57 / 123
57
とは言っても港町にはあっという間についた。
護衛もなにもつけず2人だけで予約していた部屋に入り、荷物を整理した。
何もかも自分たちでする事が新鮮に感じる。
横のローイもなれない手つきながらも真面目にしている姿が愛おしい。
「屋敷の使用人たちには改めて感謝しないといけないな…。」
「そうね…彼らは文句言わずにしてくれているのだものすごいわ。」
そんな話をしながらお互い自然と一緒に過ごした。
ローイも少し陰りはあるけれど明るく努めてくれる。
街の小さな花畑を見回したり、港の見える海をゆっくり歩いた。
潮風が鼻先をくすぐる感覚はなんとも開放的である。
ローイの腕に手を絡ませて、肩に頭を置いて夕陽が沈むのを見つめる。
「幸せね…。」
「………。」
なにも言わないで歩くローイ。
そんな静かな時間がなるべく長く続くように願った。
その日は宿に泊まって、次の日街の市場にきた。
屋台の素朴ながら優しい食べ物や、現地の人の手作りのアクセサリーなど見て回った。
横を見ればローイの笑った顔を見る。
そんな様子を見てわたしも幸せな気持ちになった。
もし平民であればその日暮らしは大変かもしれないでも貴族としてのしがらみはなくこうやって新鮮なものを見ることはできる。
そんな事を頭の中で考えてしまう。
そんな事を考えている時だった。
「リチア…。」
振り返るといつの間にか買っていたのかローイはピンク色のネックレスを持っていた。
「素敵ね…それどうしたの?」
「僕からのプレゼントだよ。高価なものではないけど、つけていて欲しい。」
それはピンク色のただの石だったけれど、わたしには何よりも輝いて見えた。
「嬉しい…つけてくれる?」
「もちろん!」
髪の毛を上げると、ローイが後ろからネックレスをかけてくれる。
それが嬉しくて胸元を見ると、光に反射してきらりと光っていた。
「ありがとう…必ず大切にする…。」
「安物で申し訳ないけど…。」
私は首を振った。
「そんな事ないはこれが何よりも1番嬉しい…。」
胸元のネックレスに視線をやると、私の指の間にローイの手が重なった。
顔を上げるとローイの顔が近づく。
自然と目を閉じると、私達はキスを交わしたのだった。
その日私達は宿に早々に戻り、2人だけの時間を過ごしたのだった。
そうして日にちは早く過ぎていった。
いよいよ明日屋敷に戻るという時、わたしはこの港に残る事を決めた。
ここであればローイとの楽しい時間を思い出しながら幸せに生きていける。
もう会うこともできないとしても幸せを思い出して生きていけると思えた。
護衛もなにもつけず2人だけで予約していた部屋に入り、荷物を整理した。
何もかも自分たちでする事が新鮮に感じる。
横のローイもなれない手つきながらも真面目にしている姿が愛おしい。
「屋敷の使用人たちには改めて感謝しないといけないな…。」
「そうね…彼らは文句言わずにしてくれているのだものすごいわ。」
そんな話をしながらお互い自然と一緒に過ごした。
ローイも少し陰りはあるけれど明るく努めてくれる。
街の小さな花畑を見回したり、港の見える海をゆっくり歩いた。
潮風が鼻先をくすぐる感覚はなんとも開放的である。
ローイの腕に手を絡ませて、肩に頭を置いて夕陽が沈むのを見つめる。
「幸せね…。」
「………。」
なにも言わないで歩くローイ。
そんな静かな時間がなるべく長く続くように願った。
その日は宿に泊まって、次の日街の市場にきた。
屋台の素朴ながら優しい食べ物や、現地の人の手作りのアクセサリーなど見て回った。
横を見ればローイの笑った顔を見る。
そんな様子を見てわたしも幸せな気持ちになった。
もし平民であればその日暮らしは大変かもしれないでも貴族としてのしがらみはなくこうやって新鮮なものを見ることはできる。
そんな事を頭の中で考えてしまう。
そんな事を考えている時だった。
「リチア…。」
振り返るといつの間にか買っていたのかローイはピンク色のネックレスを持っていた。
「素敵ね…それどうしたの?」
