異世界めぐりの白と黒

小望月 白

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第二の世界

騎士への道ー1

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「わ!レイチェル様!素敵なドレスですね!!」


部屋を出ると私のドレスを見たノメルがわくわくした様子で褒めてくれる

「ありがとう。そうなの!素敵でしょう?アリネスが作ってくれたのよ!」


「とてもお似合いで……いだだだだ」


嬉しくて2人できゃっきゃと会話をしていたがすぐにワカウィーがノメルの頭をガッシリと掴み下げる


「先にご挨拶でしょう、ノメル。
こんにちはレイチェル様。本日もお元気そうで何よりでございます」


「え、ええ。元気よありがとう。それよりノメルの頭、大丈夫?」


ーーあ、しまった変な言い方になった



「御心配には及びません。普段からルルによく掴まれておりますので私が少々掴んだ所でどうともなりません。」


ーーあ、よかった流してくれた



「それにノメルの頭がおかしいのは今に始まった事ではありませんので」


ーー流してくれなかった


「いたい!いたいいたい!先輩!頭!私の頭割れるから!」


「煩い。それに任務中は名前で呼べと言っているでしょう」


ギリギリと音がしそうな程ワカウィーに掴まれたノメルの頭を見ていると何だか私の頭まで痛くなってくる


「その辺で勘弁してやれ」


しょうがないな、といった感じでカールが出てきた。


「こんにちはレイチェル様。ドレスよく似合っておいでですね」


「こんにちはカール。ありがとう」


私の言葉ににっこりと微笑んだカールはそのままくるりとワカウィー、そしてワカウィーに頭を掴まれて「うわぁ、うわぁ、頭が割れるぅ」と呟いているノメルに向かい合った。


「お前たち、いい加減にしないか。レイチェル様がお優しいからと言って調子に乗りすぎだ」


ーー別に私はいいんだけどこれは口出したらだめな領域よね


そのまま見つめていると隣にいるアリネスがすすすと寄ってくる


「?」


「レイチェル様。もう1人挨拶待ちの者がいます」


アリネスの目線を追うとぽつんとウォレンが立っていた。私に挨拶しようと思ったが他の3人が取り込み始め、タイミングを失ってしまったらしい。
私がそちらを向くとハッとした表情で礼をする。


「こんにちはレイチェル様。本日もご機嫌麗しく存じます」


「こんにちはウォレン。本日もよろしくお願いしますね」

「はっ!」

ーーウォレンとはまだそんなにお話できてないのよね


「では、そろそろ参りましょうか」


アリネスの言葉に頷くとカールも「そうですね」と言う。彼の後ろには涼しい顔をしているワカウィーと少ししょげているノメル。
ウォレンが全く気にしていない所を見るときっといつもの事なのだろう。




ぶらぶらと歩いていると初めて来る迷路の様な庭にきた。


ーー何ここ楽しい!



「レイチェル様。余り動き回られませぬよう」


「はーーい」


後ろにアリネスの声を聞きながら歩く。するとサクサクと私に合わせてついてくる足音。振り返ればウォレンが居た。


ーー追いかけてきてくれたのね


「ありがとうウォレン」


「いえ」


アリネスも大概真顔だが、ウォレンもなかなかな真顔だ。


「ねぇウォレン聞いてくれる?」


「はい」


「私今日からね、舞の練習を始めたのよ。それで講師はアリネスなの」


「伺っております」


「うん、それでね。アリネス物凄く厳しいの。でも私に貴重な時間を割いてくれている事が有難いし、私も早く上達したいから頑張るの」


「……」


「そういえば騎士の皆んなは普段どんな鍛錬をしているの?」


「………」


ーーあれ、なんか聞いちゃまずかったかな



テクテクと歩きながらチラリとウォレンを見ると少し沈んで見える


ーーどうしたのかな



「自分は……その。昔から身体が小さく……」



確かにウォレンは護衛騎士の中では一番小さい。雰囲気が幼い感じなので小さく見えるノメルだって私より背が高い。というか私の護衛騎士が全体的に高い。
その中でウォレンは一番背が低く、私よりも少し低いくらいだ。


ーー成長期だろうからまだ伸びそうだけどな


「今でもよくわからないのです。何故身体も小さく、階級も皆よりも低い自分がレイチェル様の護衛騎士に選ばれたのか」


そしてその後ウォレンは少し考え込んでから「申し訳ありません。この様な話、レイチェル様にお聞かせする事ではありませんよね……」と言った。


「ううん。どんな内容でもウォレン自身の事を話して欲しいの。会ってまだ間もないから知らない事だらけだし、もっといっぱい話しましょう」


わざと明るく言ってみるとウォレンは「はい」と答えた後、少しずつ話してくれた。
ウォレンは平民の出だというのは聞いていたが、兄弟が5人もいるらしい。そして他の兄弟達は揃って商家や農家で働いているがウォレンには向いていなかった。
両親の知り合いに色々と声をかけてみたがウォレンができそうな仕事はなく、どうしたものかと悩んでいると旅人に「ならば騎士になればどうか」と言われたという。


一応この国では平民も貴族も関係なく騎士になれる。しかしウォレンの周りには騎士になった者や騎士を出した家がなく、実際はどんな感じなのかを聞く事ができなかった。しかし体力には自信があり、運動神経も悪くは無いと思っていたので詳しく知りたいと思った。
その旅人も詳しくは知らないので王都に行けば良いと言われ、丁度王都へと向かう予定の旅人について行く事となった。

幸い王都からはそこまで遠くない村だったので「じゃあ行ってみるか」くらいの気持ちで訪れた王都は華やかで賑やかだった。
素朴な村との違いに戸惑いはしたがその中で人々の生活を支えている騎士の姿を何度も目にした。

ただ偉そうにしているだけの奴らもいたが、住人に寄り添い一所懸命働く騎士達彼らを見て、興味本位だった騎士への気持ちが一気に『なりたいもの』へと変わって行った。
そうしてウォレンは本当の意味で村を出た。

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