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1-2 リューリャ
僕はクリス。クリス・ロンバード。
今までの記憶がうろ覚えだと気づいたばかり。
僕の隣で眠っている竜種属のリューリャは、色気のある、格好いい男性で…僕の先生だった。
本当に小さな子どもの頃から知っている人なのに、初めは誰なのか、まったくわからなかった。
身体に触れられて、暖かな何かが身体中に広がって…そうして、僕はやっとリューリャの事を思い出したんだ。
そして、いつからかはどうしても思い出せなかったけど、恋人でもあるみたいで…。
そんな大切な事を思い出せないって、僕はどうしちゃったんだろう?
リューリャの背中には、小さく圧縮されたような羽がピタリと肌に沿う様に張りついていて、僕が動くとピクリと動く。
どうやら、僕たち有翼種族みたいには収納できないらしい。
出しっぱなしじゃ邪魔だし、しまえるのは凄く便利。
有翼種っていうのは、翼があって、しまったり出したりができる、人型の生き物全般を指す。大陸全体に広く行き来があるから、どこでも見かける自由な種族だ。僕みたいに、一所に住居や店舗を構えて動かない有翼種は少ない。僕だって、事情が無ければ、色々な場所に行って、たくさんの人たちと出会いたい。
知らない街を空から眺めるのは、きっとすごく楽しいだろうな…。
想像するだけでわくわくするよ。
僕は、リューリャの切れ長の瞳からまっすぐに伸びる睫毛を眺める。
長い睫毛は、白い肌に扇形の影を深く、濃く落としていて。
今にも、泣き出しそうに思えた。
リューリャの腕に抱き締められたまま、僕は身体を捻って、リューリャの頬にそっとキスをした。
竜種も、卵から生まれるのだろうか?
有翼種は卵で生まれる。
卵生の生き物は、卵の中で魂を得た瞬間から、身の回りの世界を観察してるって言われているんだ。
不思議なことだけど、僕は、子どもの時の記憶よりも鮮明に、僕が産まれるまでと、生まれた瞬間を覚えてる。
僕をおおっていたやわらかな何かが、硬かった壁を割り、裂き、通り抜けていった。
壁がキラキラ光って、虹色の光の粒にかわり、僕の肌にくっついてはスウ、と中に入ってくる、そして、それを見届けると、母さんがドサリと倒れたんだ。
「この子を、頼む」
それまで僕を守っていた声。
それが無くても、僕には彼女が母だとわかっていた。
母さんが必死で僕を連れ込んだのは海の中、海王殿の奥の奥。
お日さまの匂いがしない場所は、生まれて初めてだった。
それでも、僕はここが安心できる場所だとすぐにわかった。
僕を守るために、母さんはぼろぼろで、傷だらけだった。
僕は母さんの友人である人たちに預けられた。そして、すぐに海王様の愛し子としてしっかりと周知された。
愛し子っていうのは、神様の力を感じられるこの世界で、その加護を強く受ける者のこと。
神様が自分の眷属である各王に力を与えて、その王もまた、人に加護を与える。
神様が直接加護を与えるっていうこともあるけど、特別に『見える』人が調べない限りわからない。
反対に、実存して、国を持つ、神に選ばれた王が加護を与えるっていうのは、しっかりと周知される。国によっては、おふれを出すくらい。『手を出したら駄目』という抑止力になるんだ。
海王様が僕にそれをしたのは、そうしないと、空の女王に殺されてしまう可能性があったから、だったんだと思う。
母さんは、空の女王の19番目の姫さまで、女王候補の一人だった。
女王になる条件はただ一つ、つがいを作らず、一人で卵を生める事。
有翼種の女王が産む卵は王卵と呼ばれる。
つがいを必要としない卵だ。
女王が一人で産んだ卵の中に、次世代の女王の卵がひとつだけある。
でもそれは、見た目ではわからないらしい。
だから、たくさんの姫の中、たった一人の誰かが卵を産むまで、姫たちはつがいを作ることが許されないまま、城で閉じ込められて過ごす。30年から、長いときで100年。
有翼種の寿命は50年から100年。
