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第七章:告白 x 告白(7)
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いつも二人で眠っている大きな寝台。そこではユージーンが一人で横たわり、苦しそうにうめき声をあげている。
「旦那様、解毒薬をお持ちしました」
「クラリス……」
額にびっちりと汗をかいたユージーンが、顔だけを動かしクラリスを見つめる。
「その毒では死にはいたしません。ですが、旦那様。身体がお辛いですよね?」
「あ、あぁ。身体が熱くて、とにかく痛い……。この毒は、なんなんだ?」
「さすがに、旦那様に痺れ薬とかを持たせるのは心苦しくて……媚薬を……」
ユージーンが眉間に深くしわを刻んだ。その一言で、自身の身体に起きている異変に気づいたのだろう。
「そうか……」
「ですが、解毒薬をお持ちしました。これを飲めば、旦那様の身体の疼きがおさまるかと」
クラリスが薬の入った瓶をユージーンの目の前に見せたが、彼は感覚をやり過ごすかのように荒く息を吐いている。
「飲めますか?」
「無理、かもしれない。身体を起こせない」
「わかりました」
クラリスは瓶の中身を大きく口の中に含んで、そのままユージーンに口づける。ユージーンがクラリスにしたのと同じように、クラリスも同じようにやり返す。
解毒薬は彼の口腔内を満たし、そのまま嚥下した様子も伝わってきた。
ほっと胸をなでおろして唇を離そうとするものの、がっしりと後頭部を押さえ込まれて、離れられない。これはユージーンが得意とする執拗な口づけだ。
「……んっ、ふぅ」
ぽかぽかと彼の肩を叩いて、やっと解放された。
「な、な、な、何をなさるのですか!」
「こんな状態で君に口づけされたら、止まらなくなるに決まっている」
寝台から離れようとするクラリスの手首を、ユージーンはがっしりと掴んでいる。それはまるで、クラリスに逃げるなとでも言っているかのように。
「ですから、それは薬のせいです。そろそろ解毒薬が効いてきたのではありませんか?」
「そうだな。少しは薬の影響もあるだろう。だけど、これだけは薬が効いていようがいまいが、変わらない」
「な、なんでしょう?」
クラリスの胸は、激しく鼓動を打ち付けている。
「俺が君を愛したいという気持ちだな。俺は君を愛している。あのとき、真っ青な顔をした君を見て、俺がどれだけ焦ったかわかるか?」
「いいえ?」
見ていないのだから、わかるわけがない。
「そうか。だったら、君の身体にわからせるしかないな。俺がどれだけ君を愛し、君を失いたくないと思っているのかを」
そのままクラリスは寝台の中に引きずり込まれた。
いや、抵抗するならそのまま彼をぶん殴って部屋から出ていけばいいのだ。
それでもそうしなかったのは、クラリスもどこか彼とそうなってもいいと思っていたからかもしれない。
いつからそんな気持ちが芽生えていたのか。
離婚のための必須条件。二年経っても子を授からないこと。となれば、そういった行為に及んではいけない。
頭ではわかっているはずなのに、それでも彼を手放したくないと本能が訴えていた。
ユージーンは自身のことを顧みずにクラリスを助けてくれた。
毒が必要なクラリスを受け入れてくれた。
初めて顔を合わせたときから、クラリス自身を認めてくれた。
くるかわからない不幸に怯えて、今の幸せを手放してもいいのかと、彼は言った。
いつでもユージーンは、クラリスの欲しい言葉をかけてくれる。
そうやって考えれば考えるほど、ユージーンを好きだという気持ちが溢れてきた。だけどその言葉を口にできないのは、クラリスの性格でもある。
素直になれない。嫌われるのは得意なのに、好かれることには慣れていない。何よりも恥ずかしい。むしろ、毒を欲しがるような女は好かれてはならない。
「……あ、旦那様。蛇さんをあそこに置いてきてしまいました。蛇さんを連れ戻しにいかなければ」
これから情事に耽ろうとしているのに、そんなことをさらっと口にするのも本心を隠すため。
