上 下
43 / 47
試練編

大切なもの

しおりを挟む
奴の言葉を思い出せだぁ?

あいつに言われたことなんて馬鹿にされてることくらいしか覚えがないんですけど!!

つーか、最後の石はなんなんだ!



「もう終わりか? 仲間の力を借りても私が倒せないのか?」

「くそ! 口の減らねぇやつだ!」

「もう飽きてきた。そろそろ終わりにしよう」

そう言うとやつは両手を掲げ、特大のエネルギー弾を作り始めた

「やべぇ、あんなん落とされたらこのフィールド吹っ飛んじまう!」

「おい! 今のうちだ!突っ込め!」

聖獣に呼びかけ、あいつに突っ込む

「おらぁ!!」

剣を思いっきり突き刺す

「痛くないんですけど。」

「まじかよ!」

どうする?どうする!?




うん?




まさか!

藍色の石を取り出す

「たのむーー!!!!」

石を思い切りやつに押し込んだ


パン!!



「もう。気づくのが遅いよ」

やつの大きな体が光の粒となって離散し、その小さな体を抱きしめる

「無茶言うんじゃない! あんなきっつい攻撃ばっかして!」

「だって、試練だから!」

「ケンカはこれで最後にして欲しいもんだ」

「私は信じてたけど」

「そりゃどうも!」

「私は本物じゃないけれど、断る時に添い遂げるって言われて嬉しかった」

「散々死ね!って言われたんだけど!」

「ふふっ。私は試練だから、本物は絶対そんなこと言わないわよ。でも、」

「でも?」

「あなたはこれからもっと辛い戦いをしなければならない。傷ついて欲しくないって言ったのは本当だよ」

「俺を救世主にすることが仕事でしょうに」

「あなた1人に背負わせなくても災厄は封印できるもの」

「まぁ、いいや。ありがとうと言っておくよ」

「・・・・」

「じゃあ、俺もそろそろ行くわ。時間が無いんだろ?」

「がんばって」

「なぁに言ってんだ! 見ただろ?俺には仲間がいる。」

「そうね」




なるほどな

まさか最大の敵が1番大切にしているものだなんて

まぁ、本物ではないんだけどね

でもなんとかなって良かった



世界がチリとなって消えていく

「お前もありがとうな」

聖獣の頭を撫でる

「ずっと聖獣と呼び続けるのも距離があるよなぁ」

「これからお前はミライにしよう」

ミライは嬉しそうに鳴いて消えていった

意識が遠のいていく


※いつも見ていただいてありがとうございます。プライベートがごたごたしておりまして、中身が薄いなと思いつつかなり巻きで進めております。ここで筆を止めてしまうと2度と再開できないような気がするので、終わりまで突っ走りたいと思います。よろしくお願いします。

しおりを挟む

処理中です...