婚約破棄されても貴方が好き

はなおくら

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「ジェニ…。」

 会場を退席してアレク様が心配した顔でこちらを見ている。

「アレク様、申し訳ありません。せっかくの式に早めに出る形になりまして…。」

「そんな事気にしなくていい。君がこうして元気でいてくれるならそれでいい。本当に大丈夫か?」

「はい…実は…これには訳がありまして…。」

 私がソワソワしてる様子にアレク様は落ち着いたまま耳を傾けた。

「どうしたんだ?」

「実は…、私のお腹には新しい命が…。」

 アレク様の返答を待つが、何も帰ってこない。不安になって顔を上げると、彼は固まったまま動かずにいた。

「アレク様?」

 顔を覗き見ると、アレク様ははっとして私を優しく抱きしめた。

「あぁ…なんて言葉にすればいいのか分からない…こんなに嬉しいことはないよ…。」

 そう言って私にキスを落とした。

「私も聞いたときには驚きました。これからこの子とあなたと幸せになりたいです。」

「僕も同じ気持ちだよ…。」

「愛しています…。」

 そして私たちは2人幸せな時を過ごして言ったのだった。
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