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番外編 Lillyでの実証 3 (完)

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※ユウキ視点

◇◇◇

 Lillyから帰るのにタクシーを使うのハルは当たり前に思ってる。今は一緒に暮らしているから、ハルの家からさらに帰る事はないのだけど。

「検証になったと思う?」

 お風呂を済ませて寝るばかりにして、ハルの布団に入っている。俺の部屋は別にあり、元お兄さんの部屋なんだけど、そこにお兄さんが置いて行ったベッドがあって、今は俺が使ってるんだけど。ほとんど使っていない実情がある。だってハルがいるんだよ? 別で寝るとか寂しすぎる。っていうか、ハルが泊まり研修でもハルのベッドで寝るんだけどね。

「なってない?」

「検証必要ないって思ったよ?」

「なんで?」

「だってああいう店って合わないし。もし行く理由があるとしたら、ハルの彼氏ですって自慢したいな~ってくらい?」

 そう言ったらハルに抱きつかれた。グルンってされて、ハルの上に乗ってる。

「ユウキ可愛い。じゃあさ、飲みに行くの禁止にして良い? 特にゲイバーは禁止。その手の公園とか駅構内とか、教えるから近づかないって約束できる?」

「心配性すぎ。初めから行く訳ないし。五條とかと飲みには行くからね、あと大学のそれ以外の集まりとか。女の子いても行くよ?」

 話しながらハルにキスをする。ハルの上から下りて、ハルの胸に頬を寄せる。ハルの腕に包まるのも好き。

「心配だけど、信じるよ。でも行き先と帰る時間は連絡して? 本当に、ずっとこうして抱えてたいくらいなんだから」

 ハルが可愛い。ツムジにキスされて、髪をくしゃくしゃにされた。

「リュウが俺がハルの彼氏でよかったって言ってくれて、嬉しかった。ハルを知ってる人だからよけいに」

「口説かれなかった?」

 ハルがじーっと見て来る。思わず笑った。

「ないよ。初めからハルの友達って名乗ってたよ? 誘われそうになってたの、追っ払ってくれたし」

「誘われてる」

 怒られても困る。そう仕向けたのはハルだ。

「俺、断り方も分からないから、すごく困って、ああ言う場所苦手だと思った。二度と行きたくない」

 怒って見て来るハルをじーっと見る。至近距離で見つめ合うと、キスしたくなる。

「でも、ハルとなら、二階、行っても良いよ」

 キスしたいって思いながら言ったら、ハルがたまらないって抱きしめてキスしてくれた。あ、でも失敗した。明日は夕凪と出かける予定なのに、この雰囲気はヤル方向になるヤツだ。でも嬉しいから厄介で。付き合って2年も経つのに、会えば抱き合う日々。幸せで怖くなる。


おわり

◇◇◇

ありがとうございました。

新作同時に載せます。
またお読みいただけたら嬉しいです。
次作はBL現代ファンタジーです。
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