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兄に連れられて、私もすぐに応接室へと向かう。
いったい、どのような男性だろう。
傷ものとか性女とか言われている私にわざわざ会いに来てくれる男性とは。
結婚の申し込みだろうか。
あまりにも嬉しくて、応接間に向かう足はリズミカルに弾んでいた。
「行儀が悪い。落ち着きなさい」
ヘンリエッタに注意されなければ、そのまま部屋に入っていただろう。
兄と一緒に応接室へと足を踏み入れる。ヘンリエッタは隣の部屋で待っているとのこと。
「お待たせして申し訳ありません。こちらが妹のメルリラ・ジーニです」
「突然の訪問、失礼しました。僕はイドリス公爵家のハリソンと申します」
そう立ち上がって頭を下げる様子は、好感が持てた。
絹糸のような金色の髪に、夜空のような瞳。鼻筋も通っていて、ぽってりとした唇は愛らしい。
そう、ハリソンは愛らしいのだ。男性というよりは男の子という表現が合う。
「お初にお目にかかります、ハリソン様。私がメルリラです」
見た目は子どもだが、公爵家の人間だ。つまり公爵子息。
私は兄と並んでハリソンの前に座った。使用人が静かに私たちの前にお茶とお菓子を並べると、ハリソンは目礼する。
堂々とした振る舞いの中に見え隠れする幼さが、私の胸をきゅんきゅんと締めつける。
どうしよう。そちらに目覚めてしまったかもしれない、と不安になるくらい、彼は可愛らしいのだ。
「単刀直入に言います。僕はメルリラさんと家族になりたいと思っています」
あまりにものド直球の物言いに、隣の兄が息を呑んだのが伝わってきた。
「その……失礼ですが、ハリソン様はいったいおいくつでしょうか?」
兄だから聞ける。私なら聞けない。気になっていたけれど、こんな聞き方はできない。
「はい。今年で六歳になりました」
「ですが、妹のメルリラは二十三ですよ? いいんですか?」
「はい。僕は気になりません。僕が成人を迎える頃には、もっと気にならなくなると思います。えぇと……」
そこで指を折って数えるところが、また母性本能をくすぐってくる。
「僕が十八歳のとき、メルリラさんは三十五歳……?」
未来を突きつけられ、少し心がえぐられた。
「そうですね。私とハリソン様は十七歳、年が離れております」
「十七歳……ちょっと微妙なところかもしれませんが……でも、おかしくないです!」
一生懸命声を張り上げる姿も可愛い。もう、可愛いしか出てこない。
「メルリラさん。お願いです。僕と家族になってください」
婚活がうまくいっていない私にとっては魅力的な提案だ。だが、相手が十七歳年下というのは、良心的に引っかかるものがある。
私が困って兄を見やると、兄も困って口元を手で覆い、少し考え込んでから口を開いた。
「ハリソン様。妹にはもったいない話です。そして今、我が家は家長である父が不在です。この件は、父と相談してからの返事ということでよろしいでしょうか?」
ものすごくまともなことを言っているように思えるが、すべての答えを父親に丸投げしているだけである。
「はい。今日は僕という人間を知ってもらいたくてここに来ました。ジーニ男爵には公爵家から手紙を出します。でも、前向きな返事をいただけると嬉しいです」
少し寂しそうに笑うハリソンを抱きしめたくなった。
いったい、どのような男性だろう。
傷ものとか性女とか言われている私にわざわざ会いに来てくれる男性とは。
結婚の申し込みだろうか。
あまりにも嬉しくて、応接間に向かう足はリズミカルに弾んでいた。
「行儀が悪い。落ち着きなさい」
ヘンリエッタに注意されなければ、そのまま部屋に入っていただろう。
兄と一緒に応接室へと足を踏み入れる。ヘンリエッタは隣の部屋で待っているとのこと。
「お待たせして申し訳ありません。こちらが妹のメルリラ・ジーニです」
「突然の訪問、失礼しました。僕はイドリス公爵家のハリソンと申します」
そう立ち上がって頭を下げる様子は、好感が持てた。
絹糸のような金色の髪に、夜空のような瞳。鼻筋も通っていて、ぽってりとした唇は愛らしい。
そう、ハリソンは愛らしいのだ。男性というよりは男の子という表現が合う。
「お初にお目にかかります、ハリソン様。私がメルリラです」
見た目は子どもだが、公爵家の人間だ。つまり公爵子息。
私は兄と並んでハリソンの前に座った。使用人が静かに私たちの前にお茶とお菓子を並べると、ハリソンは目礼する。
堂々とした振る舞いの中に見え隠れする幼さが、私の胸をきゅんきゅんと締めつける。
どうしよう。そちらに目覚めてしまったかもしれない、と不安になるくらい、彼は可愛らしいのだ。
「単刀直入に言います。僕はメルリラさんと家族になりたいと思っています」
あまりにものド直球の物言いに、隣の兄が息を呑んだのが伝わってきた。
「その……失礼ですが、ハリソン様はいったいおいくつでしょうか?」
兄だから聞ける。私なら聞けない。気になっていたけれど、こんな聞き方はできない。
「はい。今年で六歳になりました」
「ですが、妹のメルリラは二十三ですよ? いいんですか?」
「はい。僕は気になりません。僕が成人を迎える頃には、もっと気にならなくなると思います。えぇと……」
そこで指を折って数えるところが、また母性本能をくすぐってくる。
「僕が十八歳のとき、メルリラさんは三十五歳……?」
未来を突きつけられ、少し心がえぐられた。
「そうですね。私とハリソン様は十七歳、年が離れております」
「十七歳……ちょっと微妙なところかもしれませんが……でも、おかしくないです!」
一生懸命声を張り上げる姿も可愛い。もう、可愛いしか出てこない。
「メルリラさん。お願いです。僕と家族になってください」
婚活がうまくいっていない私にとっては魅力的な提案だ。だが、相手が十七歳年下というのは、良心的に引っかかるものがある。
私が困って兄を見やると、兄も困って口元を手で覆い、少し考え込んでから口を開いた。
「ハリソン様。妹にはもったいない話です。そして今、我が家は家長である父が不在です。この件は、父と相談してからの返事ということでよろしいでしょうか?」
ものすごくまともなことを言っているように思えるが、すべての答えを父親に丸投げしているだけである。
「はい。今日は僕という人間を知ってもらいたくてここに来ました。ジーニ男爵には公爵家から手紙を出します。でも、前向きな返事をいただけると嬉しいです」
少し寂しそうに笑うハリソンを抱きしめたくなった。
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