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地獄の狂炎
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§ 地上への帰還 §
火龍の討伐後、俺たちは地上に戻った。
助けた冒険者たちのギルドへの送還、
火龍出現と討伐の報告、
みんなの傷の手当て、
その他もろもろ――
――全てを終えた後、俺たちは食事を共にする。ついでに、火龍討伐の分け前について話し合うことになった。
正直な話、俺やテナは戦ってはいないのだから参加するのもおこがましいと思っていたのだが――
「分け前はー、ルウィンとテナに多めにあげよ♪」
――というキャルによる不可解な提案があった。
俺とテナは首をぶんぶん横に振った。分け前が多いことが嫌なのではない。キャルに恩を着せられるのが怖いのである。
俺たちは救いを求める目でミリアを見た。
「いいんじゃない?」
ああ、違う。そうじゃない。
仕方ないのでウォロクを見る。
「のっほっほ、構わんぞ!」
ああ、だめだ。
俺が諦めていると、テナが叫んだ。
「いやだぁぁぁッ!!!」
――テナが全力で拒絶した。頭と尻尾の先をぶんぶん振っている。
今朝より凄い拒否だ。
「へえ、アタシの提案に文句があるの?」
テナが怯んだ。しかし、まだ立ち上がる。
「だ、だ……だって、みんなで倒したんだよ! だから、みんな同じじゃないと…………いやだぁぁぁッ!!!」
テナは涙目になりながら訴える。と、何を勘違いしたのかミリアとウォロクが顔を伏せた。
「きゅ、急にそういうこと言わないでよね!」
「のほ……年寄りの涙腺をいたわらんかい……」
違う、そうじゃない。
テナは心底怖がっているだけである。
さて、これがどう転ぶのかと見守っていると、対面に座っていたキャルが立ち上がり、背後に回って俺とテナの間に身体を入れてきた。
「うれしー♪ これからもよろしくね、テーナ、ルーウィン?」
そう言って、俺とテナの頭を細腕に似合わない腕力で引き寄せてきた。
俺はその状態でなんとかテナと目を合わせ、仕方がないので心の中で会話する。
『なあ、テナ。これ、悪化してないか』
『ミ゛ッ』
意思疎通以前の問題だった。テナはすっかり恐怖に支配されている。
どうしようかと考えていると、ミリアが「ちょっと!」と言って立ち上がる。
「テナが怖がってるじゃない!」そう言ってキャルからテナをふんだくった。
(ミリアさん、俺も俺も!)
「いったんルウィンは貸してあげるわ」
嘘……だろ?
「だってー? どうする?」
キャルに両肩に手を置かれ、耳元で囁かれ、俺は思わずぞわりとした。
俺に残された選択肢は――
「――ウォロクおじいちゃ~ん!!」
「のっほっほ!! しかたなしみたいに来よったのぅ!」
ウォロクはそう言いながらも、逃げ出した俺を温かく迎えてくれるのであった。
火龍の討伐後、俺たちは地上に戻った。
助けた冒険者たちのギルドへの送還、
火龍出現と討伐の報告、
みんなの傷の手当て、
その他もろもろ――
――全てを終えた後、俺たちは食事を共にする。ついでに、火龍討伐の分け前について話し合うことになった。
正直な話、俺やテナは戦ってはいないのだから参加するのもおこがましいと思っていたのだが――
「分け前はー、ルウィンとテナに多めにあげよ♪」
――というキャルによる不可解な提案があった。
俺とテナは首をぶんぶん横に振った。分け前が多いことが嫌なのではない。キャルに恩を着せられるのが怖いのである。
俺たちは救いを求める目でミリアを見た。
「いいんじゃない?」
ああ、違う。そうじゃない。
仕方ないのでウォロクを見る。
「のっほっほ、構わんぞ!」
ああ、だめだ。
俺が諦めていると、テナが叫んだ。
「いやだぁぁぁッ!!!」
――テナが全力で拒絶した。頭と尻尾の先をぶんぶん振っている。
今朝より凄い拒否だ。
「へえ、アタシの提案に文句があるの?」
テナが怯んだ。しかし、まだ立ち上がる。
「だ、だ……だって、みんなで倒したんだよ! だから、みんな同じじゃないと…………いやだぁぁぁッ!!!」
テナは涙目になりながら訴える。と、何を勘違いしたのかミリアとウォロクが顔を伏せた。
「きゅ、急にそういうこと言わないでよね!」
「のほ……年寄りの涙腺をいたわらんかい……」
違う、そうじゃない。
テナは心底怖がっているだけである。
さて、これがどう転ぶのかと見守っていると、対面に座っていたキャルが立ち上がり、背後に回って俺とテナの間に身体を入れてきた。
「うれしー♪ これからもよろしくね、テーナ、ルーウィン?」
そう言って、俺とテナの頭を細腕に似合わない腕力で引き寄せてきた。
俺はその状態でなんとかテナと目を合わせ、仕方がないので心の中で会話する。
『なあ、テナ。これ、悪化してないか』
『ミ゛ッ』
意思疎通以前の問題だった。テナはすっかり恐怖に支配されている。
どうしようかと考えていると、ミリアが「ちょっと!」と言って立ち上がる。
「テナが怖がってるじゃない!」そう言ってキャルからテナをふんだくった。
(ミリアさん、俺も俺も!)
「いったんルウィンは貸してあげるわ」
嘘……だろ?
「だってー? どうする?」
キャルに両肩に手を置かれ、耳元で囁かれ、俺は思わずぞわりとした。
俺に残された選択肢は――
「――ウォロクおじいちゃ~ん!!」
「のっほっほ!! しかたなしみたいに来よったのぅ!」
ウォロクはそう言いながらも、逃げ出した俺を温かく迎えてくれるのであった。
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