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氷室の水禍
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「テナが真っ先に助けようって!!」
「ルウィンが作戦立ててくれみゃした!!」
「テナ?」
「……?」
「『くれみゃした』って、噛んだのか、素なのか分かりにくいぞ」と、言ったその時。
「にゅ?」とテナが『氷面水槽』の通路口の方を見た。
「今度はなんだ」
聞き覚えのある声が流刑地にまで響いてくる。
「「ああ゛~~~~」」
シルヴィアとスーシーが妙な叫び声を上げながらそりを飛ばしてきたのだ。二人は一気にこちらとの距離を詰めたかと思えば――
「「~~~~あ゛あッ!!」」
――身を投げ出した。そのまま、近くに積もった雪に二人は埋もってしまう。
〈出られませんわ~!〉
〈奥様! 私もです!〉
わずかにはみ出た足をバタバタさせた後、動かなくなった。
「テナ、帰ろう」
「うん」
俺はキャルだけ抱きかかえ、ダンジョンを脱出しようと思った。
§ 冒険者ギルド §
腕にキャルを抱えながら、シルヴィアとスーシーを運ぶのは重労働だった。エルフ組に関しては、二人を乗せたそりをテナと一緒に長縄で引っ張っていたが、途中でミリアたちに助けてもらわなかったら、いったん置き去りにしていたかもしれない。
「疲れた……」
「にゃあ……」
救援に駆けつけたA級冒険者たち――ミリア、ネリス、ウォロクと共にテーブルを囲んでいる今、ようやく肩の荷が下りた気分だった。
そんな俺たちを見たネリスが大いに笑う。
「あっはっは! 珍しくしおれた顔だな!」
彼女は適当な料理を見繕って、俺とテナの目の前に置いてくれた。
「ありがとうございます……」
「にゃあ……」
俺たちはゆっくりとフォークを掴んで、ゆっくりと食材を口に運んだ。
「のっほっほ! よほど大変な冒険だったようじゃのう! どうじゃ、わしの作った地獄の小炎は役に立ったかの?」
インフェルナーノという言葉を聞いて、炎に焼かれるシルヴィアとスーシーの姿が頭に浮かんできた。
『『死んじゃう死んじゃうッ!』』
『『――熱々エルフゥゥゥ!』』
……役には立った。間違いなく。
テナと二人して上の空になっていると、ウォロクが不安そうな顔をする。
「わし、なんかやっちゃったかの」
せっかく武器を作ってくれた人の前で、こんな反応をしては申し訳なさすぎる。俺はテナと顔を見合わせた。
「いえ! インフェルナーノは素晴らしい武器でした!」
「うん! インフェルナーノは!」
ウォロクは、「のっほっほ! そうじゃろうそうじゃろう!」と言って嬉しそうに髭をなでる。
「のほ? なんじゃルウィン」
俺は思わず身を乗り出して、ウォロクのあご髭に顔を寄せたのだ。
「髭に息をふーふーしたら喜ぶかと」
「いや気色悪いのぉ」
はっとして俺は女性陣の様子をうかがう。
言うまでもなく、ジト目が俺を見ていた。
「ルウィンが作戦立ててくれみゃした!!」
「テナ?」
「……?」
「『くれみゃした』って、噛んだのか、素なのか分かりにくいぞ」と、言ったその時。
「にゅ?」とテナが『氷面水槽』の通路口の方を見た。
「今度はなんだ」
聞き覚えのある声が流刑地にまで響いてくる。
「「ああ゛~~~~」」
シルヴィアとスーシーが妙な叫び声を上げながらそりを飛ばしてきたのだ。二人は一気にこちらとの距離を詰めたかと思えば――
「「~~~~あ゛あッ!!」」
――身を投げ出した。そのまま、近くに積もった雪に二人は埋もってしまう。
〈出られませんわ~!〉
〈奥様! 私もです!〉
わずかにはみ出た足をバタバタさせた後、動かなくなった。
「テナ、帰ろう」
「うん」
俺はキャルだけ抱きかかえ、ダンジョンを脱出しようと思った。
§ 冒険者ギルド §
腕にキャルを抱えながら、シルヴィアとスーシーを運ぶのは重労働だった。エルフ組に関しては、二人を乗せたそりをテナと一緒に長縄で引っ張っていたが、途中でミリアたちに助けてもらわなかったら、いったん置き去りにしていたかもしれない。
「疲れた……」
「にゃあ……」
救援に駆けつけたA級冒険者たち――ミリア、ネリス、ウォロクと共にテーブルを囲んでいる今、ようやく肩の荷が下りた気分だった。
そんな俺たちを見たネリスが大いに笑う。
「あっはっは! 珍しくしおれた顔だな!」
彼女は適当な料理を見繕って、俺とテナの目の前に置いてくれた。
「ありがとうございます……」
「にゃあ……」
俺たちはゆっくりとフォークを掴んで、ゆっくりと食材を口に運んだ。
「のっほっほ! よほど大変な冒険だったようじゃのう! どうじゃ、わしの作った地獄の小炎は役に立ったかの?」
インフェルナーノという言葉を聞いて、炎に焼かれるシルヴィアとスーシーの姿が頭に浮かんできた。
『『死んじゃう死んじゃうッ!』』
『『――熱々エルフゥゥゥ!』』
……役には立った。間違いなく。
テナと二人して上の空になっていると、ウォロクが不安そうな顔をする。
「わし、なんかやっちゃったかの」
せっかく武器を作ってくれた人の前で、こんな反応をしては申し訳なさすぎる。俺はテナと顔を見合わせた。
「いえ! インフェルナーノは素晴らしい武器でした!」
「うん! インフェルナーノは!」
ウォロクは、「のっほっほ! そうじゃろうそうじゃろう!」と言って嬉しそうに髭をなでる。
「のほ? なんじゃルウィン」
俺は思わず身を乗り出して、ウォロクのあご髭に顔を寄せたのだ。
「髭に息をふーふーしたら喜ぶかと」
「いや気色悪いのぉ」
はっとして俺は女性陣の様子をうかがう。
言うまでもなく、ジト目が俺を見ていた。
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