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1話完結
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名前のない病名
僕の余命は残り数週間。
やり残したことはリア充になること。
ーー大切な人が欲しかった幸せにしたかった
もうすぐ死ぬ僕が幸せになんてできないけどな。
*病室102号にて*
葉が色づく時期、僕は一人静かで寂しい病室にいた。
僕は草彅 露来(くさなぎ つゆき)。一人は嫌だと言ったのに母は一人部屋にしたのだ。
「彼女…欲しかったな」
とぼそっと呟いた。
僕の病気はよくはわからない。親と先生達が教えてくれないのだ。実は余命なんて知らされていない。何故知っているかというと、一週間前の真夜中のことだった。
消灯時間も過ぎ暗くなった頃、僕はトイレに行くべく病棟の廊下を歩いていた。するとどこからか声が聞こえてきた。
「息子の…露来の余命はあと1ヶ月しかないんですか………。」
僕は聞いてしまった。まさかあと1ヶ月しか生きれないなんて……一年前は死にたいとか軽々しく言っていた。ただ今は死ぬのが嫌だ。生きたい。
そのことからもう一週間は過ぎた。死が迫ってくる。
やることもなく僕は寝ることにした。
僕は広い草原にいた。
「ここは…夢…?」
すると聞き覚えのあるような男の人の声が聞こえた。
「やぁ、露来君。久しぶりじゃないかな?」
何故僕の名前を知っている、何者なんだ…?久しぶりってどういうことだ…しかもここは夢なのか?
「ごめんねーここは天国?と言われる場所でねぇー」
え…
「はぁ!???えっ僕死んだの!???早くない!??んぐ」
こっ…声が出ない!??
「うるさいから黙ってよ。」
鋭い視線を感じた。この人怖い。
「あんたはまず死んではない。意識だけ持ってきた。バレないように。」
何者なんだよ…(2回目)
「わたしは死神と呼ばれるもの。あんたに用があって呼んだんだ。」
僕に用って…?
「あんたの友達が『露来の寿命を延ばしてくれ』って頼みに来たんだ。」
僕の友達って名乗る奴はあいつしかいない。
「もしかして…星瑛?」
死神と名乗る男がニヤッと笑い言った。
「ご名答♪って訳で何十年伸ばすかなー。ってか待てよ…え(笑)」
最後の笑いなんなんだよ。しかも寿命延ばすとか何言ってんだ。厨二病???
「え。そんなこと言ったら延ばすのやめるぞ」
あっすみませんでした!!(まだ信じられないけど)
「あんたのやりたいことできるようにしたからな。もし、死にたいとか思ったら命取りに行ってやるから、わたしのこと覚えとけ。じゃあそろそろ時間だ。」
えっ…えぇ!???
待ってくれ…僕はまだ聞きたいこt…………
目の前が暗くなり、僕は眠りに落ちた。
「あれは夢だよな…うん。そうだ。死神が寿命を延ばすとかないもんな。」
すると目の前には見覚えのある顔と知らないがものすごく可愛らしい女の子がいた。
「え…?何?お前焉ちゃんに振られて新しい彼女作ったの?」
星瑛が物凄く低い声で言った。
「は?俺が焉に振られるとでも思ったか。この子は俺がこの病室に入ろうとした時に声をかけてきた子。名前はさっき知った。」
ほげぇ…。なんでだろー。ってかよく見るとすげぇ可愛い…。上から下にかけてグラデーションのように茶髪がかかっていて、髪の長さは腰ぐらいまである。身長が小さく、肌は絹のように白く、海のような瞳はすごく綺麗だ。
ほげぇ…と見つめてるとその女の子が口を開いた。
「きっ….急に来てすみません!!廊下を歩いてるとことか見てかっこいいなって思って…あ!!私の名前は時遠 鳴です!!本当にすみません!!」
かっこいい…?え、言われたことないから嬉しいな。
「僕も鳴さんのこと可愛らしいと思ってます。あ。僕の名前は露来です。呼び捨てでいいですよ?」
「だったら私も呼び捨てで構わないです!」
と話してるとスクっと星瑛が立ち上がった。
「あー俺、今から焉と遊ぶから行くわぁ」
と言って病室から出て行った。
「あっあの!!よかったら私と友達になってくれませんか!!?」
その一言から僕の運命は変わることになった。
*病室103号にて*
「へぇ~鳴は病室隣だったんだね」
ここは鳴の病室だ。一応鳴も入院していたらしい。
「私は大体1ヶ月後には退院する予定なの。だけど学校にはまだ行けないみたい…。」
僕は1ヶ月後には死んでるかもしれない。でもそれは言わないで置くことにした。
「そういえばさ、ここの病棟の廊下で真夜中に綺麗な紅葉が観れるの知ってた?」
すると鳴の顔が明るくなり、
「観てみたい!!」
と言われた。
僕も久しぶりに観たいので、夜中にこっそり抜け出すことにした。
その日の夜、僕は約束通り廊下に出た。すると隣の病室から鳴が出てきた。
「ちょうど僕も今出てきたところそれじゃあ行こうか。」
月明かりが綺麗だ。こんな幻想的な異世界みたいな光景が病院の窓から見えるとは思わなかった。
そして何よりも隣に立っている鳴がすごく綺麗だ。ライトアップされた紅葉がバックになっていつもより少し大人っぽく見える。
少しの間見ていたら目があった。隣にいた鳴は下を向きポツリとこう呟いた。
「好き…」
ん??僕は十秒以上思考が停止した。
鳴の耳が真っ赤だ。
僕…今告られた…?もうすぐ終わる人生で最後の願いが…?確かに鳴のことは好きだ。
ーーよく考えろ僕、あと数週間で死ぬ僕が鳴を幸せにできるのか?
ーー答えはNO。
でもここで断ってしまったら……
『あんたのやりたいことやれるようにした』
あれは嘘かも知れない。でも…………
「ごめん。鳴、僕じゃ隣にいられないかも知れないけど僕でいいなら…」
すると鳴が僕の目を見て言った。
「露来がいいのッ!!」
僕はびっくりした。そんなこと言われるとは思わなかった。
「いつかは泣かせるかも知れない、もしかしたら1人にするかも知れないけど本当にいいの?」
鳴は頷いた。
そして鳴は
「露来の彼女になりたい。」
と言った。
僕は鳴を幸せにしてあげたいと思った。このまま「はい」と言えばよかったのに。
僕が告げた言葉は
「今週末まで考えさせて」
だった。
そのままここに居られるはずもなく、僕は鳴を廊下に残し、病室に戻ったのだった。
*露来の寿命*
すぅぅぅぅ
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"(泣)」
「静かにして!!」
今日は母がお見舞いに来ていた。
そして僕は猛反省中である。もちろん昨日の夜のことである。
そうやって僕が深い深いため息をついてると母が話をし始めた。
「そういえば、露来今日病室の前に小さい女の子がいたけど…友達?」
ビックゥと僕は飛び跳ねた。それ絶対鳴じゃん。
「もしかして…彼女?」
とニヤニヤしながら聞かれた。
でも僕はそんなことも気にせず無言でドアの方を見た。
すると隣の部屋から
「ギャア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」
という叫びが聞こえた。
鳴の声だ…。
僕は真っ先に駆け出した。
「鳴ッ!!」
鳴は涙目でこう言った。
「露来ぃ…ゴキ○リがぁ……。」
ゴキ○…
「取り敢えず僕の部屋くる?」
鳴は首を縦に振った。
「露来その子、今日の朝の子よ!!露来の彼女なの?」
鳴は少し暗い顔をした。
僕はもうここで言ってしまった方がいいと思い
「そうだよ」
と答えたのだった。
「やっぱり!??あ!お父さんにも伝えなきゃね☆じゃあね!!」
と去って行ったのであった。
鳴がボソボソ話し始めた。
「私って露来の彼女ってことでいいの?」
まぁ…そう言うことになるね。
「あ。私もうすぐお母さん来るから病室に戻るね!!」
それから毎日楽しかった。
そして僕はもうあと一日しか生きれない。
眠ったら死ぬのかな。怖い。生きたい。
意識が遠のく。
『やっぱり駄目かな。』
「…来!馬鹿かよっ!」
ふぁっ!??馬鹿?!なんだよ急に…って死神…?
