したのですが……そのたった一度で、彼女と距離を取ることに決めたのです。
しかし、彼女が女子生徒から遠巻きにされていることに気付いた貴族子息が騒ぎ出して―――
それから、段々とおかしくなって行ったのです。
婚約していた方達の縁談が、幾つか壊れました。女子生徒数名が、学園を退学しました。
そして、わたくしの婚約者も……彼女に侍るようになりました。
彼との婚約に悩んでいた矢先のこと。
「弱い立場の者を慮るどころか、率先して虐げるような真似をするとは見下げ果てたぞっ!? 君がそんな悪女だったとはなっ!! 今すぐ彼女に謝罪しろ! さもなくば、君との婚約は破棄させてもらうからなっ!」
「あなたは、彼女のことを愛しているのですか? わたくし達の婚約は政略です。あなたのこの宣言は、ご当主の了承を得られての発言でしょうか?」
「君は、色恋や損得など低俗な視点でしか物事を考えられないのか?」
なんてことなのでしょう……これ程の強い覚悟をもっての宣言だったなんて!
わたくし、悪女呼ばわりされておりますが・・・無私の愛を称賛致します!
設定はふわっと。
良いものは全部ヒトのもの
猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。
ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。
翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。
一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。
『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』
憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。
自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。