「僕からのプレゼントだよ。高価なものではないけど、つけていて欲しい。」
それはピンク色のただの石だったけれど、わたしには何よりも輝いて見えた。
「嬉しい…つけてくれる?」
「もちろん!」
髪の毛を上げると、ローイが後ろからネックレスをかけてくれる。
それが嬉しくて胸元を見ると、光に反射してきらりと光っていた。
「ありがとう…必ず大切にする…。」
「安物で申し訳ないけど…。」
私は首を振った。
「そんな事ないはこれが何よりも1番嬉しい…。」
胸元のネックレスに視線をやると、私の指の間にローイの手が重なった。
顔を上げるとローイの顔が近づく。
自然と目を閉じると、私達はキスを交わしたのだった。
その日私達は宿に早々に戻り、2人だけの時間を過ごしたのだった。
そうして日にちは早く過ぎていった。
いよいよ明日屋敷に戻るという時、わたしはこの港に残る事を決めた。
ここであればローイとの楽しい時間を思い出しながら幸せに生きていける。
もう会うこともできないとしても幸せを思い出して生きていけると思えた。
あなたにおすすめの小説
【完結】私を忘れた貴方と、貴方を忘れた私の顛末
コツメカワウソ
恋愛
ローウェン王国西方騎士団で治癒師として働くソフィアには、魔導騎士の恋人アルフォンスがいる。
平民のソフィアと子爵家三男のアルフォンスは身分差があり、周囲には交際を気に入らない人間もいるが、それでも二人は幸せな生活をしていた。
そんな中、先見の家門魔法により今年が23年ぶりの厄災の年であると告げられる。
厄災に備えて準備を進めるが、そんな中アルフォンスは魔獣の呪いを受けてソフィアの事を忘れ、魔力を奪われてしまう。
アルフォンスの魔力を取り戻すために禁術である魔力回路の治癒を行うが、その代償としてソフィア自身も恋人であるアルフォンスの記憶を奪われてしまった。
お互いを忘れながらも対外的には恋人同士として過ごす事になるが…。
番外編始めました。
世界観は緩めです。
ご都合主義な所があります。
誤字脱字は随時修正していきます。
「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚
きぬがやあきら
恋愛
「私に愛まで望むな。褒賞に王子を求めておいて、強欲が過ぎると言っている」
新婚初夜に訪れた寝室で、レオノールはクラウディオ王子に白い結婚を宣言される。
それもそのはず。
2人の間に愛はないーーどころか、この結婚はレオノールが魔王討伐の褒美にと国王に要求したものだった。
でも、王子を望んだレオノールにもそれなりの理由がある。
美しく気高いクラウディオ王子を欲しいと願った気持ちは本物だ。
だからいくら冷遇されようが、嫌がらせを受けようが心は揺るがない。
どこまでも逞しく、軽薄そうでいて賢い。どこか憎めない魅力を持ったレオノールに、やがてクラウディオの心は……。
すれ違い、拗れる2人に愛は生まれるのか?
焦ったい恋と陰謀+バトルのラブファンタジー。
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
※後日談を更新中です。
その結婚は、白紙にしましょう
香月まと
恋愛
リュミエール王国が姫、ミレナシア。
彼女はずっとずっと、王国騎士団の若き団長、カインのことを想っていた。
念願叶って結婚の話が決定した、その夕方のこと。
浮かれる姫を前にして、カインの口から出た言葉は「白い結婚にとさせて頂きたい」
身分とか立場とか何とか話しているが、姫は急速にその声が遠くなっていくのを感じる。
けれど、他でもない憧れの人からの嘆願だ。姫はにっこりと笑った。
「分かりました。その提案を、受け入れ──」
全然受け入れられませんけど!?
形だけの結婚を了承しつつも、心で号泣してる姫。
武骨で不器用な王国騎士団長。
二人を中心に巻き起こった、割と短い期間のお話。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです