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出会い
プロ……ローグ?
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「こんにちは、私は橋本友希といいます。歳は15歳です。趣味はアニ……いやいやいやいや、お料理とか……です。はい。えーっと……。好きな食べ物はお好み焼きで、嫌いな食べ物はキノコです。長所は……あるかな? ありません。短所は……」
鏡の前にいる自分はまるで不倫がバレた芸能人の謝罪会見みたいだ。
これじゃ全然ダメ。一体何時間練習したと思ってるの? ダメダメだよ……。自分を見ながら自己紹介の練習をしたらある程度はまともに出来ると思ってたのに……。
なんで鏡の前で自己紹介の練習をしてたのかというと、今日は入学式だからだ。
あれ……? わかんない?
今日から始まる高校生活で友達を手っ取り早く作る方法と言えば、自己紹介で印象に深く残る人じゃないとダメでしょ?
私はそうなるために春休みになる前からずっとシミュレーションを重ねてきた。そして昨日から実践練習しているのだ。
満足な成果が得られないのは何故だろう。
やっぱり言う事を変えるべきだろうか。
「こんにちは、私は橋本友希っていいます。15歳です。趣味はアニメ! マンガ! ゲーム! 萌えをエネルギーにして生きてるから、好きな食べ物は萌えなのかな? 少年マンガとかも見てます! 語り合える仲間を募集中です!」
やっぱりダメな気がする……。
これじゃ思いっきりオタクじゃん! ……オタクだけど。
そんなこんなしているうちに、学校に行かなきゃいけない時間になった。
ああああああ終わったああああああ!
これじゃ友達いない歴=年齢記録がまた更新されるよ絶対……。
私はカバンを持って、溜め息を付きつつ学校へ行った。
私が今日から通うことになる高校は、市内では有名な私立高校だ。
元女子校だったらしいその名残で今も女子生徒が大半を占めている。増築に増築を重ねたみたいな校舎は迷路みたいで、オープンハイスクールの時は私も何度か迷ったほどだ。校舎と道路を挟んで向かい側に立っている体育館はまあまあの大きさだ。2階部分にはパイプ椅子を並べて座れるくらいのスペースがあるらしい。
そんな場所で、入学式が行われた。
………………はっ!
いけないいけない。不覚にも寝てしまうとは。
気づいた時には既に色々とプログラムが終わってるようで、時計を見るとけっこう時間が経っていた。
「理事長、挨拶!」
そう高らかに生徒会の人が宣言すると、オープンハイスクールで見慣れたおばあちゃん理事長がひょこひょこと現れた。
私は壁に張り付いてあるプログラム表を、礼をしながら確認してみる。
えぇ……まだ3分の1も終わってないじゃん。どれだけ喋ったんだよ校長!
私は再び眠ってしまい、長かった入学式はネトゲのせいで発生した睡眠不足解消のために消化された。
そしてクラス発表も終わり、あっという間に自己紹介の時間がやって来た。
いい? 私。キョンはこの瞬間で人生を変えたのよ! 私もナゾナゾみたいに地球儀を解き明かさなきゃ!
「あのえっと……。橋本友希……です。趣味は……お料理などです……。ぁの……ぇっ……よろしくお願い……します」
その声は、まるで、ゾウリムシが跳ねたみたいな、誰にも聞こえるはずがない、極小ボイスだった。
もうダメだ、おしまいだァ……。なんでヘタレたのよ私。これじゃ友達なんて出来ないじゃない私。
青い鳥も真っ青なくらいブルーな気持ちで私は帰路についた。
そんな時、空に大きな穴がポッカリと空いた。
え? なに? バキシムでも現れるの? それともヤプールかな?
今までの人生史から考えていきなり世界観が変わりすぎているのでついていけない。
何事? わけのわからない状況になると逆に冷静になるってホントのことなんだと実感していた私だが、ある異変に気がついた。
「親方! 空から女の子が!」
こんなにわかりやすいネタ振りをされて、そう叫ばずにはいられない。
だってホントのことなんだし。
私は叫んだ直後にダッシュして、落ちてきた女の子を受け止めた。
飛行石とかはないので落下速度は相当速い。
「ぁ……あの……大丈夫ですか? 怪我は?」
キレイな金髪の女の子だった。
身長はだいたい160センチくらいなので私よりちょっと大きいかな? 茶色いワンピースみたいな服を着ている。瞳の色は、髪の毛と同じくらいキレイな金色をしていて、思わずうっとり見とれてしまいたいくらいだ。顔立ちを見ると、私と同い年かな? 多分それくらいだと思う。
「あなたが助けてくれたの! ありがとう! 私はファミーユ=アミ! 友達になりましょ?」
私の人生は、この瞬間から変わっていった。
鏡の前にいる自分はまるで不倫がバレた芸能人の謝罪会見みたいだ。
これじゃ全然ダメ。一体何時間練習したと思ってるの? ダメダメだよ……。自分を見ながら自己紹介の練習をしたらある程度はまともに出来ると思ってたのに……。
なんで鏡の前で自己紹介の練習をしてたのかというと、今日は入学式だからだ。
あれ……? わかんない?
今日から始まる高校生活で友達を手っ取り早く作る方法と言えば、自己紹介で印象に深く残る人じゃないとダメでしょ?
私はそうなるために春休みになる前からずっとシミュレーションを重ねてきた。そして昨日から実践練習しているのだ。
満足な成果が得られないのは何故だろう。
やっぱり言う事を変えるべきだろうか。
「こんにちは、私は橋本友希っていいます。15歳です。趣味はアニメ! マンガ! ゲーム! 萌えをエネルギーにして生きてるから、好きな食べ物は萌えなのかな? 少年マンガとかも見てます! 語り合える仲間を募集中です!」
やっぱりダメな気がする……。
これじゃ思いっきりオタクじゃん! ……オタクだけど。
そんなこんなしているうちに、学校に行かなきゃいけない時間になった。
ああああああ終わったああああああ!
これじゃ友達いない歴=年齢記録がまた更新されるよ絶対……。
私はカバンを持って、溜め息を付きつつ学校へ行った。
私が今日から通うことになる高校は、市内では有名な私立高校だ。
元女子校だったらしいその名残で今も女子生徒が大半を占めている。増築に増築を重ねたみたいな校舎は迷路みたいで、オープンハイスクールの時は私も何度か迷ったほどだ。校舎と道路を挟んで向かい側に立っている体育館はまあまあの大きさだ。2階部分にはパイプ椅子を並べて座れるくらいのスペースがあるらしい。
そんな場所で、入学式が行われた。
………………はっ!
いけないいけない。不覚にも寝てしまうとは。
気づいた時には既に色々とプログラムが終わってるようで、時計を見るとけっこう時間が経っていた。
「理事長、挨拶!」
そう高らかに生徒会の人が宣言すると、オープンハイスクールで見慣れたおばあちゃん理事長がひょこひょこと現れた。
私は壁に張り付いてあるプログラム表を、礼をしながら確認してみる。
えぇ……まだ3分の1も終わってないじゃん。どれだけ喋ったんだよ校長!
私は再び眠ってしまい、長かった入学式はネトゲのせいで発生した睡眠不足解消のために消化された。
そしてクラス発表も終わり、あっという間に自己紹介の時間がやって来た。
いい? 私。キョンはこの瞬間で人生を変えたのよ! 私もナゾナゾみたいに地球儀を解き明かさなきゃ!
「あのえっと……。橋本友希……です。趣味は……お料理などです……。ぁの……ぇっ……よろしくお願い……します」
その声は、まるで、ゾウリムシが跳ねたみたいな、誰にも聞こえるはずがない、極小ボイスだった。
もうダメだ、おしまいだァ……。なんでヘタレたのよ私。これじゃ友達なんて出来ないじゃない私。
青い鳥も真っ青なくらいブルーな気持ちで私は帰路についた。
そんな時、空に大きな穴がポッカリと空いた。
え? なに? バキシムでも現れるの? それともヤプールかな?
今までの人生史から考えていきなり世界観が変わりすぎているのでついていけない。
何事? わけのわからない状況になると逆に冷静になるってホントのことなんだと実感していた私だが、ある異変に気がついた。
「親方! 空から女の子が!」
こんなにわかりやすいネタ振りをされて、そう叫ばずにはいられない。
だってホントのことなんだし。
私は叫んだ直後にダッシュして、落ちてきた女の子を受け止めた。
飛行石とかはないので落下速度は相当速い。
「ぁ……あの……大丈夫ですか? 怪我は?」
キレイな金髪の女の子だった。
身長はだいたい160センチくらいなので私よりちょっと大きいかな? 茶色いワンピースみたいな服を着ている。瞳の色は、髪の毛と同じくらいキレイな金色をしていて、思わずうっとり見とれてしまいたいくらいだ。顔立ちを見ると、私と同い年かな? 多分それくらいだと思う。
「あなたが助けてくれたの! ありがとう! 私はファミーユ=アミ! 友達になりましょ?」
私の人生は、この瞬間から変わっていった。
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