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ついにこの日が来た。
私の誕生日、目の前では家族で食卓を囲み私の目の前に大きなケーキが用意されている。
そしてわたしは長年つけていたかつらを外して、スカートを身につけ、女性になれた自分を噛み締めている。
「おめでとう。イゼア。」
ロアをひざに乗せて祝ってくれる母と澄ました顔をしつつも頬を緩めている父がいる。
父は懐に手を入れると、わたしに懐中時計を差し出した。
「長い間、よく頑張ってくれた。お前を本来の姿を否定させてしまってすまなかった…これからは自由に自分らしく生きてくれ。」
そう言って父はわたしを抱きしめた。
厳格で厳しかった父にされた初めての抱擁に涙が流れた。
本当は私を心から心配してくれていた事に嬉しく思った。
母も隣で涙を流しており、その涙をロアが触って慰めている。
わたしは前向きな気持ちになり、ケーキの蝋燭を吹き消して家族団欒を楽しんだのだった。
次の日、旦那様と奥様に挨拶に伺った。
二人とも女性の姿になったわたしに少しばかり驚いていたが喜んで迎えてくれた。
そして今、アロン様の部屋に向かっている。
他の人には、私の髪の色を見せたが、アロン様とは一度対面しているためかつらをつけている。
アロン様は私の女性として姿をどう思うのか、認めてくれるのか、正直なところそれが気になって胸の早鐘を止めることができずにいる。
ドアを叩くとアロン様の声が聞こえる。
「どうぞ」
「………失礼します。」
扉を開ける瞬間からアロン様をみる瞬間までまるでスローモーションの様に動きがゆっくりと流れていく。
自分でもどう彼の前に進んだのかわからない。
気がつくと目の前で座るアロン様を見つめていた。
「イゼア…その格好は…?」
「………。」
深呼吸を繰り返しようやく落ち着いて来た頃、私は口を開いた。
「アロン様…。今まで黙っていて申し訳ありませんでした。我が一族の事情で男として生きて来ました。…ですが本当は女なのです…。」
「………。」
アロン様は目を見開いたまま動くことはなかった。
彼が黙ってしまってから沈黙が長いこと続いた。
騙した罪悪感と彼の反応がわからなくて、私は耐えられず頭を下げた。
「騙してしまい申し訳ありませんでした!」
「……すまない…イゼア…。…急な事で驚いてしまってな…。」
アロン様は目でわかるほど戸惑っていた。
震える手でティーカップを取って口に近づけ、少し飲みまた元の位置に戻した。
「そうか…女性だったのか…。」
「はい…長い間、騙しており申し訳ありません。」
「事情を…聞かないとな…。」
わたしはこれまでのことを説明した。
その間、彼と目が合うことはなかった。
私の誕生日、目の前では家族で食卓を囲み私の目の前に大きなケーキが用意されている。
そしてわたしは長年つけていたかつらを外して、スカートを身につけ、女性になれた自分を噛み締めている。
「おめでとう。イゼア。」
ロアをひざに乗せて祝ってくれる母と澄ました顔をしつつも頬を緩めている父がいる。
父は懐に手を入れると、わたしに懐中時計を差し出した。
「長い間、よく頑張ってくれた。お前を本来の姿を否定させてしまってすまなかった…これからは自由に自分らしく生きてくれ。」
そう言って父はわたしを抱きしめた。
厳格で厳しかった父にされた初めての抱擁に涙が流れた。
本当は私を心から心配してくれていた事に嬉しく思った。
母も隣で涙を流しており、その涙をロアが触って慰めている。
わたしは前向きな気持ちになり、ケーキの蝋燭を吹き消して家族団欒を楽しんだのだった。
次の日、旦那様と奥様に挨拶に伺った。
二人とも女性の姿になったわたしに少しばかり驚いていたが喜んで迎えてくれた。
そして今、アロン様の部屋に向かっている。
他の人には、私の髪の色を見せたが、アロン様とは一度対面しているためかつらをつけている。
アロン様は私の女性として姿をどう思うのか、認めてくれるのか、正直なところそれが気になって胸の早鐘を止めることができずにいる。
ドアを叩くとアロン様の声が聞こえる。
「どうぞ」
「………失礼します。」
扉を開ける瞬間からアロン様をみる瞬間までまるでスローモーションの様に動きがゆっくりと流れていく。
自分でもどう彼の前に進んだのかわからない。
気がつくと目の前で座るアロン様を見つめていた。
「イゼア…その格好は…?」
「………。」
深呼吸を繰り返しようやく落ち着いて来た頃、私は口を開いた。
「アロン様…。今まで黙っていて申し訳ありませんでした。我が一族の事情で男として生きて来ました。…ですが本当は女なのです…。」
「………。」
アロン様は目を見開いたまま動くことはなかった。
彼が黙ってしまってから沈黙が長いこと続いた。
騙した罪悪感と彼の反応がわからなくて、私は耐えられず頭を下げた。
「騙してしまい申し訳ありませんでした!」
「……すまない…イゼア…。…急な事で驚いてしまってな…。」
アロン様は目でわかるほど戸惑っていた。
震える手でティーカップを取って口に近づけ、少し飲みまた元の位置に戻した。
「そうか…女性だったのか…。」
「はい…長い間、騙しており申し訳ありません。」
「事情を…聞かないとな…。」
わたしはこれまでのことを説明した。
その間、彼と目が合うことはなかった。
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