いつも隣にいる

はなおくら

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 とは言っても港町にはあっという間についた。

 護衛もなにもつけず2人だけで予約していた部屋に入り、荷物を整理した。

 何もかも自分たちでする事が新鮮に感じる。

 横のローイもなれない手つきながらも真面目にしている姿が愛おしい。

「屋敷の使用人たちには改めて感謝しないといけないな…。」

「そうね…彼らは文句言わずにしてくれているのだものすごいわ。」

 そんな話をしながらお互い自然と一緒に過ごした。

 ローイも少し陰りはあるけれど明るく努めてくれる。

 街の小さな花畑を見回したり、港の見える海をゆっくり歩いた。

 潮風が鼻先をくすぐる感覚はなんとも開放的である。

 ローイの腕に手を絡ませて、肩に頭を置いて夕陽が沈むのを見つめる。

「幸せね…。」

「………。」

 なにも言わないで歩くローイ。

 そんな静かな時間がなるべく長く続くように願った。

 その日は宿に泊まって、次の日街の市場にきた。

 屋台の素朴ながら優しい食べ物や、現地の人の手作りのアクセサリーなど見て回った。

 横を見ればローイの笑った顔を見る。

 そんな様子を見てわたしも幸せな気持ちになった。

 もし平民であればその日暮らしは大変かもしれないでも貴族としてのしがらみはなくこうやって新鮮なものを見ることはできる。

 そんな事を頭の中で考えてしまう。

 そんな事を考えている時だった。

「リチア…。」

 振り返るといつの間にか買っていたのかローイはピンク色のネックレスを持っていた。

「素敵ね…それどうしたの?」

「僕からのプレゼントだよ。高価なものではないけど、つけていて欲しい。」

 それはピンク色のただの石だったけれど、わたしには何よりも輝いて見えた。

「嬉しい…つけてくれる?」

「もちろん!」

 髪の毛を上げると、ローイが後ろからネックレスをかけてくれる。

 それが嬉しくて胸元を見ると、光に反射してきらりと光っていた。

「ありがとう…必ず大切にする…。」

「安物で申し訳ないけど…。」

 私は首を振った。

「そんな事ないはこれが何よりも1番嬉しい…。」

 胸元のネックレスに視線をやると、私の指の間にローイの手が重なった。

 顔を上げるとローイの顔が近づく。

 自然と目を閉じると、私達はキスを交わしたのだった。

 その日私達は宿に早々に戻り、2人だけの時間を過ごしたのだった。

 そうして日にちは早く過ぎていった。

 いよいよ明日屋敷に戻るという時、わたしはこの港に残る事を決めた。

 ここであればローイとの楽しい時間を思い出しながら幸せに生きていける。

 もう会うこともできないとしても幸せを思い出して生きていけると思えた。

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