「問題ない。きっとデリックが連れてきてくれる。それよりも今は、俺を助けてくれ……」
「ですが……」
クラリスの言葉の続きは、ユージーンの愛に呑み込まれた。
「旦那様、解毒薬をお持ちしました」
「クラリス……」
額にびっちりと汗をかいたユージーンが、顔だけを動かしクラリスを見つめる。
「その毒では死にはいたしません。ですが、旦那様。身体がお辛いですよね?」
「あ、あぁ。身体が熱くて、とにかく痛い……。この毒は、なんなんだ?」
「さすがに、旦那様に痺れ薬とかを持たせるのは心苦しくて……媚薬を……」
ユージーンが眉間に深くしわを刻んだ。その一言で、自身の身体に起きている異変に気づいたのだろう。
「そうか……」
「ですが、解毒薬をお持ちしました。これを飲めば、旦那様の身体の疼きがおさまるかと」
クラリスが薬の入った瓶をユージーンの目の前に見せたが、彼は感覚をやり過ごすかのように荒く息を吐いている。
「飲めますか?」
「無理、かもしれない。身体を起こせない」
「わかりました」
クラリスは瓶の中身を大きく口の中に含んで、そのままユージーンに口づける。ユージーンがクラリスにしたのと同じように、クラリスも同じようにやり返す。
解毒薬は彼の口腔内を満たし、そのまま嚥下した様子も伝わってきた。
ほっと胸をなでおろして唇を離そうとするものの、がっしりと後頭部を押さえ込まれて、離れられない。これはユージーンが得意とする執拗な口づけだ。
「……んっ、ふぅ」
ぽかぽかと彼の肩を叩いて、やっと解放された。
「な、な、な、何をなさるのですか!」
「こんな状態で君に口づけされたら、止まらなくなるに決まっている」
寝台から離れようとするクラリスの手首を、ユージーンはがっしりと掴んでいる。それはまるで、クラリスに逃げるなとでも言っているかのように。
「ですから、それは薬のせいです。そろそろ解毒薬が効いてきたのではありませんか?」
「そうだな。少しは薬の影響もあるだろう。だけど、これだけは薬が効いていようがいまいが、変わらない」
「な、なんでしょう?」
クラリスの胸は、激しく鼓動を打ち付けている。
「俺が君を愛したいという気持ちだな。俺は君を愛している。あのとき、真っ青な顔をした君を見て、俺がどれだけ焦ったかわかるか?」
「いいえ?」
見ていないのだから、わかるわけがない。
「そうか。だったら、君の身体にわからせるしかないな。俺がどれだけ君を愛し、君を失いたくないと思っているのかを」
そのままクラリスは寝台の中に引きずり込まれた。
いや、抵抗するならそのまま彼をぶん殴って部屋から出ていけばいいのだ。
それでもそうしなかったのは、クラリスもどこか彼とそうなってもいいと思っていたからかもしれない。
いつからそんな気持ちが芽生えていたのか。
離婚のための必須条件。二年経っても子を授からないこと。となれば、そういった行為に及んではいけない。
頭ではわかっているはずなのに、それでも彼を手放したくないと本能が訴えていた。
ユージーンは自身のことを顧みずにクラリスを助けてくれた。
毒が必要なクラリスを受け入れてくれた。
初めて顔を合わせたときから、クラリス自身を認めてくれた。
くるかわからない不幸に怯えて、今の幸せを手放してもいいのかと、彼は言った。
いつでもユージーンは、クラリスの欲しい言葉をかけてくれる。
そうやって考えれば考えるほど、ユージーンを好きだという気持ちが溢れてきた。だけどその言葉を口にできないのは、クラリスの性格でもある。
素直になれない。嫌われるのは得意なのに、好かれることには慣れていない。何よりも恥ずかしい。むしろ、毒を欲しがるような女は好かれてはならない。
「……あ、旦那様。蛇さんをあそこに置いてきてしまいました。蛇さんを連れ戻しにいかなければ」
これから情事に耽ろうとしているのに、そんなことをさらっと口にするのも本心を隠すため。
「問題ない。きっとデリックが連れてきてくれる。それよりも今は、俺を助けてくれ……」
「ですが……」
クラリスの言葉の続きは、ユージーンの愛に呑み込まれた。
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