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始まり
6.わかったよ
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それまでの疲れなんてふっとび、水を体にかけて全力でクサビばあちゃんの家に走る。
街の中に入ると、もう襲撃が終わっているのだろう、切られて倒れている街の人間以外誰もいなかった。
ばあちゃんの家の扉は開いていた。「ばあちゃん!アーヤ!どこだ!」手当たり次第に部屋の中を探し回る。1番奥の部屋に、ばあちゃんと抱きしめられているアーヤの姿を見つけた!
ばあちゃんの背中には矢が刺さっている
「ばあちゃん! しっかりしろ! 何があった!?」
「お、遅かったじゃないか。魔獣に襲われて死んだかと思ったよ、、」
「こんな時に冗談言ってる場合か!さ、ここから出るぞ!」
「アーヤは気絶しているだけだ、無事だよ。私は急所をやられちまってる。アーヤを連れて逃げろ、お金はアーヤに持たせてある、、」
「何言ってんだよお!まだあんたに聞きたいことが山ほどあるんだ!」
「無茶を言うんじゃない、2人を抱えては厳しいだろう。アーヤだけならおまえさんでもなんとかなる、この子を守れただけで死ぬ意味があったってもんだ。この子を頼んだよ」気を失ったアーヤを俺に預ける。
「いいかい?人を諦めたらだめ、だ。きっと手を貸してくれる人がいる、、から。 おまえさんなら大丈夫だ、強く、生き、、て」ばあちゃんの手から力が抜ける
「ばあちゃああん!!!あああああああ!!!!」思いっきり叫ぶ、声にならない何かを吐き出すように。アーヤを抱きかかえながら全力で走る。その後の記憶は無い、気づいたら荷車のところまで来ていた。どうやら生きて街を出られたらしい。
アーヤを荷車に寝かせる。
「ばあちゃん、ばあちゃん、、」涙が溢れる。この3日間、ほとんど寝ていたから実質数時間しか世話になっていないが、俺にとってあまりにも大きな存在になっていた。
ひとしきり泣く。ふと荷車で寝ているアーヤが目に入る。
今まで一人ぼっちだった。誰にも頼らなかった、誰にも頼られなかった、何も期待しなかった、何も期待されなかった。新宿を歩いていると、ここで俺が死んでも誰にも気づかれることなく、何事もなかったかのように社会が回っていくんだろうなとか思ったりした。
でも今は違う
託された、願われた。
やってくれるだろうという期待ではない。最後に、単純に自分の思いのひとかけらを繋いだのだ。
『物事には必ず理由がある』
『この子を頼んだよ』ばあちゃんの言葉を思い出す。
「わかったよ」
見つけてやろうじゃねぇか、俺がここに来た理由ってやつを。そしてアーヤを、託されたあんたの思いを守ってみせる、こんどこそ。
正直、この世界の事なんてこれっぽっちもわからない。でもなんとかするしかない、幸い今の俺は1人じゃない。
荷車に手をかける
まずは集落に戻って、目を覚ましたアーヤから話を聞こう。
星空を見上げながら歩き出した。
街の中に入ると、もう襲撃が終わっているのだろう、切られて倒れている街の人間以外誰もいなかった。
ばあちゃんの家の扉は開いていた。「ばあちゃん!アーヤ!どこだ!」手当たり次第に部屋の中を探し回る。1番奥の部屋に、ばあちゃんと抱きしめられているアーヤの姿を見つけた!
ばあちゃんの背中には矢が刺さっている
「ばあちゃん! しっかりしろ! 何があった!?」
「お、遅かったじゃないか。魔獣に襲われて死んだかと思ったよ、、」
「こんな時に冗談言ってる場合か!さ、ここから出るぞ!」
「アーヤは気絶しているだけだ、無事だよ。私は急所をやられちまってる。アーヤを連れて逃げろ、お金はアーヤに持たせてある、、」
「何言ってんだよお!まだあんたに聞きたいことが山ほどあるんだ!」
「無茶を言うんじゃない、2人を抱えては厳しいだろう。アーヤだけならおまえさんでもなんとかなる、この子を守れただけで死ぬ意味があったってもんだ。この子を頼んだよ」気を失ったアーヤを俺に預ける。
「いいかい?人を諦めたらだめ、だ。きっと手を貸してくれる人がいる、、から。 おまえさんなら大丈夫だ、強く、生き、、て」ばあちゃんの手から力が抜ける
「ばあちゃああん!!!あああああああ!!!!」思いっきり叫ぶ、声にならない何かを吐き出すように。アーヤを抱きかかえながら全力で走る。その後の記憶は無い、気づいたら荷車のところまで来ていた。どうやら生きて街を出られたらしい。
アーヤを荷車に寝かせる。
「ばあちゃん、ばあちゃん、、」涙が溢れる。この3日間、ほとんど寝ていたから実質数時間しか世話になっていないが、俺にとってあまりにも大きな存在になっていた。
ひとしきり泣く。ふと荷車で寝ているアーヤが目に入る。
今まで一人ぼっちだった。誰にも頼らなかった、誰にも頼られなかった、何も期待しなかった、何も期待されなかった。新宿を歩いていると、ここで俺が死んでも誰にも気づかれることなく、何事もなかったかのように社会が回っていくんだろうなとか思ったりした。
でも今は違う
託された、願われた。
やってくれるだろうという期待ではない。最後に、単純に自分の思いのひとかけらを繋いだのだ。
『物事には必ず理由がある』
『この子を頼んだよ』ばあちゃんの言葉を思い出す。
「わかったよ」
見つけてやろうじゃねぇか、俺がここに来た理由ってやつを。そしてアーヤを、託されたあんたの思いを守ってみせる、こんどこそ。
正直、この世界の事なんてこれっぽっちもわからない。でもなんとかするしかない、幸い今の俺は1人じゃない。
荷車に手をかける
まずは集落に戻って、目を覚ましたアーヤから話を聞こう。
星空を見上げながら歩き出した。
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