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初めは子羊を守るように前に出て来たが私達に害がないとわかると、少し離れたところで自分の子羊の様子を見ている。
子羊は安全とわかったのか私達に甘えるように頭を差し出して来た。
撫でてあげると嬉しそうにひと鳴きすると母羊の元へと戻っていた。
あまりの可愛さにユノ様の方を見ると、彼も嬉しそうに微笑み返してくれた。
「こんな大きな牧場があるなんて知りませんでした。」
「誰にも知られてないからね、ここは自然が好きな母のために父が作ったところなんだ。」
「そうでしたか…。」
そういえば、まだユノ様のご両親にお会いしていない。
お二人はどうしているのかと不思議に思いながらもあまり踏み込んではいけないとわたしは口を閉じた。
「母にプロポーズするときに作ったと聞いている。」
ロマンある話だと思った。
大切な人のために、その人の好きな場所をプレゼントしようなんてなかなかできることではない。
「…素敵ですね。」
「ありがとう。」
目を閉じて自然を感じるユノ様の横顔が素敵でわたしはつい見入ってしまう。
目を閉じていた目から赤い瞳が優しくこちらを見た。
「どうした…?」
後ろの夕焼けが綺麗な背景となって見惚れてしまう。
「いえ…ここは気持ちがいいですね…。」
見惚れてたなんていえずにわたしは、後ろの景色を見つめながらつぶやいた。
その日はあっという間に時は過ぎて夜になった。
夜は大きな部屋のようなテントが二つ並んでいた。
「すごいですね、こんな施設が見れるなんて驚きです。」
わたしは大きなドーム型のテントを見て驚いた。
テントの前には机が置いてある。
ここで食事をするんだと伺える。
「夜も遅くなったから食事にしようか。」
「はい。」
ユノ様と食卓に座ると、次から次へと料理が運ばれて来た。
「美味しそうですね…。」
目をキラキラさせて魅入っていた。
「食べようか?」
ユノ様の声掛けでわたしが頷くと彼はお肉や野菜を取り分けてくれる。
「ユノ様はわたしが致しますから!」
「今は仕事じゃないんだ。君も子爵家だろ?僕に気を使うことはない。」
「でも…ユノ様の屋敷に働いていますから…。」
「今は休暇なんだそんな事を気にする必要はないよ。」
「でも…。」
申し訳なく思いながら静かに席に着くとユノ様は切り替えるように言った。
「僕が君に無理を言ったんだ!気にする必要はないよ。さぁ食べよう。」
「はい…。」
そうして目の前のお肉を食べた瞬間、先ほどの反省もどこ吹く風で気付けば夢中になって食べていた。
子羊は安全とわかったのか私達に甘えるように頭を差し出して来た。
撫でてあげると嬉しそうにひと鳴きすると母羊の元へと戻っていた。
あまりの可愛さにユノ様の方を見ると、彼も嬉しそうに微笑み返してくれた。
「こんな大きな牧場があるなんて知りませんでした。」
「誰にも知られてないからね、ここは自然が好きな母のために父が作ったところなんだ。」
「そうでしたか…。」
そういえば、まだユノ様のご両親にお会いしていない。
お二人はどうしているのかと不思議に思いながらもあまり踏み込んではいけないとわたしは口を閉じた。
「母にプロポーズするときに作ったと聞いている。」
ロマンある話だと思った。
大切な人のために、その人の好きな場所をプレゼントしようなんてなかなかできることではない。
「…素敵ですね。」
「ありがとう。」
目を閉じて自然を感じるユノ様の横顔が素敵でわたしはつい見入ってしまう。
目を閉じていた目から赤い瞳が優しくこちらを見た。
「どうした…?」
後ろの夕焼けが綺麗な背景となって見惚れてしまう。
「いえ…ここは気持ちがいいですね…。」
見惚れてたなんていえずにわたしは、後ろの景色を見つめながらつぶやいた。
その日はあっという間に時は過ぎて夜になった。
夜は大きな部屋のようなテントが二つ並んでいた。
「すごいですね、こんな施設が見れるなんて驚きです。」
わたしは大きなドーム型のテントを見て驚いた。
テントの前には机が置いてある。
ここで食事をするんだと伺える。
「夜も遅くなったから食事にしようか。」
「はい。」
ユノ様と食卓に座ると、次から次へと料理が運ばれて来た。
「美味しそうですね…。」
目をキラキラさせて魅入っていた。
「食べようか?」
ユノ様の声掛けでわたしが頷くと彼はお肉や野菜を取り分けてくれる。
「ユノ様はわたしが致しますから!」
「今は仕事じゃないんだ。君も子爵家だろ?僕に気を使うことはない。」
「でも…ユノ様の屋敷に働いていますから…。」
「今は休暇なんだそんな事を気にする必要はないよ。」
「でも…。」
申し訳なく思いながら静かに席に着くとユノ様は切り替えるように言った。
「僕が君に無理を言ったんだ!気にする必要はないよ。さぁ食べよう。」
「はい…。」
そうして目の前のお肉を食べた瞬間、先ほどの反省もどこ吹く風で気付けば夢中になって食べていた。
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