性癖って性格と同じだけ異なると思うんだけど俺に合う相手っている?

サクラギ

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22 同じ行為の中の違い

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 いっそ無理矢理にでも誘われたら、言い訳も浮かばないうちから落とされて、引き返せない場所にいる。そういうのはきっととても都合が良い状況なんだ。

 1週間、溜めていたのだと気づいたのは、痛いくらいに張り詰めているからだ。普通はさ、どれくらいの間隔で抜くの? 俺は体がダルく思えるくらいだから2週に1度くらい? この歳で夢精は嫌だからヌク程度の処理感覚だ。でも今は違う。ハルの手の中で震えているアレは、間違いなく性的な欲求を主張している。

「気分じゃない?」

 ハルの言葉にハッとする。局部は反応をしているのに、気持ちはまるで傍観者だ。ハルが気にして見ていた事にも気づかなかった。

「どうしてもこういう行為に夢中になれない、ごめん」

 欲の無い俺相手にハルも気を散らしている。湯船に浸かってハルに背を預ける形になる。ハルの手が優しく髪を摘んだり、頬を撫でたり遊んでいる。

「ユウキがこういう事、得意じゃないのを知っていて誘ってるから、気にしなくて良いよ。ゆっくり慣れてくれたら嬉しいかな」

「負担じゃない?」

 俺がその気になれるまで待つより、別の相手を探した方が早い。俺と付き合う利点なんか思いつかない。

「負担? なんで? ユウキがどうやったら興奮してくれるか考えてるよ。っていうか性急だったって反省してるんだよ。それに謝るのは俺の方。ユウキがお泊まりの用意をして来てくれて、俺の服まで着てくれてるの見たら浮かれちゃった」

「うん、俺も」

 来た事に、着て来た服に喜んでくれた事がわかって嬉しく思った。そういう態度で迎えてくれて、流れで行為に移る過程に惹かれたのに、そのまま飲まれてしまえば良いのに。変に考えてしまった。

「浮かれた?」

「うん、流されてしまおうと思うくらいには」

 振り返ってキスをする。舌が触れて、絡め合う。ハルが好きだと思う。ゆっくり受け入れてくれる雰囲気とか、合わせてくれていると分かる態度とか。爽やかなのに、こういう行為には熱く返して来る所とか。触れる手が優しいとか。

「目を閉じて、何も考えずに、気持ち良いの、追って」

「ん、ッ——」

 立たされて、熱い口内に迎え入れられて、舐められ、吸われる。巧みな舌使いと濡れて吸引される感覚に溺れる。後ろに指が入り、開かれる感覚に怯えながら、翻弄される。

「ああっ、もう、やぁッ——ああッ」

 中の一部を押さえられ、息を飲む。何度も擦られて、射精感が増す。ハルの口の中に? ゾクッとする。ハルを見下ろすと、目が合い、見た事を咎められる表情をされて、またゾクゾクする。イケナイ事をしている、させているという快楽に押し上げられて、ハルの口内に深く突き入れて、弾けた。

「ごめ、ああッ、んんんッ」

 残滓までハルの口内に絞り出して、荒い息を吐きながら、膝を落とし、ハルに支えられた。後ろを向かされて、太ももに力を入れる。ハルが耳元で荒い息を吐いている。その息遣いにゾクゾクして、小さく漏れる喘ぎにまた性器に熱が溜まって行く。

「ハル、ハル——」

 何度もハルの名を呼んで、ハルの熱と摩擦で扱かれて、ハルのと同時に弾けた。太ももを伝い、俺とハルの残滓が流れて湯船に落ちる。卑猥だった。卑猥で頭が痺れる。もっと欲しくて振り返り、ハルに手を伸ばしたら、腕を掴まれて湯船から出されて、シャワーを浴びせられた。ハルを見れば焦っている。きっと俺の気分が悪くなるのを思い出したのだろう。でも全然大丈夫で、それよりもハルと離れていたくなくて、ハルにキスをした。
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