46 / 52
46
しおりを挟む
何だかいやな予感がしていた。
そんな私の予想が的中したのは、お母様が真っ青になって入ってきたのだ。
「イゼア…落ち着いて聞いてね。」
私はその内容に膝から崩れ落ちた。
お母様に奥様から伝言で、アロン様が結婚したのだという。
何もどうすることもできなかったのだった。
「アロン…。」
「イゼア…これを…バスクワ伯爵様が…。」
お母様に渡されたのは、旦那様からの手紙だった。
恐る恐る中を開いた。
手紙には、約束を破った事でひどく怒りを露わにしていた。
そして本来なら残った家族も処刑となるのをアロンに免じて手を出さない事が綴られていた。
「そんな…。」
悲しみの中、せめて一目でもアロン様にお会いしたいと思った。
ふらつく私をお母様は支えてくれ、ベッドに休むこととなった。
あまりの悲しみに、私は気を失ったのだった。
あれから目が覚めても何もやる気が起きない。
アロンに会いたいが何を言えばいいのかわからない。
日中光も差さない部屋で過ごしていると何をしていいのかわからず、混沌とした時間が流れた。
両親も心配してくれる。
申し訳ないと思いつつ体がいうことを聞かない。
アロン様は快諾したのか、私とのことはお遊びだったのか…いや彼の目を見てそんなはずないとぐるぐるとしている。
ふと、窓から見下ろすと子爵家が主催している炊き出しの列に小さな男の子と女の子が遊んでいる。
あまりに大きな声で話すものだから会話が耳についた。
「僕たちはずっと一緒だよ。」
男の子が自信満々にいうのを聞いた女の子は少しおませなのだろう。
「うん…でももし一緒にいられなくなったら…どうするの?」
「…そうだな…。」
2人はしばらく黙りこくっていたが、女の子はにこりと笑って言った。
「その時は、私が会いに行く!どんな事があっても会いに行くよ!」
その言葉を聞いた瞬間、私はハタッとさせられた。
いつもアロンはわたしに会いにきてくれた。
私が離れようとしても、手を離さずにいてくれた。
もう一度信じてみよう。
アロンが結婚して2人の道が分たれる事があったとしても後悔はしたくない。
私は急ぎ身支度を整えて両親の前に立ち決心を告げた。
両親は信じて頷いてくれ、私は見一つでバスクワ伯爵邸へと急いだのだった。
馬車を降りて懐かしい屋敷を見上げながら門番に旦那様の謁見を依頼した。
どれくらい待たされただろうか、アロンに会いたい一心で待ち続けた。
しばらくすると、旦那様の書斎に通された。
旦那様は私を見る事なく書類に目を通している。
そんな私の予想が的中したのは、お母様が真っ青になって入ってきたのだ。
「イゼア…落ち着いて聞いてね。」
私はその内容に膝から崩れ落ちた。
お母様に奥様から伝言で、アロン様が結婚したのだという。
何もどうすることもできなかったのだった。
「アロン…。」
「イゼア…これを…バスクワ伯爵様が…。」
お母様に渡されたのは、旦那様からの手紙だった。
恐る恐る中を開いた。
手紙には、約束を破った事でひどく怒りを露わにしていた。
そして本来なら残った家族も処刑となるのをアロンに免じて手を出さない事が綴られていた。
「そんな…。」
悲しみの中、せめて一目でもアロン様にお会いしたいと思った。
ふらつく私をお母様は支えてくれ、ベッドに休むこととなった。
あまりの悲しみに、私は気を失ったのだった。
あれから目が覚めても何もやる気が起きない。
アロンに会いたいが何を言えばいいのかわからない。
日中光も差さない部屋で過ごしていると何をしていいのかわからず、混沌とした時間が流れた。
両親も心配してくれる。
申し訳ないと思いつつ体がいうことを聞かない。
アロン様は快諾したのか、私とのことはお遊びだったのか…いや彼の目を見てそんなはずないとぐるぐるとしている。
ふと、窓から見下ろすと子爵家が主催している炊き出しの列に小さな男の子と女の子が遊んでいる。
あまりに大きな声で話すものだから会話が耳についた。
「僕たちはずっと一緒だよ。」
男の子が自信満々にいうのを聞いた女の子は少しおませなのだろう。
「うん…でももし一緒にいられなくなったら…どうするの?」
「…そうだな…。」
2人はしばらく黙りこくっていたが、女の子はにこりと笑って言った。
「その時は、私が会いに行く!どんな事があっても会いに行くよ!」
その言葉を聞いた瞬間、私はハタッとさせられた。
いつもアロンはわたしに会いにきてくれた。
私が離れようとしても、手を離さずにいてくれた。
もう一度信じてみよう。
アロンが結婚して2人の道が分たれる事があったとしても後悔はしたくない。
私は急ぎ身支度を整えて両親の前に立ち決心を告げた。
両親は信じて頷いてくれ、私は見一つでバスクワ伯爵邸へと急いだのだった。
馬車を降りて懐かしい屋敷を見上げながら門番に旦那様の謁見を依頼した。
どれくらい待たされただろうか、アロンに会いたい一心で待ち続けた。
しばらくすると、旦那様の書斎に通された。
旦那様は私を見る事なく書類に目を通している。
1
あなたにおすすめの小説
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
【完結】小さなマリーは僕の物
miniko
恋愛
マリーは小柄で胸元も寂しい自分の容姿にコンプレックスを抱いていた。
彼女の子供の頃からの婚約者は、容姿端麗、性格も良く、とても大事にしてくれる完璧な人。
しかし、周囲からの圧力もあり、自分は彼に不釣り合いだと感じて、婚約解消を目指す。
※マリー視点とアラン視点、同じ内容を交互に書く予定です。(最終話はマリー視点のみ)
次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
「愛想がなく可愛くない」と捨てられた私、最強の竜騎士に拾われる。「その美しさに僕だけが狂わされたい」と、愛の重さでベッドから下ろしてくれない
唯崎りいち
恋愛
夜会の最中、王子に「愛想がなくて可愛くない」と婚約破棄された無表情令嬢。
だが彼女の美しさに一目惚れした隣国最強の竜騎士に連れ去られ、
「君はもう僕のものだ」
と毎晩愛の重さでベッドから下ろしてくれない生活が始まる——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる