あの~、ちょっといいですか?

佐土原いづる

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それぞれの戦い編

アーヤの戦い、その5

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「うわあああ!!」

どれくらいかわからないくらい泣いた。泣いたというより、叫んだ

どうしてこんな大切な事を忘れてしまったんだろう

クサビおばあちゃん、、ありがとう・・・。私を助けてくれて、愛してくれて。おばあちゃんはエンシの事、何か知ってたんでしょ?本当はもっと話を聞きたかったけど、何とかやってみる!

今までの記憶、自分と向き合ってわかったことがある。それは、私はこんなに何かに向かっていける女ではなかったということ。記憶を無くしてなかったら、エンシを支えるためにあんなにがんばれなかったかもしれない。とりあえず、そう思うことにした。

「どうやら、思い出したみたいね」ジャスミンが尋ねる

「えぇ」

「!?」

私も含めみんなが驚いた表情をしている

「声が、、出た!!」

「どう? 辛かったでしょう?」

「まぁ。でも、思い出して良かった!大切な事がわかったから、、」

「街に入った途端、自分の世界に入っちまって。心配したよ」

「何度も苦しむアーヤに声をかけようとしたのよ~」ジャスミンが茶化す

「そりゃあそうだろう! でも、アーヤなら大丈夫だってジャスに邪魔され続けたけど!」

「ありがとうレーナ。でも大丈夫。私、乗り越えられたから。この部屋の奥に、たぶんエンシに必要な何かがあると思う。でも、たぶん私たちが見ても意味がわかるものではないから、エンシを助けた後またここに戻ってきましょう。」

「そうなの? わかった、とりあえずアーヤの記憶が戻って良かった」

4人で喜び合いながら外に出ると突然

グルルル!

周りを見渡すとヴルフが4匹、私たちを囲んでいる

「野獣が集まるとは聞いていたけど!」

「4匹はなかなか大変ね、、」険しい顔のレーナ。

「ジャス!アーヤ!タビ! ゆっくり後ずさりながら、隙をみて逃げろ!」

「俺も男です! こんな奴らに負けませんよ!」タビさんとレーナが前に出る。でも野獣は逃げるものを追う習性がある。無暗に飛び出すのは危険だ!



ヒュッ! トン!!

!?

気がつくとヴルフの1匹の脳天に矢が突き刺さっている

「何!?」レーナが叫ぶ

仲間の死に、残りのヴルフが一斉に飛び掛かってきた!奴らの方が動き出しが早い

!!!

「ほぉら、、よ!!」

上から大きな影が落ちてくる

ドン!!

大きな地響きが鳴る。たちまち3匹のヴルフが吹っ飛んだ

「姉ちゃんら大丈夫かい?」大男がこっちを振り向く

「オーノさん!!」

シュシュ!

後ろのもう1人がもがいているヴルフにとどめのナイフを突き刺す。見事な連携でいとも簡単に4匹の野獣を片づけてしまった

「お? 嬢ちゃんチスタで会った、、声が出るのか?」

「そうなんです! 助けていただいてありがとうございます!」

「そりゃあ、あんな大声出してりゃ気づくだろうさ」オーノさんも少し戸惑っている

「ちょっと、自分と戦っていたもので・・・」ということにしといて!

「この方々、アーヤの言ってた?」ジャスミンが聞く

「そう、狩人の方々です!」

「なんだい? 俺たちになんか用かい? そういえばぁ、あの時のあんちゃんはどうした?」

「そうなんです」今までの話をした

「なにぃ? あのあんちゃんすごい奴だったのか?災いをもたらす者が捕まったって話は聞いてたが、そんなことになってたなんてよぉ」

「はい。でも、このままだとあと数日で処刑されてしまうんです。お願いです!どうか私たちに力を貸してください!」

「あぁ、いいぜ! なぁお前ら!」

「俺らも帝国のやる事には腹が立ってたんだ、協力するよ」

「ここらの野獣もましになった。今回は嬢ちゃんの大声に集まっちまったが、基本的に他の連中に任せても問題はねぇはずだ。」

はぁ、良かった。これでエンシを助けられる可能性が上がった。もっと難航すると思ってたけど、彼らの性格もこの話に向いてたわね

「んで、今からどうするんだ?」

「このまま帝都に向かいます。帝国の占い師と王の側近の方がエンシの味方になってくれています、彼らと協力します」

「たぶん私たちは外を混乱させて帝国兵を引きつけるのが役目かと」ジャスミンも加わる

「なるほど、外でどんちゃんやるのは得意だぜ!はは!」オーノさんやたら乗り気だわ(笑)

「遅くなりました、こちらが医者のジャスミン、こっちが船乗りをやっているレーナ、人力車の運転手のタビさんです」

「さっきは助かった、ありがとう」レーナさんが軽く会釈する

「戦いは苦手っすけど、体力だけは自信あります!よろしくです!」タビさんは相変わらず体力押しね

「おう!よろしくな! こっちは弓使いのカズナでこっちが短剣が得意のレオス。俺が大剣のオーノだ!戦いは任せとけ!」

相手は強大だけど、今なら負ける気がしない。別に帝国兵を全滅させないといけないわけじゃないし、エンシを助けるだけなら!

「時間が無いわ、話しながらでもいいから帝都に向けて出発しましょう」ここぞというときにジャスミンが締めてくれる

「でも、向こうとどうやって連絡取るってんだぃ?」

「たぶん、占い師が私たちの動向を把握してるはずだわ。間もなく手紙が届くと思うから、楽しみにしててね!」

「嬢ちゃん元気だな!」

こうしてパーティが7人になった。個性豊かなメンバーだけど、なんとかなると信じて帝都へ歩き出した

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