愛した人は悪い人

はなおくら

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 お互い果てて、力を無く寄り添いあっていた。

「ジーヌ…辛くはないか?」

「はい…。」

 自分を心配してくれるレイモンドにジーヌは愛おしさが増した。

 レイモンドはジーヌにキスを落として微笑みかけた。

 そんな彼にジーヌも微笑み、震える体を動かして、彼のおでこにキスを落とした。

 そうして見つめ合いながら、気を失うような形で夢の中へと落ちていった。

 朝、目が覚めるとカーテンが開いており、横のテーブルには朝食が置いてあった。

 微睡みながら目を覚ましてあたりの様子を見ていたジーヌはふと背中の温もりを感じて振り返る。

 そこには綺麗な顔で眠っているレイモンドがいた。

 ジーヌは顔を隠して、赤くなる頬を押さえた。

 そうだ…私…。

 愛する人と結ばれる事が夢の様で、暖かく胸を熱く鼓動を動かしている。

 彼の頬に手を伸ばすと、くすぐったそうに微笑んだまま寝息を立てている。

 こんなにも満たされた朝があるのを体験するのは初めてに等しいほど、幸福感に包まれていた。

 その時ジーヌはふと冷静になった。カーテンが開いていて、朝食が運ばれていると言う事は、屋敷の使用人にはこの姿を見られてしまっていると言う事だ。

 あまりの恥ずかしさにどこかに隠れたい気持ちになり、ベッドを降りようとしたその時、腰を引かれてベッドの中へと引き戻された。

「きゃっ…‼︎」

 レイモンドは目を覚まして、ジーヌを抱き寄せた。

 「どこにいくんだ…?」

 その声にはどこか拗ねている様な甘えている様な声色をしていた。

「少し顔を洗いに…。」

 照れて落ち着かなったっと言えないためジーヌは誤魔化しながらいった。

 そんな様子をレイモンドは、微笑みながらジーヌをベッドへと引き戻した。

「まだ時間はある。もう少しこのままでいよう。」

 まだ眠かったのかレイモンドはそういうと目を閉じた。

 その表情を見ていたジーヌもつられて夢現と目を閉じていった。

「お休みなさい…レイ様。」

 2人が目が覚めたのはお昼過ぎをすぎていた。既に置かれていた朝食は冷たくなっており、様子を見にきた使用人が作り直すと言ったが、それは悪い気がしてレイモンドとジーヌは、断りを入れ2人で遅い朝食を楽しんでいた。

「2人でこんなふうに食事ができる日がくるなんて…少し前の私に教えてあげたく思います。」

 照れながらジーヌがそう口にするとレイモンドは笑って答えた。

「これからは毎日、当たり前に起きるよ。僕も君がいてこそこの幸せを噛み締める事ができるからね。」

 そう言われてジーヌは嬉しく涙をこぼし頷いた。

 その涙をレイモンドがぬぐい2人で微笑みあった。
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