それぞれの種族の王族を“王種”って呼ぶんだけど、王種は寿命が長くなる。
有翼王種だと、約300年から500年。
だから、まあ100年閉じ籠っていても、200年は残っているっていうこと。
(待遇は良いとはいえ、そんなの絶対つまらないだろうな…。空の上の城から出られず、地上を眺めるだけだなんて…そんなのは、嫌だ)
王卵から孵った雄は騎士となるための鍛練を積んで、成人した瞬間、外に出される。万が一にでも、間違いが起こってはいけないからだ。
しばらくして、母さんの姉、ビアンカが王卵を産み、姫たちは解放された。
ほとんどは結婚をしたけど、母さんのクローディアは結婚せず、冒険者になった。
空を自由に飛べる、それだけで幸せだと言っていたらしい。それを聞いて、僕は申し訳ない、そう思ったんだった。
(僕のせいで、クローディアは今も眠っているんだ)
王卵を産むのは、一人だけのはずだった。
王卵が産まれると、有翼種にはすぐにわかる。
守るべきものが産まれたという感覚が共有されるんだって。
一世代に女王は一人。
なのに、母さんは処女のまま、卵を宿してしまった。
それを正直に伝えた母さんに、17代目空の王になっていたビアンカは、母さんに卵を渡せと言ったそうだ。
もしくは、壊せ、と。
追っ手がかかったけど、母さんは逃げきって、僕は今、ここにいる。
空の女王が統べる、自由の国メルユーイには風神の加護があり、僕たちが逃げこんだロマリアには、水神の加護がある。
風神が水神を苦手にしていなければ、もしかしたら僕たちは引き摺り出されていたかもしれない。
その後、僕が狙われなかったのは男だからっていうことと、
僕を産んですぐにクローディアが眠り、ビアンカが王卵を産み続けているからだろうと、海王様が教えてくれた。
女王交代の卵ではなかったと認識された、ということなんだって。
でもそうなって以降も、母さんのところに有翼種の王族…つまり、家族が訪れた形跡は一切無い。
だから僕も、彼らとはかかわり合いになりたくない、と思ってる。
僕をここまで育てたのは、海王様、アーロン父さん、マリア母さん、旅人のお客さんたちや、それに近所のおじさん、おばさんだ。
ただ眠っているだけでも、母さんには感謝しているし、好きだよ。
ちゃんと親だと思ってるかって言われたら…正直、よくわからないんだけど。守らなきゃ、とは、思ってる。
海王様はエルフェル様といって、女神様がいたらこんな感じかな?って思うくらい、凄く綺麗な男の人だ。
透明な海の色の髪はサラサラで、抱きしめられるといい匂いがした。笑うと、キラキラして、本当に神々しいんだ。
他の人には真面目で厳しいんだけど、僕が海王殿で眠る母さんに会いに行くと、どんなに忙しくても時間をとってくれて、膝の上に乗せてくれた。
頭を撫でながら、母さんのことを教えてくれた。
王種のための学校で、同級生だったんだって。とはいえ、有翼種の姫はほとんど隔離された状態で、同じ空間にいても護衛に囲まれていて、初めて話したのは卒業後、冒険者になった時らしい。
そんな相手にしか助けを求められなかったんだな、と思うと、やっぱりすごく腹が立つ。
「恨んではならぬ。しかし、赦すことはない」
エルフェル様がそう言った時の顔は、悲しげでもあり、怒っているみたいでもあって、僕はエルフェル様の頭を撫でたんだった。
その時は子どもで、難しくてよくわからなかったけど、怒ってもいいけど恨むなっていうのは、僕の心を守るためだったんだと思う。
確かに、目の前に母さんを攻撃したやつらが来てヘラヘラしてたら、怒ると思う。一言言ってやりたい。殴るかも。そういう怒りは、消えないで残ってる。
でも、復讐してやる、とか、そういう気持ちは、多分無い。
皆から聞く母さんは自由で、楽しげで、凄腕の冒険者で。
もしやり返すなら、僕がやるより、母さんがやりたいと言ったら、だと思う。
とにかく、僕は母さんみたいになりたいと思ったんだよね。だから、僕は冒険者を目指していたんだ。
