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異世界っぽい現実のような夢 第3章
B-3
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図書館でのデジャヴ以来、俺の頭の中にある疑いがよぎるようになってきた。
もしかしたら今の俺又はデジャヴの時に出てくる記憶は夢なんじゃないんだろうか。根拠といえるようなものはほとんどないに等しいのだが、なんとなくそう考えると合点がいく。
今の俺かデジャヴの時に出てくる俺のどちらかは、もう一方の俺が見ている夢ってことだ。
おぉ。俺が西田の影響を受けて中二病になっちまったと考えるよりよっぽどわかりやすく納得のいく説明だろう。
どちらかが夢を見ているということはもしかしたら今の俺が夢の中ってことかもしれない……。
できればデジャヴを感じる方が夢であってほしいものだ。
転校してきた望月愛果って少女や図書館で出会った立花咲夜って少女が実は魔法少女で何故かは知ったこっちゃねえが俺がなんだかよく分からん連中に命を狙われているなんてことがもしも現実だったらと思うと……おおこわい。
こんなに俺が余裕をぶっかましていられるのも、魔法少女とかが出てくる世界が夢だと思って疑わなかったからだ。
魔法? それを使うことができるとかいう魔法少女? そんなのいるわけねぇ。なんでこの21世紀の科学が進歩しまくった時代にいまさら魔法なんだよ。なんで今まで魔法とやらが人類に使えないのか知りたいね。
ついでに言うと、なんで魔法使い的な役割で出てるヤツらがみんな少女なんだ?
ツッコミどころが満載の夢を見るようになっちまったらしい俺だが、結局それって俺の深層心理は中二病ってことにならないか? それはけっこうまずい気がする。
つまり西田のアホが俺にも感染しちまってるってことになってしまい、俺の気休めは無駄になってしまったというわけだ。おのれ西田。許すまじ西田。
そんな感じのことを思いながら過ごした週末はあっという間に過ぎてしまい俺のダラダラライフは終了してしまった。
あれ以来望月愛果と立花咲夜のことについて考えてみるとデジャヴを感じる程度で新しくデジャヴ的記憶が俺を襲撃したわけではなかった。
まだ魔法少女の人数が足りないような気がするが気のせいということで忘れておこう。この俺の夢と思われるデジャヴに詮索しても無駄に決まってる。徒労だ。
実は同じマンションに立花と俺と望月が住んでいることが分かり、近所付き合い兼学校の友達作り的な意味合い(とか考えているのは俺だけなんだろうけど)を始めて仲良くなった俺たちは休み時間になったらしょっちゅうおしゃべりするような仲にまで発展していた。
西田の目が恐ろしい。こっちを見てくる度にものすごい形相で睨んでくるのだがどうすればいいのだろうか。誰か名案が思い浮かんだら是非とも俺に教えていただきたい。
「ねぇねぇマスターっ! 1年3組に行かない? 」
ある日、望月が俺の腕を引っ張って1年3組の教室に連れていった。……というか連行された気分なんだが。3組の教室に行くかどうかを1度俺に聞いてきたのは別にいいんだが返事を言わさずに引っ張っていくなよ……。
望月は何故か3組の教室をスルーして8組の教室に向かった。
そこにはまるでずっとタイミングを伺っていたかのようなで教室から出てきた立花と出会った。
「私も、望月さんに『来い』と言われた」
事情を聞いてみると全く興味なんてなさそうに無表情で無感情なセリフが返ってきた。
俺は図書館の件以来立花とよく行動する時があるのだが、今だにこの無表情の扱いに困っている。会話を交わそうとしても「そう」とか「違う」くらいしか返事されず俺も返答に困るのだ。
たまに喋ったかと思うとさっきのように無関心のようにしか言わないので生返事くらいしかやることがない。
フラーリと物音を一切立てず倒れるかのように動き出した立花に望月は意気揚々と付いていった。
俺の腕を腫れるんじゃないかと疑いたくなるくらい握りながらなので俺の顔は歪んでいたのかもしれないがやたらと複雑な校舎をまるで全て知り尽くしているかのようにサッサさっさと歩く立花のあとを追って行った俺たちはあっという間に3組の教室に到着していた。
「着いた。……ここ」
何の感情も込めず立花が案内した3組の教室は何人かのグループに固まった女子生徒たちがワイワイガヤガヤとおしゃべりを楽しんでいた。一方男子生徒たちはというとホウキを使ってチャンバラごっこをしていた。小学生かよ。
そのうち何人かは俺たちの存在に気づいたみたいでこっちをもの不思議そうな顔で見ていた。
チャンバラごっこを楽しんでいたヤツらに変な目で見られるのは少々癪に障らんでもないが望月たちはそんなことなんて全く気にしている様子はない。
少しは気にするくらいしたらどうなんだ……。元気いっぱいでいることも無表情で無感情なのも別に好きにすりゃいいが、もう少し他人の視線というものを気にしていただきたい。
「おーい! 真理ちゃーんっ! 」
望月がデカイ声で誰かさんを呼び出すとさすがにその声で3組の教室にいる連中全員からの視線を真正面で浴びてしまった。
おいそこ。わざわざそのクソくだらないチャンバラごっこを止めてまでこっちを見なくてもいいぞ。
「真理ちゃーんっ! いないのーっ? 」
さらにデカイ声を出した望月は教室のなかに堂々と入ってきて誰かさんを探し始めた。
真理さんとやら、とっとと姿を表せてくれ。
「あっ! いたいた! 真理ちゃーんっ! 」
望月が隣の教室にまで響きそうな声で呼びかけたその人物はこれまた望月や立花とは違った美人だった。1人物静かに英語のお勉強をしてらっしゃる。どんだけマジメなんだ。
ガリ勉と話をすると自分の学力に絶望してくるので極力避けたいと俺は考えているんだが、どうやらそんな俺の願いは届きそうになかった。
机からほとんど強引に引き剥がされたその人物は望月に引っ張られて廊下まで連れ出された。
勉強の邪魔をしてまで呼び出さんでもよかっただろうに。
「紹介するね! 早瀬真理ちゃんだよ! 」
外見の説明をこの場を借りてしておくと、髪は腰にかかるくらい長く、とくにくくったりすることもなくストレートヘアにしている。大人っぽい雰囲気をかもし出しているそいつは、近所の世話焼きお姉さんと言ったところか。
それにしても早瀬真理という名に俺の頭がデジャヴを感じているらしく、また頭痛が襲ってきた。望月と立花と一緒に何故か岩石地帯で信号機と戦っている記憶が俺の頭の中に流れ込んできた。
俺の動体視力でも見えるくらいのろくなった(ような感覚がする)望月のスピードや立花が召喚(?)した拘束具に縛られている信号機、そして早瀬のバカでかくてゴツイライフルが俺の頭の中でジタバタと暴れている。
正夢を見たような感覚よりも鮮明な記憶だ。
そして俺は頭の中でこんなことを考えていた。いや、正確にはそう感じたと言った方がいいだろうか。
生徒会長の工藤結、副会長の白鳥弥生、入学式の次の日に転校してきた望月愛果、図書館で偶然出くわした立花咲夜、そして望月と立花に連れられて紹介された早瀬真理。
俺のデジャヴ的記憶(又は妄想)に頻繁に出てくる5人に出会ったおかげでなんとなく足りないような気がする感覚は消えていた。
そして俺はあるひとつの考えに至っていた。
これで全員揃ったと。
その日はずっと夢ではなさそうなデジャヴに疑問を感じながら過ごしていた。何を考えても答えに辿りついた気がしない。
ん…………? あの本は……? 推理もののラノベを読もうとした時に見つけた、あの買った覚えのない本は……?
俺は急いで本棚に向かった。
あった。
ほかの本がドサリドサリと落下音の悲鳴をあげたって知ったこっちゃねえ。脇目もふらずにその本をパラパラとめくった。
俺は全てを思い出した。
もしかしたら今の俺又はデジャヴの時に出てくる記憶は夢なんじゃないんだろうか。根拠といえるようなものはほとんどないに等しいのだが、なんとなくそう考えると合点がいく。
今の俺かデジャヴの時に出てくる俺のどちらかは、もう一方の俺が見ている夢ってことだ。
おぉ。俺が西田の影響を受けて中二病になっちまったと考えるよりよっぽどわかりやすく納得のいく説明だろう。
どちらかが夢を見ているということはもしかしたら今の俺が夢の中ってことかもしれない……。
できればデジャヴを感じる方が夢であってほしいものだ。
転校してきた望月愛果って少女や図書館で出会った立花咲夜って少女が実は魔法少女で何故かは知ったこっちゃねえが俺がなんだかよく分からん連中に命を狙われているなんてことがもしも現実だったらと思うと……おおこわい。
こんなに俺が余裕をぶっかましていられるのも、魔法少女とかが出てくる世界が夢だと思って疑わなかったからだ。
魔法? それを使うことができるとかいう魔法少女? そんなのいるわけねぇ。なんでこの21世紀の科学が進歩しまくった時代にいまさら魔法なんだよ。なんで今まで魔法とやらが人類に使えないのか知りたいね。
ついでに言うと、なんで魔法使い的な役割で出てるヤツらがみんな少女なんだ?
ツッコミどころが満載の夢を見るようになっちまったらしい俺だが、結局それって俺の深層心理は中二病ってことにならないか? それはけっこうまずい気がする。
つまり西田のアホが俺にも感染しちまってるってことになってしまい、俺の気休めは無駄になってしまったというわけだ。おのれ西田。許すまじ西田。
そんな感じのことを思いながら過ごした週末はあっという間に過ぎてしまい俺のダラダラライフは終了してしまった。
あれ以来望月愛果と立花咲夜のことについて考えてみるとデジャヴを感じる程度で新しくデジャヴ的記憶が俺を襲撃したわけではなかった。
まだ魔法少女の人数が足りないような気がするが気のせいということで忘れておこう。この俺の夢と思われるデジャヴに詮索しても無駄に決まってる。徒労だ。
実は同じマンションに立花と俺と望月が住んでいることが分かり、近所付き合い兼学校の友達作り的な意味合い(とか考えているのは俺だけなんだろうけど)を始めて仲良くなった俺たちは休み時間になったらしょっちゅうおしゃべりするような仲にまで発展していた。
西田の目が恐ろしい。こっちを見てくる度にものすごい形相で睨んでくるのだがどうすればいいのだろうか。誰か名案が思い浮かんだら是非とも俺に教えていただきたい。
「ねぇねぇマスターっ! 1年3組に行かない? 」
ある日、望月が俺の腕を引っ張って1年3組の教室に連れていった。……というか連行された気分なんだが。3組の教室に行くかどうかを1度俺に聞いてきたのは別にいいんだが返事を言わさずに引っ張っていくなよ……。
望月は何故か3組の教室をスルーして8組の教室に向かった。
そこにはまるでずっとタイミングを伺っていたかのようなで教室から出てきた立花と出会った。
「私も、望月さんに『来い』と言われた」
事情を聞いてみると全く興味なんてなさそうに無表情で無感情なセリフが返ってきた。
俺は図書館の件以来立花とよく行動する時があるのだが、今だにこの無表情の扱いに困っている。会話を交わそうとしても「そう」とか「違う」くらいしか返事されず俺も返答に困るのだ。
たまに喋ったかと思うとさっきのように無関心のようにしか言わないので生返事くらいしかやることがない。
フラーリと物音を一切立てず倒れるかのように動き出した立花に望月は意気揚々と付いていった。
俺の腕を腫れるんじゃないかと疑いたくなるくらい握りながらなので俺の顔は歪んでいたのかもしれないがやたらと複雑な校舎をまるで全て知り尽くしているかのようにサッサさっさと歩く立花のあとを追って行った俺たちはあっという間に3組の教室に到着していた。
「着いた。……ここ」
何の感情も込めず立花が案内した3組の教室は何人かのグループに固まった女子生徒たちがワイワイガヤガヤとおしゃべりを楽しんでいた。一方男子生徒たちはというとホウキを使ってチャンバラごっこをしていた。小学生かよ。
そのうち何人かは俺たちの存在に気づいたみたいでこっちをもの不思議そうな顔で見ていた。
チャンバラごっこを楽しんでいたヤツらに変な目で見られるのは少々癪に障らんでもないが望月たちはそんなことなんて全く気にしている様子はない。
少しは気にするくらいしたらどうなんだ……。元気いっぱいでいることも無表情で無感情なのも別に好きにすりゃいいが、もう少し他人の視線というものを気にしていただきたい。
「おーい! 真理ちゃーんっ! 」
望月がデカイ声で誰かさんを呼び出すとさすがにその声で3組の教室にいる連中全員からの視線を真正面で浴びてしまった。
おいそこ。わざわざそのクソくだらないチャンバラごっこを止めてまでこっちを見なくてもいいぞ。
「真理ちゃーんっ! いないのーっ? 」
さらにデカイ声を出した望月は教室のなかに堂々と入ってきて誰かさんを探し始めた。
真理さんとやら、とっとと姿を表せてくれ。
「あっ! いたいた! 真理ちゃーんっ! 」
望月が隣の教室にまで響きそうな声で呼びかけたその人物はこれまた望月や立花とは違った美人だった。1人物静かに英語のお勉強をしてらっしゃる。どんだけマジメなんだ。
ガリ勉と話をすると自分の学力に絶望してくるので極力避けたいと俺は考えているんだが、どうやらそんな俺の願いは届きそうになかった。
机からほとんど強引に引き剥がされたその人物は望月に引っ張られて廊下まで連れ出された。
勉強の邪魔をしてまで呼び出さんでもよかっただろうに。
「紹介するね! 早瀬真理ちゃんだよ! 」
外見の説明をこの場を借りてしておくと、髪は腰にかかるくらい長く、とくにくくったりすることもなくストレートヘアにしている。大人っぽい雰囲気をかもし出しているそいつは、近所の世話焼きお姉さんと言ったところか。
それにしても早瀬真理という名に俺の頭がデジャヴを感じているらしく、また頭痛が襲ってきた。望月と立花と一緒に何故か岩石地帯で信号機と戦っている記憶が俺の頭の中に流れ込んできた。
俺の動体視力でも見えるくらいのろくなった(ような感覚がする)望月のスピードや立花が召喚(?)した拘束具に縛られている信号機、そして早瀬のバカでかくてゴツイライフルが俺の頭の中でジタバタと暴れている。
正夢を見たような感覚よりも鮮明な記憶だ。
そして俺は頭の中でこんなことを考えていた。いや、正確にはそう感じたと言った方がいいだろうか。
生徒会長の工藤結、副会長の白鳥弥生、入学式の次の日に転校してきた望月愛果、図書館で偶然出くわした立花咲夜、そして望月と立花に連れられて紹介された早瀬真理。
俺のデジャヴ的記憶(又は妄想)に頻繁に出てくる5人に出会ったおかげでなんとなく足りないような気がする感覚は消えていた。
そして俺はあるひとつの考えに至っていた。
これで全員揃ったと。
その日はずっと夢ではなさそうなデジャヴに疑問を感じながら過ごしていた。何を考えても答えに辿りついた気がしない。
ん…………? あの本は……? 推理もののラノベを読もうとした時に見つけた、あの買った覚えのない本は……?
俺は急いで本棚に向かった。
あった。
ほかの本がドサリドサリと落下音の悲鳴をあげたって知ったこっちゃねえ。脇目もふらずにその本をパラパラとめくった。
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