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とある日中、スサリアは眉を寄せた考えていた。
タケトルと眠るのも慣れはしたが、どこか彼に縋っている自分を責めた。
自分がしっかりしなければ、息子の命はない。
そう言い聞かせる。
その時、タタラが部屋に入ってきた。
「王妃様、弟から連絡がありました。お会いになりたいそうです。」
スサリアはほっとした。
「よかった…。ありがとうタタラ。」
これで何か対策が取れるだろう。
「いえ、手紙では弟は何故か貴方が会いにくる事を予見していたようです。」
「既に?…何故わかったのかしら…。」
「わかりません…。弟からは居場所の地図といつでも訪問可能な事の言伝にありました。」
横を見るとタタラが少しそわそわした様子をしていた。
その理由をスサリアは分かっていた。
「タタラ?貴方も彼に会いにいかない?」
「えっ?」
タタラは迷ったような様子で口を開いた。
「…確かにあの日以来弟とは文のやり取りしかしていません…逢いたい…のは事実です。ですが王妃様のご迷惑になるわけには…。」
タタラが我慢しているのを見て、スサリアはクスッと笑って応えた。
「心配しなくていいわ。元より貴方と一緒に行くつもりだったの。スルトも一緒に連れて行きましょう。」
「王妃様…ありがとうございます。」
タタラは傅いて、スサリアにお礼を言った。
スサリアは早速使用人に3日後出かける事を伝え外出許可の申請を出した。
その夜、タケトルがスサリアの部屋で既に待っていた。
「先に入らせてもらった。」
「…いえ…お待たせ致しました…。」
スサリアのそっけない態度にタケトルは悲しい表情を浮かべている。
だがスサリアは知らないふりをして過ごしていた。
「…スルトと其方の外出許可の報告を受けたのだが、どこへ行くのだ?」
やはりこの件で聞いてくるだろうと予想していたスサリアは、淡々と答えた。
「いえ…唯親子2人で楽しい時間を過ごしたかっただけです…。」
「そうか…ならば余もついていこう…。」
まさかそんな事を言われるとは思わず焦った。
「いえ、息子と2人の時間が欲しいと思ったのです。申し訳ありませんが陛下…この時間をお譲りいただけませんか?」
息を呑んで頼んだ。
「そうだな…わかった。しかし其方は王妃だ。何人か護衛を付けさせる。気をつけて行ってきなさい。」
「ありがとうございます…。」
スサリアはほっとした。
「そうだな…余も仕事ばかりで息子との時間を取れていなかった。これからは定期的に親子の時間を作るとしよう…。」
スサリアはこれが何も知らなかった頃ならば手をあげて喜んだだろう、だが今は喜べるはずもない。
だがそう言われて断ればおかしく思われる。はいと返事をして眠りについた。
タケトルと眠るのも慣れはしたが、どこか彼に縋っている自分を責めた。
自分がしっかりしなければ、息子の命はない。
そう言い聞かせる。
その時、タタラが部屋に入ってきた。
「王妃様、弟から連絡がありました。お会いになりたいそうです。」
スサリアはほっとした。
「よかった…。ありがとうタタラ。」
これで何か対策が取れるだろう。
「いえ、手紙では弟は何故か貴方が会いにくる事を予見していたようです。」
「既に?…何故わかったのかしら…。」
「わかりません…。弟からは居場所の地図といつでも訪問可能な事の言伝にありました。」
横を見るとタタラが少しそわそわした様子をしていた。
その理由をスサリアは分かっていた。
「タタラ?貴方も彼に会いにいかない?」
「えっ?」
タタラは迷ったような様子で口を開いた。
「…確かにあの日以来弟とは文のやり取りしかしていません…逢いたい…のは事実です。ですが王妃様のご迷惑になるわけには…。」
タタラが我慢しているのを見て、スサリアはクスッと笑って応えた。
「心配しなくていいわ。元より貴方と一緒に行くつもりだったの。スルトも一緒に連れて行きましょう。」
「王妃様…ありがとうございます。」
タタラは傅いて、スサリアにお礼を言った。
スサリアは早速使用人に3日後出かける事を伝え外出許可の申請を出した。
その夜、タケトルがスサリアの部屋で既に待っていた。
「先に入らせてもらった。」
「…いえ…お待たせ致しました…。」
スサリアのそっけない態度にタケトルは悲しい表情を浮かべている。
だがスサリアは知らないふりをして過ごしていた。
「…スルトと其方の外出許可の報告を受けたのだが、どこへ行くのだ?」
やはりこの件で聞いてくるだろうと予想していたスサリアは、淡々と答えた。
「いえ…唯親子2人で楽しい時間を過ごしたかっただけです…。」
「そうか…ならば余もついていこう…。」
まさかそんな事を言われるとは思わず焦った。
「いえ、息子と2人の時間が欲しいと思ったのです。申し訳ありませんが陛下…この時間をお譲りいただけませんか?」
息を呑んで頼んだ。
「そうだな…わかった。しかし其方は王妃だ。何人か護衛を付けさせる。気をつけて行ってきなさい。」
「ありがとうございます…。」
スサリアはほっとした。
「そうだな…余も仕事ばかりで息子との時間を取れていなかった。これからは定期的に親子の時間を作るとしよう…。」
スサリアはこれが何も知らなかった頃ならば手をあげて喜んだだろう、だが今は喜べるはずもない。
だがそう言われて断ればおかしく思われる。はいと返事をして眠りについた。
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