31 / 47
31
しおりを挟む
礼をしてタケトルの元へと階段を登る。すると咄嗟に彼に抱きしめられた。
「待っていたぞ。そなたと一晩離れただけでどれだけ苦しかったか。もう何も期にする事はない。余がそなたを守る。」
「陛下…。」
嬉しくなり、タケトルの背に手を回した。こうして再会に浸っていると、視線がした。
周りを見ると護衛兵を始め、重役の者達がほっと胸を撫で下ろしたような嬉しそうな目でこちらを見ていた。
慌てて咳払いをして口を開いた。
「皆の者、今まで心配をかけましたね。もう二度とこのような真似は致しません。これからも王タケトルを始め私の力となってくれる事を期待しています。」
そういうと大きな歓声が王室に響き渡った。
この時安心していたが、1人の衛兵がこちらを睨みつけていることに気づけずにいた。
タケトルと共に王室を出て、自室に入り互いを抱きしめあった。
どちらからともなくキスを交わす。あまりの心地よさにこのまま浸っていたかったがタケトルの胸を押し一呼吸置いて口を開いた。
「陛下、こうしてるわけにはいきません。何かわかりましたでしょうか?」
スサリアの言葉に少し不満気にしていたタケトルだが、すぐに切り替えて話した。
「わかった事は、ケルアが魅了の魔法を使えるとの事だ。」
「そんなっ…!」
スサリアは驚いた。ならば今までのことに納得がいく。あの日自分たちを狙ったのは、陛下に魅了の魔法を掛けて拐かしたのだと。
自分はそれに騙されていたのだ。だがなぜ王は今ケルアの魅了にかかっていないのか不思議だった。
「スサリア…?」
黙り込むスサリアの顔を見ているタケトルにハッとした。
「申し訳ありません。少し気になることがありまして…ケルアと接触した陛下が何故魔法にかかっていないの不思議で…。」
そういう時タケトルもそうだとばかりに言った。
「確かにそうだな。余の身に何かあっても不思議ではないはず…。」
2人で考えても答えは出ず、この件は保留になった。
「そなたも知っての通り魔法使いと普通の者たちがこの国にはいる。だがお互い暗黙の了解で関係を遮断しているにもかかわらず、ケルアのような者が出た。今、ゲシュ伯爵の身辺調査をさせている。時期、何かわかるだろう。そなたもここにいる間、充分に気をつけるのだ。良いな?」
念を押したようにタケトルはそう言われてスサリアは頷いた。
それから3日後の事だった。調査員が身辺調査を終えて城に戻ってきた。
スサリアは今タケトルと共に玉座に座り調査員の話に耳を傾けた。
「待っていたぞ。そなたと一晩離れただけでどれだけ苦しかったか。もう何も期にする事はない。余がそなたを守る。」
「陛下…。」
嬉しくなり、タケトルの背に手を回した。こうして再会に浸っていると、視線がした。
周りを見ると護衛兵を始め、重役の者達がほっと胸を撫で下ろしたような嬉しそうな目でこちらを見ていた。
慌てて咳払いをして口を開いた。
「皆の者、今まで心配をかけましたね。もう二度とこのような真似は致しません。これからも王タケトルを始め私の力となってくれる事を期待しています。」
そういうと大きな歓声が王室に響き渡った。
この時安心していたが、1人の衛兵がこちらを睨みつけていることに気づけずにいた。
タケトルと共に王室を出て、自室に入り互いを抱きしめあった。
どちらからともなくキスを交わす。あまりの心地よさにこのまま浸っていたかったがタケトルの胸を押し一呼吸置いて口を開いた。
「陛下、こうしてるわけにはいきません。何かわかりましたでしょうか?」
スサリアの言葉に少し不満気にしていたタケトルだが、すぐに切り替えて話した。
「わかった事は、ケルアが魅了の魔法を使えるとの事だ。」
「そんなっ…!」
スサリアは驚いた。ならば今までのことに納得がいく。あの日自分たちを狙ったのは、陛下に魅了の魔法を掛けて拐かしたのだと。
自分はそれに騙されていたのだ。だがなぜ王は今ケルアの魅了にかかっていないのか不思議だった。
「スサリア…?」
黙り込むスサリアの顔を見ているタケトルにハッとした。
「申し訳ありません。少し気になることがありまして…ケルアと接触した陛下が何故魔法にかかっていないの不思議で…。」
そういう時タケトルもそうだとばかりに言った。
「確かにそうだな。余の身に何かあっても不思議ではないはず…。」
2人で考えても答えは出ず、この件は保留になった。
「そなたも知っての通り魔法使いと普通の者たちがこの国にはいる。だがお互い暗黙の了解で関係を遮断しているにもかかわらず、ケルアのような者が出た。今、ゲシュ伯爵の身辺調査をさせている。時期、何かわかるだろう。そなたもここにいる間、充分に気をつけるのだ。良いな?」
念を押したようにタケトルはそう言われてスサリアは頷いた。
それから3日後の事だった。調査員が身辺調査を終えて城に戻ってきた。
スサリアは今タケトルと共に玉座に座り調査員の話に耳を傾けた。
0
あなたにおすすめの小説
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる