梅雨の様なこんな雨の日に

はなおくら

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「……。」

 ツーリーとベッドで何も着ずに、お互いの温もりで寄り添い合っていた。

 しかし長い事避けていた為、どう切り出せばいいのかわからなかった。

 ツーリーも私の肩を指先で撫でたまま何も言わない。

 沈黙の中しばらくした時だった。

「ナナ、君を傷つけてすまなかった。」

 ツーリーの顔を見れば、彼がとても反省している事が伺える。

「私も…大人気なかった…。あなたの立場からしてみれば断ることもできないのに…。」

 ツーリーはいつだって責任ある立場だ。

 そんな彼のことを理解しきれていなかったと自分でも情けなく思う。

 情けなくて泣きそうになるのを目を閉じて我慢していた。

「君は悪くない。僕だって君が他の男といるのを見て仕舞えばそれこそ我慢できずにはいない。…ナナ…君は僕のために我慢してくれたんだ。謝るのは僕だよ。」

「ツーリー…。」

 優しい言葉をかけられて仕舞えば甘えてしまう。

 涙が止めたくてもボロボロと流れてくる。

 そう言ってくれる彼も自分で背負い込もうとしているのがわかった。

「…2人でこれから支え合いましょう。できることをやっていけばいいもの。」

「ナナ…ありがとう。」

 そして私達は眠りについた。

 あれからツーリーと屋敷では2人で過ごす事が増えた。

 皇女様がもうじき国に帰られるその間、お互い不安がないように話し合った。

 そうしているうちに皇女様の帰還が訪れる。

 国は送り出す前に盛大な会を開くことになった。

 もちろんツーリーがエスコートする事は決まっている。

 申し訳なさそうな彼を見ながら私は彼の耳に耳打ちする。

「ツーリー、気にしないで。その代わりこんな遊びをしましょ。」

 彼に耳打ちで言ったのは、皇女様をエスコートしながら、空いた時間があれば誰もいないとこでキスしたり、抱きしめあって2人で乗り越えようと提案した。

 幼稚な考えと思うけど、それを伝えれば、ツーリーは面白そうな顔をして頷いた。

 当日私達は色違いの服装で決めている。

 しかし腕にはお互いの瞳の色の腕輪を身につけた。

 ツーリーが先に出るため、私は見送りをした。

 そうして私は1人会場へと入った。

 中では、同情的な視線や卑下する視線に晒されたが気にしなかった。

 中では皇女様をエスコートするツーリーと目が合うとお互いわからないように微笑み合った。

 会場の中、国王陛下や来賓に挨拶を終えて、一休みのため休憩室に入った。

 しばらくすると、ドアのノックがなった。

 扉を開ければツーリーがそそくさと入ってくると、熱烈にキスをくれた。
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