(15になって成人したら、冒険に出るはずだったんだよね…でも、僕は今18、だよね? 冒険者には、ならなかったんだろうか…)
パズルのピースがひとつずつはまっていくみたいに甦る、様々な人たちとの思い出の中にいる僕が、今現在に近づくにつれて、時折、目の前がくらくらと揺れた。
リューリャの胸に頭を寄せる。トクトクと鳴る心臓の音が心地よかった。
不意に、驚いたようにリューリャが僕の身体を引き離すと、不思議そうな顔で僕の瞳を覗きこんだ。
「…クリス…?」
「ごめん、えっと…くすぐったかった? 起こしちゃったね?」
僕は、リューリャの腕から逃れて、リューリャの頬に手を伸ばす。
ひんやりとした体温が心地よくて、思わず自分の頬を寄せて、火照ったままの唇で温度を確かめる。
「リューリャのほっぺ、冷たくて、気持ちいい」
「クリス…」
リューリャの瞳の金が戸惑う様に、それでも欲望でゆらゆらと揺れて、僕の腰に手回す。
僕の唇を確かめるように、何度も啄んで、冷たくて長い舌がそっと差し込まれると、僕はそれに応えるように舌を絡めた。
「……っ!」
僕の口内をリューリャの舌が犯す度に、僕の腰が揺れて、リューリャの、そこだけが熱くなった部分が足に押しつけられる。
「リューリャ…ぁ」
「…っ、クリス、…今日は、もう一度、抱いても良いか…?」
僕が頷くと、リューリャがはじめて、嬉しそうに破顔した。
(僕たち、恋人…なんだよね? だって、そういうこと、してるんだから…。喧嘩でもしてたのかな? それで壁に穴を開けた…?ぅう、頭がくらくらする。やっぱり順番に思い出さないと駄目なんだ…)
リューリャに愛されて、僕は意識を飛ばしながら、小さい頃の夢を見た。
僕が酷く泣いていて、アーロン父さん、マリア母さんに抱きあげられて、それでも泣き止まなくて。二人の子どもたちが、かわるがわる抱きしめてくれて。小さな手で、だから僕は、やっと泣き止んで…
二人の子どもと僕とは、本当に同じように、大切に育ててもらった。だから、本当に小さい子どもの頃は、二人のことをなんとなく両親だって勘違いしていたんだ
マリア母さんが寝物語で聞かせてくれた「勇者クローディア」が、自分の母親だと知って、体の奥が熱くなったのを覚えている。
その後、海王様の神殿の奥に毎日のように会いに行っていた綺麗な女の人がクローディアで、僕の母親なんだって、わかってはいたんだけど、頭の中で繋がって。
一つだけ寂しかったのは、アーロン父さんやマリア母さん、それに二人の子どものロイド、マリエッタ、シャロン、レイチェルと僕は本当の家族じゃなかった事。
でもその話を理解する前にも後にも、僕は家族じゃないなんて感じた事は無かったんだよね。だから救いがあった。
二人は母さんの友人で、やっぱり元々は冒険者だった。
現役の冒険者を続けていた母さんが半分出資して、引退した二人が運営する。
つまり共同で宿の経営をしていた。
母さんはたまに顔を出すだけで、実際に宿をまわしているのはアーロンさんと奥さんのマリアさんの二人。
1年くらい経って、評判の宿になった頃…、
そこに、傷ついた母さんが卵を抱えて帰って来たんだ。
二人は危険をかえりみずに、海王殿まで母さんに付き添ってくれた。
そして、二人が僕の育ての親になってくれたんだ。
母さんがどんなに凄くても、周りの人の協力が無ければ、僕は育たなかった。生きてさえいなかっただろう。
だから僕は、皆がいっしょにいてくれるだけでも、幸せだって思う。
子どもたちと僕は、宿の手伝いもするけど、ほとんどの時間、冒険者になるための勉強や、修行をさせてもらっていた。
15歳の成人式を迎えたら冒険者になる、そしてアーロン父さんとマリア母さんに恩返しをする。
僕と4人はずっとそう決めていて、同じ夢に向かって一緒に努力してきた。
僕は剣や槍は苦手だけど、弓も魔法も、大人達から太鼓判を押してもらった。
ロイドは盾槍士、マリエッタは魔癒師、シャロンは剣士で、レイチェルは魔術師。
この世界の先の先まで歩いて回ろう。
