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【1】追放

17・結果 1

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 レティウスごめん、そんな気はなかったんだ、許して! 何度も夢に見ては飛び起きる。レティウスはもう7日帰って来ていない。森を出て城に行こうと思うのに、森の結界を破ることができず、歩き続けても屋敷の前に戻ってしまい、毎日、ただ森の出口を探し、出られないことに落ち込むだけの日々が過ぎた。

 そうして10日目。
 ベッドから起き上がれなくなった。
 命を繋ぐ為の行為の期限が7日であると気づいていて、その後は命を削って行くとは知っていたが、それがどんなことになるかは知らずにいた。これで知らないことを知ることができた。

 体が重くなる。体中の血が発火しているのかと思うくらい熱くなり、汗が止まらない。最初は流れていた汗が止まると、こんどは冷えて震えが来る。血が凍るかと思うくらい冷たくなり、布団にくるまり暖を取ろうと思っても、なんら変わらず寒いばかりだった。

 ああ、見捨てられて消えるんだな、と冷めた笑いが湧いて来るが、歯が鳴るほど震えているから思いがぐるぐるめぐるだけだった。

「わるかった」

 重い体が抱き上げられ、唇に熱が触れた。
 熱くてやけどしそうなものが喉を伝って行く。
 寒くて凍ってしまいそうだった体が暖められて行く。

 涙が頬を伝う。
 震えが止まり、嗚咽にかわった。

「もう二度としない、許してほしい」

「レ……ティ」

 レティウスの胸元を掴み、寒さの震えではなく、怒りで体が震えた。

「……殺すなら、一気にやってくれ」

 命が尽きるのをひとりベッドで待つのは孤独だ。寂しくて狂いそうだった。

「ユーリ、愛してる。私が愚かだった」

 口づけひとつで命が紡がれるのがわかる。同時に紡がれない場合の恐怖も覚えた。

「こんなの二度と嫌だ! 許せないよレティ! 俺が……俺が一番嫌なことをしたんだ、許せない!」

 激しく口づけられ、早急な態度で衣服をはぎ取られながら、うつぶせに押し付けられたと思うと腰が引き上げられ、一気に熱いものが突き入れられた。

 息が止まるほどの衝撃に耐え、でもそこにレティウスがいるのだと思うと痛みさえも喜びにかわった。

「愛してる、ユーリ、愛してる……」

 耳元で囁かれる言葉はレティウスの独り言だ。ユーリに聞かせている訳ではない。想いを行為で押し付けられ、それでもユーリは悦んでしまう。

 このまま捨てられ、ひとりベッドの中で死んで行くのかと思った。
 孤独に、寂しく、誰に看取られることなく。
 こんなひどい仕打ちがあるのだと知る。レティウスの気持ちひとつで与えられるのだと知ると、レティウスが怖くなる。怖くて、でもすごく愛おしくて、すべての感情が涙と嗚咽にかわる。

 入れられたまま体勢を変えられ、グリッと内壁がこすられ、それにさえ喘ぎ、向かい合わせで抱き起され、深くつながるモノを感じた。泣きそうなレティウスの表情を見たら、もう怒りは消えていて、それを表すように、肩口に顔をうずめてレティウスを抱き締めた。
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