いつも隣にいる

はなおくら

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「ローイ!」

 周りの視線も気にせず彼の腕の中へと飛び込んだ。

「リチア、会いたかった…。」

 ローイと再会の喜びに浸っていると、呆れた顔でチアが顔を出した。

「たった一週間なのにこれですか?」

 そんなチアのジョークも私たちには気にもならなかった。

 村人たちがローイにお辞儀をしている。

 やはり領主が来ると周りも違うのだと思った。

「リチア。」

 ローイがわたしに手を差し出す。

 少し恥ずかしく思いながらも彼の手を取り隣に立つと村人たちが拍手を送ってくれる。

 村人の顔を見ていて祝福をもらっていることに嬉しく思った。

 村人との交流も落ち着きわたしはローイを農地に案内した。

「ここよ。今の管理人が自分の土地を譲ってくれたおかげで、ある程度の場所で種まきを終える事ができたの。」

「そうか。」

 ローイはそう返事をすると、目線がわたしの後ろの方に向いていた。、

 振り返ると管理人の男が真っ青な顔で震えて立っている。

 当たり前の反応だと思う。

 配るはずの支援を娘のためとはいえ横領してしまったのだ。

 その当主が目の前にいれば誰でもそうなるだろう。

 ローイは、ただ何も言わずに真っ直ぐと男を見つめていた。

 私はただ見守ることしかできなかった。

「申し訳ありませんでしたっ…!」

 男がローイの前で頭を下げた。

「………。」

 ローイは男を見つめた後、男の肩に手を置いた。

「反省してるならいい。」

 ローイの言葉に男は涙ぐみまだ頭を下げた。

 落ち着いたのもそこそこに、わたしはローイの火の魔法である事を考えていた。

 さつまいもの栽培の成長を早めて村人の食べるものを調達したいと思った。

 その一回で栽培して後は自然の流れに任せていくのがいいだろうと考えた。

「ローイ、このさつまいもを一回だけ早めに成長させて収穫したいの。手伝ってくれる?」

 ローイに私の考えを伝えると彼は快く頷いてくれた。

「一回だけなら問題ないよ。」

「ありがとう、じゃああなたは大きな火を上に作って私が風と水でさつまいもの成長を促すわ。そしてチアに時間を早めてもらうわ。」

 後ろに控えているチアが頷いた。

 私達が手をかざすと暖かなものを農地全体に行き渡らせた。

 すると目を覆うほど食物が成長している。

 終わった頃には土から大きなさつまいもが盛り上がるほどだった。

「ローイ、チアお疲れ様。」

 少し無理をさせてしまったのか2人とも珍しく汗をかいている。

 2人には休んでもらい、あらかじめ声をかけていた村人たちをさつまいもを収穫した。

 大勢でやった事で収穫も無事終わり、体力のあるものに次の種を植えてもらった。

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