大人たちが話してくれたような冒険を、みんなでしよう。
そしていつか、二人が待つやどりぎの宿に、宝物を抱えてみんなで帰って、驚かせようって。
小さい頃はやっぱり、自分を生んだ母さんと話すことすらできない事で寂しいと思う瞬間もあったけど、海王殿に行けばいつでも母さんを見ることができたし、エルフェル様も可愛がってくれたし、マリエッタも、ずっと側にいた。
そう、マリエッタだ
マリエッタはロイドの双子の姉で、シャロンとレイチェルも双子。
一つしか違わないのに、僕を含めた年下の3人をいつも助けてくれた。
やさしくて、柔らかで、温かい。マリエッタは僕たちの…ううん、僕にとって、一番大切な人だった。
冒険が終わったその時、僕はマリエッタに、プロポーズをする。
マリエッタにも、そう言ってあった。10歳の時だった。
その時、マリエッタはやさしく微笑んで、可愛いソバカスの頬に手を当ててこう言ったんだ、『うれしいわ、クリス』って。
マリエッタと僕。
僕とマリエッタ。
冒険は二人の絆をきっともっと深くて強いものに育ててくれるはずだった
そして想いが絶頂に達した二人は、冒険で一番の宝物を見つけるんだ。
僕はそれを指輪にして、マリエッタに渡しながら
「僕の一番の宝物は君だよ」って言うんだって。
その夢はかなりの確率で難なく叶うはずだった…。
「クリス…、クリス、愛している」
壁に穴を開けたまま繋がり続けた僕とリューリャの身体はどろどろになって、月の光が僕たちをイヤらしく照らしていた。
どちらの体液かもわからないぬるぬるとしたなにかが、身体中を覆っていた。
リューリャの腰や舌が蠢くたびに、涙が溢れた。
あぁ、だって、気持ちがいいんだ。頭の中が、溶ける…
マリエッタなんて、どうでもいい、…
リューリャに精を注ぎ込まれながら、僕は記憶の波に沈んでいた。
まるで、それと僕の奥の何かが引き寄せあうかのように、トプン、と、白濁した海に半身を沈めていく。淫悦の泉が溢れ出す度に、僕の頭に記憶が押し上げられた。
はっきりした物だった記憶が途切れるようになったのは、13歳の誕生日から。
母さんが目を覚ましたと聞いて、僕は海王殿へ向かった。
母さんの側にたどり着いた瞬間から、なにかが変化した。
そこから、僕の感覚は、夢の中にいるみたいな、水中の深くに沈んでいくような、遠いものになった。
今度は僕が眠りにつくんだろうか、とぼうっと思った。
母さんと僕を行き来する、そんな呪いにでもかかっているんじゃないかって。それなら、母さんが起きる方がいい。僕はその、侵入してくる何もかもを受け入れるように腕を広げた。
呪いは存在する。人間が開発した魔法だ。
うとうとしながら、僕は海王殿の奥の、濃い水色に囲まれた空間で、母さんの目が僕を見るのを感じていた。
そこから、また、なにかが入ってくるのも。
母さんは、僕が産まれてから13年間ずっと眠っていた。
母さんの目を見たのは、だから、産まれて初めてだった。
綺麗だと思った。
夕闇色の髪から覗く金の瞳は、エキゾチックな顔や肌色に良く似合った。
「「僕を産んでくれてありがとう」」
水の膜の向こうで、自分から発した声が、反響して聞こえた。
そう、僕はずっと、それを言いたかったんだ。
そして記憶は歪んで、目の前には今の僕が立っていた。
壁の穴に、手を掲げた…今の僕が。
━━━━━━━━━
バタン、と勢いよく扉を開けたのは、━━━ロイド。
僕は思わずそろそろと、シーツにくるまるようにして顔を隠した。
子どもの頃から一緒に育った、兄みたいな存在のロイドに性交の跡を見られるのは、恥ずかしかった。
リューリャは、僕の身体をシーツの上から抱きしめて、隠してくれる。
「…今日は我がつがう番だ」
(…今日は?)
僕が頭を傾げるとロイドが低い声で唸るように言った。
「もう昨日だろ? 今日は俺の日だ!」
(……………はい?)
頭の上で、リューリャが低く唸った。
「っ…チッ、後で話がある」
「オラオラ、さっさと帰れ!穴を開けたのはお前か?塞いでいけよ!」
(え、待って…なんで?)
「…フン」
ロイドの筋肉質な腕がシーツごと僕を抱き上げる。
さすが盾槍士…いいな、筋肉、欲しい。ずるい、じゃなくて。
「さあ、風呂で身体中、隅々まで綺麗にしてやるからな」
そう言って、僕の頭のてっぺんにキスをした。
途端に、ロイドとの日々を思い出す。
身体が僕の頭を溶かして、何も考えられなくなって、僕は思考を止めた。
それでいいんだよ、と、誰かが囁いた気がした
今までの記憶がうろ覚えだと気づいたばかり。
僕の隣で眠っている竜種属のリューリャは、色気のある、格好いい男性で…僕の先生だった。
本当に小さな子どもの頃から知っている人なのに、初めは誰なのか、まったくわからなかった。
身体に触れられて、暖かな何かが身体中に広がって…そうして、僕はやっとリューリャの事を思い出したんだ。
そして、いつからかはどうしても思い出せなかったけど、恋人でもあるみたいで…。
そんな大切な事を思い出せないって、僕はどうしちゃったんだろう?
リューリャの背中には、小さく圧縮されたような羽がピタリと肌に沿う様に張りついていて、僕が動くとピクリと動く。
どうやら、僕たち有翼種族みたいには収納できないらしい。
出しっぱなしじゃ邪魔だし、しまえるのは凄く便利。
有翼種っていうのは、翼があって、しまったり出したりができる、人型の生き物全般を指す。大陸全体に広く行き来があるから、どこでも見かける自由な種族だ。僕みたいに、一所に住居や店舗を構えて動かない有翼種は少ない。僕だって、事情が無ければ、色々な場所に行って、たくさんの人たちと出会いたい。
知らない街を空から眺めるのは、きっとすごく楽しいだろうな…。
想像するだけでわくわくするよ。
僕は、リューリャの切れ長の瞳からまっすぐに伸びる睫毛を眺める。
長い睫毛は、白い肌に扇形の影を深く、濃く落としていて。
今にも、泣き出しそうに思えた。
リューリャの腕に抱き締められたまま、僕は身体を捻って、リューリャの頬にそっとキスをした。
竜種も、卵から生まれるのだろうか?
有翼種は卵で生まれる。
卵生の生き物は、卵の中で魂を得た瞬間から、身の回りの世界を観察してるって言われているんだ。
不思議なことだけど、僕は、子どもの時の記憶よりも鮮明に、僕が産まれるまでと、生まれた瞬間を覚えてる。
僕をおおっていたやわらかな何かが、硬かった壁を割り、裂き、通り抜けていった。
壁がキラキラ光って、虹色の光の粒にかわり、僕の肌にくっついてはスウ、と中に入ってくる、そして、それを見届けると、母さんがドサリと倒れたんだ。
「この子を、頼む」
それまで僕を守っていた声。
それが無くても、僕には彼女が母だとわかっていた。
母さんが必死で僕を連れ込んだのは海の中、海王殿の奥の奥。
お日さまの匂いがしない場所は、生まれて初めてだった。
それでも、僕はここが安心できる場所だとすぐにわかった。
僕を守るために、母さんはぼろぼろで、傷だらけだった。
僕は母さんの友人である人たちに預けられた。そして、すぐに海王様の愛し子としてしっかりと周知された。
愛し子っていうのは、神様の力を感じられるこの世界で、その加護を強く受ける者のこと。
神様が自分の眷属である各王に力を与えて、その王もまた、人に加護を与える。
神様が直接加護を与えるっていうこともあるけど、特別に『見える』人が調べない限りわからない。
反対に、実存して、国を持つ、神に選ばれた王が加護を与えるっていうのは、しっかりと周知される。国によっては、おふれを出すくらい。『手を出したら駄目』という抑止力になるんだ。
海王様が僕にそれをしたのは、そうしないと、空の女王に殺されてしまう可能性があったから、だったんだと思う。
母さんは、空の女王の19番目の姫さまで、女王候補の一人だった。
女王になる条件はただ一つ、つがいを作らず、一人で卵を生める事。
有翼種の女王が産む卵は王卵と呼ばれる。
つがいを必要としない卵だ。
女王が一人で産んだ卵の中に、次世代の女王の卵がひとつだけある。
でもそれは、見た目ではわからないらしい。
だから、たくさんの姫の中、たった一人の誰かが卵を産むまで、姫たちはつがいを作ることが許されないまま、城で閉じ込められて過ごす。30年から、長いときで100年。
