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6 性的趣向を暴露するって恥ずかしい
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別に誰がどんな性癖を持っていたとしても、日常生活に支障が無ければ良いと思う。
でも他人はそうじゃないらしいと気づいたのが暴露した後だっていうのはどうなの? 今までが恵まれすぎだったのかな。それとも我慢ならない限界が来ていたのかも。
「女、苦手?」
夕凪に言われてバクンと心臓が打つ。マジで心臓が跳ねるってあるんだね? 胸が痛くて気が遠くなる。ああ、俺、どんな顔してる? 血の気が引いた気がするんだけど。
「あー別に良いよ、俺は気にしないし」
夕凪にバレてる。別に気にしないって言いながら距離取ってない? 微妙に椅子の背に背中預けたよね?
「なに? おまえゲイだったの?」
って背中叩かれて見上げたら蓮池だった。すげえ響いた。蓮池の声。一応、講義中の時間だから人は少ないけど、いない訳じゃない。これは知れ渡るなという恐怖感と、引いてる夕凪の態度と、面白がっている蓮池と。俺はどうしたら良いのか状況を掴み損ねている。
「紹介しようか?」
って、蓮池の後ろから五條の声がして——消えたいと思った。
「別にいらない。そういうのお節介だろ?」
俺の左右に蓮池と五條が座り、夕凪はこれ幸いという感じで席を立った。友人をひとり無くした瞬間だと思う。夕凪はいいヤツだ。顔面偏差値同じくらいだと勝手に失礼なことを思っていたの謝るよ。世間的にノーマルな夕凪は俺より数段優位にいる。彼女持ちがプラスされてさらに優位に。
「だから飲み会逃げたのか?」
五條が苦笑いしている。
「安心しろ樋口、俺もイケる」
と蓮池。は? おまえ複数の女と付き合ってるんじゃないの? さらに男まで? どこまでバイタリティがあるんだよ。
「俺は気にしないけど、なるほどな、女避けてる気はしてたよ」
五條、できれば気にして欲しかった。気にして、夕凪のように逃げてくれた方がスッキリした。中途半端に受け入れられる方が辛い。
「でもさぁ、マジでわかんなかったし。潔癖だと思ってたくらいで、まさかお前がなぁ、っていうか経験は? 相手いるの?」
完全に面白がっている蓮池に問い詰められる。でも特殊な状況を話すほどの信用はなくて、誤魔化す一択だと笑った。
「別にゲイじゃねえよ? ただ前の女の子がトラウマになってるだけ」
「トラウマ?」
そこまで聞く? 蓮池、ワクワク感が伝わってるけど。
「大人しい子だったのに乗られて幻滅したっていうか」
「マジで? ご褒美じゃん、それ。俺に紹介してよ」
蓮池、軽すぎる。
「樋口はそういうの、ダメそうだよな」
「うん、思いっきり引いたよね」
と誤魔化してみる。
「あーじゃあゲイじゃないじゃん。夕凪誤解したと思うよ?」
蓮池は良い意味でも軽い。
「あーでも良いよ。そっちもどうかな? とか思う所あるし」
ちらっと五條を見たけど、その真意は分からない。ノーマルなんだろうな。友達が多いから、その手の友達がいても驚かないし、公平な態度の五條の方が想像通りだ。五條っていう人物像があって、五條っていう芯が通っている感じ? それは俺の中の勝手に作り上げた五條像なんだけど、きっと想像通りなんだろうな。
でも他人はそうじゃないらしいと気づいたのが暴露した後だっていうのはどうなの? 今までが恵まれすぎだったのかな。それとも我慢ならない限界が来ていたのかも。
「女、苦手?」
夕凪に言われてバクンと心臓が打つ。マジで心臓が跳ねるってあるんだね? 胸が痛くて気が遠くなる。ああ、俺、どんな顔してる? 血の気が引いた気がするんだけど。
「あー別に良いよ、俺は気にしないし」
夕凪にバレてる。別に気にしないって言いながら距離取ってない? 微妙に椅子の背に背中預けたよね?
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「別にいらない。そういうのお節介だろ?」
俺の左右に蓮池と五條が座り、夕凪はこれ幸いという感じで席を立った。友人をひとり無くした瞬間だと思う。夕凪はいいヤツだ。顔面偏差値同じくらいだと勝手に失礼なことを思っていたの謝るよ。世間的にノーマルな夕凪は俺より数段優位にいる。彼女持ちがプラスされてさらに優位に。
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「俺は気にしないけど、なるほどな、女避けてる気はしてたよ」
五條、できれば気にして欲しかった。気にして、夕凪のように逃げてくれた方がスッキリした。中途半端に受け入れられる方が辛い。
「でもさぁ、マジでわかんなかったし。潔癖だと思ってたくらいで、まさかお前がなぁ、っていうか経験は? 相手いるの?」
完全に面白がっている蓮池に問い詰められる。でも特殊な状況を話すほどの信用はなくて、誤魔化す一択だと笑った。
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