俺のモテ期がなんか思ってたのと違う

佐土原いづる

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7話

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とある教室

「おいあらた~、勉強教えてくれよー」もぐもぐ

昇は相変わらず何かを食べている、よく太らないな…。

「俺も自分のがあんだよ」

「来週の模試なんとかしないと小遣い減らされちまうよ~」

昇が情けない声で話しかけてくる。

「でも、これを乗り越えたら文化祭に球技大会、1年の中でもビッグイベントが待ってるよ♪」

「お。ユイも来たのか」

「新くんも自然にユイって呼んでくれるようになったね♪」

「そう呼ばないと怖い顔するからだろ?」

「へへー、まぁそうなんだけど♪ 3年後には超絶美少女になってるからね!」

「3年後は少女じゃねーけど…」

「の・ぼ・る・くん♪」

「ひぃー!!」

「もう、そういうデリカシーの無いこと言ってるとモテないよ! それよりさ、模試に備えて勉強会しようよ!」

「勉強会という名のおしゃべり会だろ…」

「違うよ! もう高2の夏だよ! そろそろ受験に向けて勉強しなきゃ♪」

「でも、場所はどうするんだ?」

「うーん…そうだ!近くの図書館にしようよ! 勉強会用の会議室予約しておくから♪」

「それは妙案だ!」もぐ!

最近の図書館は本だけでなく、自習用に机が並べられているスペースに、10人くらいで使用できるホワイトボード付きの会議室風な部屋まで用意されている。

今は有料で自習用のスペースを用意しているところもあるくらいで、そういう空間の需要は高い。喫茶店や飲食店は周りのお客さんが気になるし、長い時間席を独占することは好ましくない。

さすがに他の人が利用しているスペースで声を出すのは問題があるため、ユイは部屋を予約してくれるのだそうだ。

「俺も親に言って時間作ってもらう!」

「じゃあ決まりだな」

「やったー♪」

「他に誰か呼ぶか? 俺は別にこの3人でもいいけど、あらたはまだ話したことないやつたくさんいるんじゃないのか?」

「まぁ、そうだけどー。あまり人が増えても支障が出るかもしれないし、俺は誰とでもすぐ仲良くなれるタイプじゃないから…」

「じゃあ僕が新くんでも大丈夫そうな子に声かけとくよ♪」

「そんな事できるのか!?」

「初対面でもガツガツしてない、人と距離感がうまく取れそうな子を呼べばいいんでしょ? 任せてよ!」

「すごい…。素直に尊敬する」

「へへー♪ こういう事しかできないからさ! 勉強教えてね♪」

ユイの笑顔が眩しい。正直、女の子だったら好きになってるかも…。人見知りの俺からするとユイのやっていることは神業のようだ、俺もできることで協力しよう。

-------------------------------------------------------------------------------------

時は夜、家に帰って勉強していたのだがジュースが切れてしまい、気分転換がてらコンビニに買い物に来た。

ジュース以外にも商品を見ていると、雑誌のコーナーに雛菊 鞠がでかでかと表紙を飾っているものが目に入る。
どうやらこの前のコンサートのハイライトとインタビューが載っているらしい。

店の中も当たり前のように曲が流れている。

声はもちろん大好きだけどさすが歌姫、めっちゃかわいい。直接会ったことはないけれど、普段からこんなんだったらとんでもないぞ。

その雑誌をちょっとペラペラ見た後、ジュースとちょっとしたお菓子を買い外に出ると、いつの間にか雨が降っていた。しかもけっこう強い。

「うわぁ、これは来てるな」コンビニの中に戻り、傘を買う。いつ止むかわからないのにこんな所で時間を浪費するのは好きじゃない、ただでさえ模試の前だというのに。

改めて外に出て横を見ると。コンビニのちょっとした屋根に身を寄せて立っている女性が目に入った。
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