獣人カフェで捕まりました

サクラギ

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44 竜の飼育

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 ハーツは紘伊を優先させたけど、終わってベッドで微睡んでいたら、ドアをノックされて、ハーツは仕事に連れ戻された。

 夕方になって来ると急激に冷えて行く。昼間はシャワーを浴びたいと思うけど、夜はお風呂に入りたいと思う。両方完備されているのは、人に日本人が多いからだろう。

 いつかはこの領に住んでいる人に会ってみたいと思う。ユウやグランの親も日本人だ。竜の領で起こった事は策略だったと思うのだけど、嫉妬で毒を飲ませる演出をした族長を思うと、そういう事が実際に良くあるのかと深読みしてしまう。

 ハーツは紘伊宛のお見合いの手紙を見て不安に思っているようだが、紘伊だって同じ思いがある。

 強い獣人は子が欲しいから人を伴侶に迎える。それは他種族と子が成せないからなんだけど、恋が生まれない訳じゃない事を、この数日、獣人達の行動を見ていて気づいている。そりゃあそうだよなって思う。あんな可愛い草食獣人が側で働いているんだよ? 好きになるに決まっている。それに獅子族は愛情深い。普段は威嚇の気が体から発せられているけど、ひとたび愛情を持つと薄れるらしく、それはひとつの愛情表現らしい。なんとも分かりやすくて単純な愛情表現なのだろう。獅子族に対する愛着が湧く。

 用意されているお風呂に入りに行く。部屋付きのお風呂だけど、入る時に内鍵は絶対にしろとハーツに言われている。風呂にはいっている間に部屋に食事が運ばれている。もちろんベッドも整えられるんだけど。そういう仕事をしてくれている獣人の顔を見た事がない。ハーツに言われているんだろうなと思う。

 ここでは爬虫類の獣人を見ない。あの事件のせいで辞めさせられたとかないよね? とちょっと怖い。元々仲が悪そうだったから、面接時に取っていないかもと思わなくもないが。一部の同種族の犯行が、全種族排除に繋がると思うと怖くて仕方がない。

 だってもしどこかの人が、何かをやらかして、全部の人を排除します、なんて事になるかもしれないって事だ。

 獣人国にどれだけの人がいるかは知らない。でもユウやグランみたいに親が人って事が多いのだと思うから、そんな無謀な事にはならないと思うけど。

 そういえばハーツの親っているのだろうか。王様が兄で、弟には会った。年齢が違うから何度も出産している? っていうか一夫多妻制だった? まだまだ知らない事が多い世界だ。

 窓辺の机に籠入りの竜がいる。一応まだ生きている。ピンクの肌の鳥の雛みたいな状態で、ほんのり温かいパックに寄り添って生きている。ハーツが言うには、育てば育ったで、竜族に何らかの暗示が掛けられているとか、偵察の為に送られたとか、面倒ごとになりそうだと、育てる事に難色を示されたけど、紘伊は育てると言い張った。もし育って問題があるようなら処分すると約束はさせられたけど。竜を自分で育てられるってロマンだ。だって架空の生物だ。生態って誰が決めるんだろう? と言い出すと獣人もとなるのだけど。人の世界ではそれを全て神様に押し付けている。獣人にも神様はいるのだろうか。
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