有翼種の寿命は50年から100年。
それぞれの種族の王族を“王種”って呼ぶんだけど、王種は寿命が長くなる。
有翼王種だと、約300年から500年。
だから、まあ100年閉じ籠っていても、200年は残っているっていうこと。
(待遇は良いとはいえ、そんなの絶対つまらないだろうな…。空の上の城から出られず、地上を眺めるだけだなんて…そんなのは、嫌だ)
王卵から孵った雄は騎士となるための鍛練を積んで、成人した瞬間、外に出される。万が一にでも、間違いが起こってはいけないからだ。
しばらくして、母さんの姉、ビアンカが王卵を産み、姫たちは解放された。
ほとんどは結婚をしたけど、母さんのクローディアは結婚せず、冒険者になった。
空を自由に飛べる、それだけで幸せだと言っていたらしい。それを聞いて、僕は申し訳ない、そう思ったんだった。
(僕のせいで、クローディアは今も眠っているんだ)
王卵を産むのは、一人だけのはずだった。
王卵が産まれると、有翼種にはすぐにわかる。
守るべきものが産まれたという感覚が共有されるんだって。
一世代に女王は一人。
なのに、母さんは処女のまま、卵を宿してしまった。
それを正直に伝えた母さんに、17代目空の王になっていたビアンカは、母さんに卵を渡せと言ったそうだ。
もしくは、壊せ、と。
追っ手がかかったけど、母さんは逃げきって、僕は今、ここにいる。
空の女王が統べる、自由の国メルユーイには風神の加護があり、僕たちが逃げこんだロマリアには、水神の加護がある。
風神が水神を苦手にしていなければ、もしかしたら僕たちは引き摺り出されていたかもしれない。
その後、僕が狙われなかったのは男だからっていうことと、
僕を産んですぐにクローディアが眠り、ビアンカが王卵を産み続けているからだろうと、海王様が教えてくれた。
女王交代の卵ではなかったと認識された、ということなんだって。
でもそうなって以降も、母さんのところに有翼種の王族…つまり、家族が訪れた形跡は一切無い。
だから僕も、彼らとはかかわり合いになりたくない、と思ってる。
僕をここまで育てたのは、海王様、アーロン父さん、マリア母さん、旅人のお客さんたちや、それに近所のおじさん、おばさんだ。
ただ眠っているだけでも、母さんには感謝しているし、好きだよ。
ちゃんと親だと思ってるかって言われたら…正直、よくわからないんだけど。守らなきゃ、とは、思ってる。
海王様はエルフェル様といって、女神様がいたらこんな感じかな?って思うくらい、凄く綺麗な男の人だ。
透明な海の色の髪はサラサラで、抱きしめられるといい匂いがした。笑うと、キラキラして、本当に神々しいんだ。
他の人には真面目で厳しいんだけど、僕が海王殿で眠る母さんに会いに行くと、どんなに忙しくても時間をとってくれて、膝の上に乗せてくれた。
頭を撫でながら、母さんのことを教えてくれた。
王種のための学校で、同級生だったんだって。とはいえ、有翼種の姫はほとんど隔離された状態で、同じ空間にいても護衛に囲まれていて、初めて話したのは卒業後、冒険者になった時らしい。
そんな相手にしか助けを求められなかったんだな、と思うと、やっぱりすごく腹が立つ。
「恨んではならぬ。しかし、赦すことはない」
エルフェル様がそう言った時の顔は、悲しげでもあり、怒っているみたいでもあって、僕はエルフェル様の頭を撫でたんだった。
その時は子どもで、難しくてよくわからなかったけど、怒ってもいいけど恨むなっていうのは、僕の心を守るためだったんだと思う。
確かに、目の前に母さんを攻撃したやつらが来てヘラヘラしてたら、怒ると思う。一言言ってやりたい。殴るかも。そういう怒りは、消えないで残ってる。
でも、復讐してやる、とか、そういう気持ちは、多分無い。
皆から聞く母さんは自由で、楽しげで、凄腕の冒険者で。
もしやり返すなら、僕がやるより、母さんがやりたいと言ったら、だと思う。
とにかく、僕は母さんみたいになりたいと思ったんだよね。だから、僕は冒険者を目指していたんだ。
(15になって成人したら、冒険に出るはずだったんだよね…でも、僕は今18、だよね? 冒険者には、ならなかったんだろうか…)
