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救世主編
リベンジを誓って
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試練の祠に着いた俺はアーヤと共に中に入った
「エンシ、真っ暗で何も見えない・・・」
「大丈夫だ。俺には見えてるから」
2人の足音しか聞こえない
広い空間に出ると、祭壇のようなものが見える。初めて来た時は何も見えなかったし、試練が終わってからはすぐに飛び出してしまったからよく見てないけれど、俺が試練を受けたのはこの場所のはずだ
「なぁ。まだいるんだろう?」
『ずいぶんやれらたじゃないか』
「エンシ、この声は?」
「俺が試練の時に大層世話になったやつだよ」
『うん? その娘にも聞こえているのか?』
「えぇ、聞こえているわ」
「ということは、普通の人にはおまえの声は聞こえないのか?」
『当たり前だ。そもそも普通の人間にはここに入ることすらできないんだからな』
「何? 私には聞こえないはずなの?」
「そうみたいだ」
「それはそうと、おまえは相変わらず姿を見せないんだな」
『今の私は思念体のようなものだ。姿はない』
『うん? 君は・・・』
「アーヤがどうかしたのか?」
『なるほど。そういうことか』
「やっぱり、アーヤも俺たちに何か関係があるということか?」
『あぁ。簡単に言えばそういうことだ』
「エンシ、どういうこと?」
「アーヤはたぶん俺と出会う運命だったということだよ」
「よくわからないんだけど、、」
「試練さんよ。すまん、ボコボコにされたわ」
『そのようだな』
「このままじゃ絶対に勝てない、残念だがもう一つの方法について詳しく聞きたいんだ」
『でも、それにしてはこのまま終わる気はさらさらなさそうな顔だな』
「当たり前だ」
『いいだろう。とは言ってもそんな長い話ではない。この世界のエネルギーを吸い取り、災厄を葬り去る。それだけだ』
「なるほど。エネルギーを吸いとるのにこの世界が滅び、吸い取られた後の世界は人が生きていくのが難しいという事だな?」
『あぁ』
「エンシ?」
「言ってなかったな。俺が救世主としてあいつを倒すのとは別に、この世界を滅ぼすかわりにあいつを倒す方法があるんだ」
「それは大きい話ね・・・」
「率直な感想ありがとう。そうだよな、実際」
「ちょっと質問したいんだけど」
『なんだ?』
「俺をこの世界に呼んだときはどうしたんだ?」
『この祠が長い年月をかけて蓄積したエネルギーを使った』
「それは世界のエネルギーと同じものか?」
『そうだ』
「そっか・・・」
「どうしたの?」
「俺を、約束が交わされた時代まで飛ばしてくれ」
『飛ばしてどうする?』
「もっと力をつける。今の俺は救世主のことについてなにも知らない。そして、今この世界に残されている情報を探している時間は無い・・・」
「でも、このまま終わりたくねぇ、、!」
アーヤが俺を掴む力が強くなる
『この祠にはお前を飛ばすためのエネルギーは残っていないぞ』
「俺のを使う。今の俺にはそれくらいしかできない、運賃くらい自分で払うよ」
「エンシ。また辛い目に合うの?」
「まぁ、みんなを見殺しにしてしまうよりは1万倍ましかな。俺はまだまだアーヤと楽しいことしたいぞ」
「・・・・・」
「必ず戻ってくる。なんなら、アーヤ的には行ってすぐ戻って来たように見えるはず」
「私のも使って」
「私のって?」
「その、エネルギー? 私からも持って行って」
『その子のエネルギーなら大丈夫だ』
「いいのか?」
「うん」
「ありがとう」
『急いで損はない。やろう』
「行ってくる」
「がんばって。未来のために」
口づけを交わす
祭壇が光りだす
ものすごい倦怠感が襲ってくる
体に力が入らなくなって、立っていられなくなる
アーヤがキスをしたまま抱きかかえてくれる
キスの感覚がなくなった
「エンシ、真っ暗で何も見えない・・・」
「大丈夫だ。俺には見えてるから」
2人の足音しか聞こえない
広い空間に出ると、祭壇のようなものが見える。初めて来た時は何も見えなかったし、試練が終わってからはすぐに飛び出してしまったからよく見てないけれど、俺が試練を受けたのはこの場所のはずだ
「なぁ。まだいるんだろう?」
『ずいぶんやれらたじゃないか』
「エンシ、この声は?」
「俺が試練の時に大層世話になったやつだよ」
『うん? その娘にも聞こえているのか?』
「えぇ、聞こえているわ」
「ということは、普通の人にはおまえの声は聞こえないのか?」
『当たり前だ。そもそも普通の人間にはここに入ることすらできないんだからな』
「何? 私には聞こえないはずなの?」
「そうみたいだ」
「それはそうと、おまえは相変わらず姿を見せないんだな」
『今の私は思念体のようなものだ。姿はない』
『うん? 君は・・・』
「アーヤがどうかしたのか?」
『なるほど。そういうことか』
「やっぱり、アーヤも俺たちに何か関係があるということか?」
『あぁ。簡単に言えばそういうことだ』
「エンシ、どういうこと?」
「アーヤはたぶん俺と出会う運命だったということだよ」
「よくわからないんだけど、、」
「試練さんよ。すまん、ボコボコにされたわ」
『そのようだな』
「このままじゃ絶対に勝てない、残念だがもう一つの方法について詳しく聞きたいんだ」
『でも、それにしてはこのまま終わる気はさらさらなさそうな顔だな』
「当たり前だ」
『いいだろう。とは言ってもそんな長い話ではない。この世界のエネルギーを吸い取り、災厄を葬り去る。それだけだ』
「なるほど。エネルギーを吸いとるのにこの世界が滅び、吸い取られた後の世界は人が生きていくのが難しいという事だな?」
『あぁ』
「エンシ?」
「言ってなかったな。俺が救世主としてあいつを倒すのとは別に、この世界を滅ぼすかわりにあいつを倒す方法があるんだ」
「それは大きい話ね・・・」
「率直な感想ありがとう。そうだよな、実際」
「ちょっと質問したいんだけど」
『なんだ?』
「俺をこの世界に呼んだときはどうしたんだ?」
『この祠が長い年月をかけて蓄積したエネルギーを使った』
「それは世界のエネルギーと同じものか?」
『そうだ』
「そっか・・・」
「どうしたの?」
「俺を、約束が交わされた時代まで飛ばしてくれ」
『飛ばしてどうする?』
「もっと力をつける。今の俺は救世主のことについてなにも知らない。そして、今この世界に残されている情報を探している時間は無い・・・」
「でも、このまま終わりたくねぇ、、!」
アーヤが俺を掴む力が強くなる
『この祠にはお前を飛ばすためのエネルギーは残っていないぞ』
「俺のを使う。今の俺にはそれくらいしかできない、運賃くらい自分で払うよ」
「エンシ。また辛い目に合うの?」
「まぁ、みんなを見殺しにしてしまうよりは1万倍ましかな。俺はまだまだアーヤと楽しいことしたいぞ」
「・・・・・」
「必ず戻ってくる。なんなら、アーヤ的には行ってすぐ戻って来たように見えるはず」
「私のも使って」
「私のって?」
「その、エネルギー? 私からも持って行って」
『その子のエネルギーなら大丈夫だ』
「いいのか?」
「うん」
「ありがとう」
『急いで損はない。やろう』
「行ってくる」
「がんばって。未来のために」
口づけを交わす
祭壇が光りだす
ものすごい倦怠感が襲ってくる
体に力が入らなくなって、立っていられなくなる
アーヤがキスをしたまま抱きかかえてくれる
キスの感覚がなくなった
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