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7.知らなかったのか(2)
「レインは、家を出て行った」
二人の間に、パチッと閃光がほとばしる。ライトが後ろに吹っ飛び尻もちをついた。
「なぜ、引き留めなかった」
「俺が引き留めなかったと思っているのか。俺が追い出したとでも思っているのか」
ライトもやられてばかりではいられないと、トラヴィスに対して軽く魔法を放った。また閃光が生まれる。すかさずトラヴィスは防御魔法を張り、それを回避する。
「レイン本人が望んだことだ」
言葉と同時に魔法を放つ。バチッと光る。「レインは、妹は。お前の側にいる資格を失ったと、そう言ったんだ。もう、お前の側にいられないってな」
「だから、追い出したのか」
「違う。追い出してはいない。レイン本人が望んだ。何度、そう言ったらわかる」
「あの家を出て、レインに行くところなどあるのか」
次はトラヴィスが魔法を放つ。ライトはすかさず防御魔法を張る。放たれた光は防御魔法によって拒まれ、そこでまた光が飛び散った。
「ある。けど、お前には教えない」
ぐっとライトはトラヴィスを見上げた。ゆっくりと立ち上がる。
「レイン本人が望んだんだ。お前には会いたくない、と。ここにはいられない、と」
「レインの口からそれを聞くまでは信じない」
ライトはトラヴィスに一歩、また一歩と近づく。
「なあ、トラヴィス。考えてもみろよ。魔力無限大と呼ばれてちやほやされていた魔導士がとうとう魔力枯渇を起こした。これがどういうことかわかるか?」
「どういう、意味だ?」
「周囲の目だよ。期待と羨望の眼差しで溢れていたその目が同情にかわる。もしくは、レインのことを蔑み、罵る者だって現れるかもしれない」
「それは、私が許さない」
「お前が許さないと口で言ったところで、何ができる。それに晒されて生きていくのはレインだ、お前ではない」
今度はライトがトラヴィスの胸座を掴んだ。
「お前に何ができる。レインの魔力を回復させることができるのか」
トラヴィスはライトを睨んだが、その言葉に対して返事ができない自分に気付く。
「ほら。何も言えないじゃないか」
ライトはトラヴィスを突き放した。トラヴィスは力なく、よろりと一歩下がる。
「今すぐ婚約を解消しろ」
ライトはトラヴィスを見下ろした。
「それは、できない」
「お前はなぜそこまでレインに執着する」
「それは」
と言いかけたが「今は言えない」
はあ、ライトは肩で大きく息をついた。
「これではいつまで経っても埒が明かないな。ま、いい。お前に少しだけ猶予をやる」
トラヴィスは顔を上げ、ライトの目を見た。
「半年以内に、レインの魔力について何かしら結果を出せ」
「どういう、意味だ?」
「半年以内にレインの魔力を回復させてみろ。そうしたら、お前たちの結婚を認めてやってもいい」
「半年? その半年に何の意味がある」
「あのまま魔力が枯渇し続けると、レインは間違いなく死ぬ。あれの父親がそうであったように」
「レインの父親? 元団長ではないのか?」
「ああ、そうか」
そこでライトは鼻の先で笑った。
「お前は知らなかったのか。レインの本当の父親を。俺とは血の繋がりが無いということを」
「なんだと?」
「レインの本当の父親は、大魔導士ベイジル様だ」
二人の間に、パチッと閃光がほとばしる。ライトが後ろに吹っ飛び尻もちをついた。
「なぜ、引き留めなかった」
「俺が引き留めなかったと思っているのか。俺が追い出したとでも思っているのか」
ライトもやられてばかりではいられないと、トラヴィスに対して軽く魔法を放った。また閃光が生まれる。すかさずトラヴィスは防御魔法を張り、それを回避する。
「レイン本人が望んだことだ」
言葉と同時に魔法を放つ。バチッと光る。「レインは、妹は。お前の側にいる資格を失ったと、そう言ったんだ。もう、お前の側にいられないってな」
「だから、追い出したのか」
「違う。追い出してはいない。レイン本人が望んだ。何度、そう言ったらわかる」
「あの家を出て、レインに行くところなどあるのか」
次はトラヴィスが魔法を放つ。ライトはすかさず防御魔法を張る。放たれた光は防御魔法によって拒まれ、そこでまた光が飛び散った。
「ある。けど、お前には教えない」
ぐっとライトはトラヴィスを見上げた。ゆっくりと立ち上がる。
「レイン本人が望んだんだ。お前には会いたくない、と。ここにはいられない、と」
「レインの口からそれを聞くまでは信じない」
ライトはトラヴィスに一歩、また一歩と近づく。
「なあ、トラヴィス。考えてもみろよ。魔力無限大と呼ばれてちやほやされていた魔導士がとうとう魔力枯渇を起こした。これがどういうことかわかるか?」
「どういう、意味だ?」
「周囲の目だよ。期待と羨望の眼差しで溢れていたその目が同情にかわる。もしくは、レインのことを蔑み、罵る者だって現れるかもしれない」
「それは、私が許さない」
「お前が許さないと口で言ったところで、何ができる。それに晒されて生きていくのはレインだ、お前ではない」
今度はライトがトラヴィスの胸座を掴んだ。
「お前に何ができる。レインの魔力を回復させることができるのか」
トラヴィスはライトを睨んだが、その言葉に対して返事ができない自分に気付く。
「ほら。何も言えないじゃないか」
ライトはトラヴィスを突き放した。トラヴィスは力なく、よろりと一歩下がる。
「今すぐ婚約を解消しろ」
ライトはトラヴィスを見下ろした。
「それは、できない」
「お前はなぜそこまでレインに執着する」
「それは」
と言いかけたが「今は言えない」
はあ、ライトは肩で大きく息をついた。
「これではいつまで経っても埒が明かないな。ま、いい。お前に少しだけ猶予をやる」
トラヴィスは顔を上げ、ライトの目を見た。
「半年以内に、レインの魔力について何かしら結果を出せ」
「どういう、意味だ?」
「半年以内にレインの魔力を回復させてみろ。そうしたら、お前たちの結婚を認めてやってもいい」
「半年? その半年に何の意味がある」
「あのまま魔力が枯渇し続けると、レインは間違いなく死ぬ。あれの父親がそうであったように」
「レインの父親? 元団長ではないのか?」
「ああ、そうか」
そこでライトは鼻の先で笑った。
「お前は知らなかったのか。レインの本当の父親を。俺とは血の繋がりが無いということを」
「なんだと?」
「レインの本当の父親は、大魔導士ベイジル様だ」
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