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「なんでもないよ。」
そう言ってツーリーは、わたしの腰を抱くと食事の部屋に案内してくれる。
彼の返事に違和感を覚えつつも私は着いていった。
食事の部屋に入るとそのにはたくさんのご馳走が並んでいる。
ピンクに装飾された部屋を見てツーリーが私の帰りをどれほど待ってくれていたのかが伺えた。
「おかえり、ナナ。」
ツーリーは私の前に膝を着いて座り、わたしの手をとった。
それからポケットから指輪を取り出した。
真っ赤な宝石が目立たなく付いている指輪はとても上品に見える。
「ツーリー…これは?」
わたしがそう聞くとツーリーはわたしの手に指輪をはめた。
「結婚して欲しい。」
まっすぐと強い意志が伺えるほど、ツーリーはわたしを見つめる。
「わたしで良いの?」
「君しか考えられない。」
彼の熱烈な愛に私は歓喜した。
涙が流れて止めることができない。
「ナナ…?」
返事もせず泣く私に不安そうな彼を見てわたしは首を縦に振った。
「嬉しい…お受けします…。」
なんと言い切るとツーリーは勢いよくわたしを抱きしめた。
キスを交わせばもう何も不安なことなどないと思えてきた。
彼が想いを抑えきれないと激しくなるキスにわたしは首に手を回して答えたのだった。
それから屋敷の者たちからも祝福を受けて結婚式の準備のため、付き添いの使用人と楽しく会話を進めていた時だった。
外から年配の女性の声でこの屋敷の執事と何か話してる声が聞こえた。
それはあまりにも大きく懇願するような声だった為、私は窓へと顔を出せば声の主人はどこかの夫人のようだった。
会話が気になり、付き添いの者が止めるのを気にせず窓を少し開けた。
「娘を返してくださいっ!」
窓を開けた第一声がそれだった。
夫人は人の優しそうな顔つきをしておりなんだから同情的になってしまう。
しかし執事はとても冷徹な瞳で言った。
「この事は国王陛下や他の貴族の承認の下決まった事です。何よりご令嬢がしでかした事はどれほど罪深いか忘れたのですか?」
淡々と冷酷に話す執事を始めてみた。
そこまで言われて夫人はその場で泣き崩れていた。
わたしは話を聞いて、これはスノア令嬢の事だと察しがついた。
彼女にやられたことを考えてくると自然と恐怖心が出てくる。
しかしあの母親の涙を見ているとなんとも言えない気持ちにもなった。
わたしはツーリーにスノア令嬢の事、わたしが連れ去られた経緯を聞くことにした。
今まであまりの恐怖を思い出したくないと蓋をしてきたが、向き合わなくてはならないと思ったのだった。
そう言ってツーリーは、わたしの腰を抱くと食事の部屋に案内してくれる。
彼の返事に違和感を覚えつつも私は着いていった。
食事の部屋に入るとそのにはたくさんのご馳走が並んでいる。
ピンクに装飾された部屋を見てツーリーが私の帰りをどれほど待ってくれていたのかが伺えた。
「おかえり、ナナ。」
ツーリーは私の前に膝を着いて座り、わたしの手をとった。
それからポケットから指輪を取り出した。
真っ赤な宝石が目立たなく付いている指輪はとても上品に見える。
「ツーリー…これは?」
わたしがそう聞くとツーリーはわたしの手に指輪をはめた。
「結婚して欲しい。」
まっすぐと強い意志が伺えるほど、ツーリーはわたしを見つめる。
「わたしで良いの?」
「君しか考えられない。」
彼の熱烈な愛に私は歓喜した。
涙が流れて止めることができない。
「ナナ…?」
返事もせず泣く私に不安そうな彼を見てわたしは首を縦に振った。
「嬉しい…お受けします…。」
なんと言い切るとツーリーは勢いよくわたしを抱きしめた。
キスを交わせばもう何も不安なことなどないと思えてきた。
彼が想いを抑えきれないと激しくなるキスにわたしは首に手を回して答えたのだった。
それから屋敷の者たちからも祝福を受けて結婚式の準備のため、付き添いの使用人と楽しく会話を進めていた時だった。
外から年配の女性の声でこの屋敷の執事と何か話してる声が聞こえた。
それはあまりにも大きく懇願するような声だった為、私は窓へと顔を出せば声の主人はどこかの夫人のようだった。
会話が気になり、付き添いの者が止めるのを気にせず窓を少し開けた。
「娘を返してくださいっ!」
窓を開けた第一声がそれだった。
夫人は人の優しそうな顔つきをしておりなんだから同情的になってしまう。
しかし執事はとても冷徹な瞳で言った。
「この事は国王陛下や他の貴族の承認の下決まった事です。何よりご令嬢がしでかした事はどれほど罪深いか忘れたのですか?」
淡々と冷酷に話す執事を始めてみた。
そこまで言われて夫人はその場で泣き崩れていた。
わたしは話を聞いて、これはスノア令嬢の事だと察しがついた。
彼女にやられたことを考えてくると自然と恐怖心が出てくる。
しかしあの母親の涙を見ているとなんとも言えない気持ちにもなった。
わたしはツーリーにスノア令嬢の事、わたしが連れ去られた経緯を聞くことにした。
今まであまりの恐怖を思い出したくないと蓋をしてきたが、向き合わなくてはならないと思ったのだった。
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