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断末魔の残穢
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しかし、ネリスは耐えた。むしろ、押し返す勢いすらある。巨大な闇を前にしても、決して退くそぶりを見せない。
彼女は間違いなく英雄だった。
「ネリスさん! 耐えてくれ!」
「当然!!」
俺は打ち合わせ通り、ネリスに聖水をこれでもかと浴びせ続ける。
「うおおおお!!」
俺も柄にもなく吼えた。
手を休める訳にはいかない。
「ポーションも頼む!!」
「了解!!」
「もっとだ!!!」
「サービスサービスぅ!!!」
まるで川の流れのように、ドラゴンブレスは止まらない。
俺の両手も休まらない。
それにしても、龍の肺活量は凄まじい……。
「……テナ、その調子だ!」
テナもよどみなく小瓶を俺に手渡し、ついには口に咥えてまで作業をし始める。それでいて速く、正確だ。
「ミ゛ッ! ミ゛ッ!」
鬼気迫る猫がそこにはいた。
生存をかけた聖水リレーの一方で、ミリアの身体を覆う銀の光は、その輝きをどんどん増していく。
そして、その時は来た。
「其は浄火。死を洗う灯を分け与えん――」
【熾天の銀火】
ミリアが呪文を唱えた瞬間、彼女を中心に一瞬にして銀色の炎が六方に燃え広がる。分かれた光の筋は太さを増し、呪われた空間を満たした。
「……すごい」
不思議と熱さはなく、身体が焼かれる感覚もなかった。先ほどまでの闇の世界が嘘かのように、全てが白銀に染まっている。
「ミリア、ルウィン、テナ……やったな」
ネリスが振り返り、満面の笑みを見せてきた。龍と戦った後とは思えない余裕がある。
「この4人でなければ、こう上手くはいかなかっただろう」
ネリスはそう言うが、あるいは俺の聖水がなくても彼女は耐えきったかもしれない。
「お役に立てて光栄です」
それでも、彼女の装備や身体が軽傷で済んでいるのを見ると、俺たちの頑張りも間違いなく役には立ったのだろう。
「テナ、ありがとうな?」
テナに声をかけるが、ちょこんと座ってダンジョンの天井を見上げていた。その目は遥か遠くを見ているようだ。
ネリスもテナの目を覗き込む。
「あっはっは、テナもずいぶんと頑張ったようだ」
「ほんとよ、こんなことに付き合わされてかわいそうに」
ミリアはテナに同情しながら「んー」と大きく伸びをした。彼女の魔法がなければ、俺たちは今頃アンデッドの仲間だったに違いない。
「さて、ルウィン。この有様を見る限り、君が期待した結果にはならなかったようだが、どうしようか――」
彼女は間違いなく英雄だった。
「ネリスさん! 耐えてくれ!」
「当然!!」
俺は打ち合わせ通り、ネリスに聖水をこれでもかと浴びせ続ける。
「うおおおお!!」
俺も柄にもなく吼えた。
手を休める訳にはいかない。
「ポーションも頼む!!」
「了解!!」
「もっとだ!!!」
「サービスサービスぅ!!!」
まるで川の流れのように、ドラゴンブレスは止まらない。
俺の両手も休まらない。
それにしても、龍の肺活量は凄まじい……。
「……テナ、その調子だ!」
テナもよどみなく小瓶を俺に手渡し、ついには口に咥えてまで作業をし始める。それでいて速く、正確だ。
「ミ゛ッ! ミ゛ッ!」
鬼気迫る猫がそこにはいた。
生存をかけた聖水リレーの一方で、ミリアの身体を覆う銀の光は、その輝きをどんどん増していく。
そして、その時は来た。
「其は浄火。死を洗う灯を分け与えん――」
【熾天の銀火】
ミリアが呪文を唱えた瞬間、彼女を中心に一瞬にして銀色の炎が六方に燃え広がる。分かれた光の筋は太さを増し、呪われた空間を満たした。
「……すごい」
不思議と熱さはなく、身体が焼かれる感覚もなかった。先ほどまでの闇の世界が嘘かのように、全てが白銀に染まっている。
「ミリア、ルウィン、テナ……やったな」
ネリスが振り返り、満面の笑みを見せてきた。龍と戦った後とは思えない余裕がある。
「この4人でなければ、こう上手くはいかなかっただろう」
ネリスはそう言うが、あるいは俺の聖水がなくても彼女は耐えきったかもしれない。
「お役に立てて光栄です」
それでも、彼女の装備や身体が軽傷で済んでいるのを見ると、俺たちの頑張りも間違いなく役には立ったのだろう。
「テナ、ありがとうな?」
テナに声をかけるが、ちょこんと座ってダンジョンの天井を見上げていた。その目は遥か遠くを見ているようだ。
ネリスもテナの目を覗き込む。
「あっはっは、テナもずいぶんと頑張ったようだ」
「ほんとよ、こんなことに付き合わされてかわいそうに」
ミリアはテナに同情しながら「んー」と大きく伸びをした。彼女の魔法がなければ、俺たちは今頃アンデッドの仲間だったに違いない。
「さて、ルウィン。この有様を見る限り、君が期待した結果にはならなかったようだが、どうしようか――」
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