パズルのピースがひとつずつはまっていくみたいに甦る、様々な人たちとの思い出の中にいる僕が、今現在に近づくにつれて、時折、目の前がくらくらと揺れた。
リューリャの胸に頭を寄せる。トクトクと鳴る心臓の音が心地よかった。
不意に、驚いたようにリューリャが僕の身体を引き離すと、不思議そうな顔で僕の瞳を覗きこんだ。
「…クリス…?」
「ごめん、えっと…くすぐったかった? 起こしちゃったね?」
僕は、リューリャの腕から逃れて、リューリャの頬に手を伸ばす。
ひんやりとした体温が心地よくて、思わず自分の頬を寄せて、火照ったままの唇で温度を確かめる。
「リューリャのほっぺ、冷たくて、気持ちいい」
「クリス…」
リューリャの瞳の金が戸惑う様に、それでも欲望でゆらゆらと揺れて、僕の腰に手回す。
僕の唇を確かめるように、何度も啄んで、冷たくて長い舌がそっと差し込まれると、僕はそれに応えるように舌を絡めた。
「……っ!」
僕の口内をリューリャの舌が犯す度に、僕の腰が揺れて、リューリャの、そこだけが熱くなった部分が足に押しつけられる。
「リューリャ…ぁ」
「…っ、クリス、…今日は、もう一度、抱いても良いか…?」
僕が頷くと、リューリャがはじめて、嬉しそうに破顔した。
(僕たち、恋人…なんだよね? だって、そういうこと、してるんだから…。喧嘩でもしてたのかな? それで壁に穴を開けた…?ぅう、頭がくらくらする。やっぱり順番に思い出さないと駄目なんだ…)
リューリャに愛されて、僕は意識を飛ばしながら、小さい頃の夢を見た。
僕が酷く泣いていて、アーロン父さん、マリア母さんに抱きあげられて、それでも泣き止まなくて。二人の子どもたちが、かわるがわる抱きしめてくれて。小さな手で、だから僕は、やっと泣き止んで…
二人の子どもと僕とは、本当に同じように、大切に育ててもらった。だから、本当に小さい子どもの頃は、二人のことをなんとなく両親だって勘違いしていたんだ
マリア母さんが寝物語で聞かせてくれた「勇者クローディア」が、自分の母親だと知って、体の奥が熱くなったのを覚えている。
その後、海王様の神殿の奥に毎日のように会いに行っていた綺麗な女の人がクローディアで、僕の母親なんだって、わかってはいたんだけど、頭の中で繋がって。
一つだけ寂しかったのは、アーロン父さんやマリア母さん、それに二人の子どものロイド、マリエッタ、シャロン、レイチェルと僕は本当の家族じゃなかった事。
でもその話を理解する前にも後にも、僕は家族じゃないなんて感じた事は無かったんだよね。だから救いがあった。
二人は母さんの友人で、やっぱり元々は冒険者だった。
現役の冒険者を続けていた母さんが半分出資して、引退した二人が運営する。
つまり共同で宿の経営をしていた。
母さんはたまに顔を出すだけで、実際に宿をまわしているのはアーロンさんと奥さんのマリアさんの二人。
1年くらい経って、評判の宿になった頃…、
そこに、傷ついた母さんが卵を抱えて帰って来たんだ。
二人は危険をかえりみずに、海王殿まで母さんに付き添ってくれた。
そして、二人が僕の育ての親になってくれたんだ。
母さんがどんなに凄くても、周りの人の協力が無ければ、僕は育たなかった。生きてさえいなかっただろう。
だから僕は、皆がいっしょにいてくれるだけでも、幸せだって思う。
子どもたちと僕は、宿の手伝いもするけど、ほとんどの時間、冒険者になるための勉強や、修行をさせてもらっていた。
15歳の成人式を迎えたら冒険者になる、そしてアーロン父さんとマリア母さんに恩返しをする。
僕と4人はずっとそう決めていて、同じ夢に向かって一緒に努力してきた。
僕は剣や槍は苦手だけど、弓も魔法も、大人達から太鼓判を押してもらった。
ロイドは盾槍士、マリエッタは魔癒師、シャロンは剣士で、レイチェルは魔術師。
この世界の先の先まで歩いて回ろう。
大人たちが話してくれたような冒険を、みんなでしよう。
そしていつか、二人が待つやどりぎの宿に、宝物を抱えてみんなで帰って、驚かせようって。
小さい頃はやっぱり、自分を生んだ母さんと話すことすらできない事で寂しいと思う瞬間もあったけど、海王殿に行けばいつでも母さんを見ることができたし、エルフェル様も可愛がってくれたし、マリエッタも、ずっと側にいた。
そう、マリエッタだ
マリエッタはロイドの双子の姉で、シャロンとレイチェルも双子。
一つしか違わないのに、僕を含めた年下の3人をいつも助けてくれた。
やさしくて、柔らかで、温かい。マリエッタは僕たちの…ううん、僕にとって、一番大切な人だった。
冒険が終わったその時、僕はマリエッタに、プロポーズをする。
マリエッタにも、そう言ってあった。10歳の時だった。
その時、マリエッタはやさしく微笑んで、可愛いソバカスの頬に手を当ててこう言ったんだ、『うれしいわ、クリス』って。
マリエッタと僕。
僕とマリエッタ。
冒険は二人の絆をきっともっと深くて強いものに育ててくれるはずだった
そして想いが絶頂に達した二人は、冒険で一番の宝物を見つけるんだ。
僕はそれを指輪にして、マリエッタに渡しながら
「僕の一番の宝物は君だよ」って言うんだって。
その夢はかなりの確率で難なく叶うはずだった…。
「クリス…、クリス、愛している」
壁に穴を開けたまま繋がり続けた僕とリューリャの身体はどろどろになって、月の光が僕たちをイヤらしく照らしていた。
どちらの体液かもわからないぬるぬるとしたなにかが、身体中を覆っていた。
リューリャの腰や舌が蠢くたびに、涙が溢れた。
あぁ、だって、気持ちがいいんだ。頭の中が、溶ける…
マリエッタなんて、どうでもいい、…
リューリャに精を注ぎ込まれながら、僕は記憶の波に沈んでいた。
まるで、それと僕の奥の何かが引き寄せあうかのように、トプン、と、白濁した海に半身を沈めていく。淫悦の泉が溢れ出す度に、僕の頭に記憶が押し上げられた。
はっきりした物だった記憶が途切れるようになったのは、13歳の誕生日から。
母さんが目を覚ましたと聞いて、僕は海王殿へ向かった。
母さんの側にたどり着いた瞬間から、なにかが変化した。
そこから、僕の感覚は、夢の中にいるみたいな、水中の深くに沈んでいくような、遠いものになった。
今度は僕が眠りにつくんだろうか、とぼうっと思った。
母さんと僕を行き来する、そんな呪いにでもかかっているんじゃないかって。それなら、母さんが起きる方がいい。僕はその、侵入してくる何もかもを受け入れるように腕を広げた。
呪いは存在する。人間が開発した魔法だ。
うとうとしながら、僕は海王殿の奥の、濃い水色に囲まれた空間で、母さんの目が僕を見るのを感じていた。
そこから、また、なにかが入ってくるのも。
母さんは、僕が産まれてから13年間ずっと眠っていた。
母さんの目を見たのは、だから、産まれて初めてだった。
綺麗だと思った。
夕闇色の髪から覗く金の瞳は、エキゾチックな顔や肌色に良く似合った。
「「僕を産んでくれてありがとう」」
水の膜の向こうで、自分から発した声が、反響して聞こえた。
そう、僕はずっと、それを言いたかったんだ。
そして記憶は歪んで、目の前には今の僕が立っていた。
壁の穴に、手を掲げた…今の僕が。
━━━━━━━━━
バタン、と勢いよく扉を開けたのは、━━━ロイド。
僕は思わずそろそろと、シーツにくるまるようにして顔を隠した。
子どもの頃から一緒に育った、兄みたいな存在のロイドに性交の跡を見られるのは、恥ずかしかった。
リューリャは、僕の身体をシーツの上から抱きしめて、隠してくれる。
「…今日は我がつがう番だ」
(…今日は?)
僕が頭を傾げるとロイドが低い声で唸るように言った。
「もう昨日だろ? 今日は俺の日だ!」
(……………はい?)
頭の上で、リューリャが低く唸った。
「っ…チッ、後で話がある」
「オラオラ、さっさと帰れ!穴を開けたのはお前か?塞いでいけよ!」
(え、待って…なんで?)
「…フン」
ロイドの筋肉質な腕がシーツごと僕を抱き上げる。
さすが盾槍士…いいな、筋肉、欲しい。ずるい、じゃなくて。
「さあ、風呂で身体中、隅々まで綺麗にしてやるからな」
そう言って、僕の頭のてっぺんにキスをした。
途端に、ロイドとの日々を思い出す。
身体が僕の頭を溶かして、何も考えられなくなって、僕は思考を止めた。
それでいいんだよ、と、誰かが囁いた気がした
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