「あんた生きたいって言ってるくせにやっぱり駄目かなっては?馬鹿?わたしが寿命延ばしたって言ったろ???」
ガチの死神の説教怖え…。
「ちゃんと鳴を幸せにしてから死ねや。それまでは魂受け付けないからな??」
ってことは悪霊になってしまう…やだそれは。
「今度こそ死ぬ時までさよならだからね?」
うん。信じる。僕は生きるから。
そして僕は戻る前にこんな言葉が聞こえた。
「頑張れよ」
と………。
「露来!??生きてる!?」
目の前にはお母さんとお父さんと鳴がいた。
「露来…よかった…。さっきまで意識不明だったんだよ!??」
すごく心配そうな顔をしている。
だが僕は死神と約束したんだ。
これからまだまだ先は長い。
*新しい生活*
僕はその後、徐々に体調が良くなっていき、退院できた。その一週間後学校に行けるまでに回復して久しぶりに学校に行くことになった。
「おー星瑛、焉ちゃんおはよー。」
何故か遅刻魔が朝早くにいるのは聞かないでおこう。
「本当に久しぶりだねぇー露来君!!そして今日は私も何故か来るのが早いのだ!!」
あ。自分で何故かなのね。
「…露来?もしかして露来!?」
この聞き馴染みのある、でも久しぶりに聞いた声は……。
「鳴!?」
すると焉ちゃんがニヤニヤしながら聞いてきた。
「露来君、入院してる間に彼女出来たのぉー?可愛い彼女さんだねぇ。名前鳴って言うんだぁー?よろしくね鳴ちゃん!!」
鳴は少し戸惑いながらも
「はい!喜んで、焉さん!!」
と答えたのだった。
こんな現実味のない話、信じられないかも知れない。でも僕の寿命を延ばしてくれたのはあの死神しかいないであろう。
生きたいと思ったらいつかは誰かが手を差し伸べてくれる。
生きれない人のためにも今日を楽しく生きてほしい。
僕はこれから精一杯生きて大切な人を幸せにするんだ。
*END*
僕の余命は残り数週間。
やり残したことはリア充になること。
ーー大切な人が欲しかった幸せにしたかった
もうすぐ死ぬ僕が幸せになんてできないけどな。
*病室102号にて*
葉が色づく時期、僕は一人静かで寂しい病室にいた。
僕は草彅 露来(くさなぎ つゆき)。一人は嫌だと言ったのに母は一人部屋にしたのだ。
「彼女…欲しかったな」
とぼそっと呟いた。
僕の病気はよくはわからない。親と先生達が教えてくれないのだ。実は余命なんて知らされていない。何故知っているかというと、一週間前の真夜中のことだった。
消灯時間も過ぎ暗くなった頃、僕はトイレに行くべく病棟の廊下を歩いていた。するとどこからか声が聞こえてきた。
「息子の…露来の余命はあと1ヶ月しかないんですか………。」
僕は聞いてしまった。まさかあと1ヶ月しか生きれないなんて……一年前は死にたいとか軽々しく言っていた。ただ今は死ぬのが嫌だ。生きたい。
そのことからもう一週間は過ぎた。死が迫ってくる。
やることもなく僕は寝ることにした。
僕は広い草原にいた。
「ここは…夢…?」
すると聞き覚えのあるような男の人の声が聞こえた。
「やぁ、露来君。久しぶりじゃないかな?」
何故僕の名前を知っている、何者なんだ…?久しぶりってどういうことだ…しかもここは夢なのか?
「ごめんねーここは天国?と言われる場所でねぇー」
え…
「はぁ!???えっ僕死んだの!???早くない!??んぐ」
こっ…声が出ない!??
「うるさいから黙ってよ。」
鋭い視線を感じた。この人怖い。
「あんたはまず死んではない。意識だけ持ってきた。バレないように。」
何者なんだよ…(2回目)
「わたしは死神と呼ばれるもの。あんたに用があって呼んだんだ。」
僕に用って…?
「あんたの友達が『露来の寿命を延ばしてくれ』って頼みに来たんだ。」
僕の友達って名乗る奴はあいつしかいない。
「もしかして…星瑛?」
死神と名乗る男がニヤッと笑い言った。
「ご名答♪って訳で何十年伸ばすかなー。ってか待てよ…え(笑)」
最後の笑いなんなんだよ。しかも寿命延ばすとか何言ってんだ。厨二病???
「え。そんなこと言ったら延ばすのやめるぞ」
あっすみませんでした!!(まだ信じられないけど)
「あんたのやりたいことできるようにしたからな。もし、死にたいとか思ったら命取りに行ってやるから、わたしのこと覚えとけ。じゃあそろそろ時間だ。」
えっ…えぇ!???
待ってくれ…僕はまだ聞きたいこt…………
目の前が暗くなり、僕は眠りに落ちた。
「あれは夢だよな…うん。そうだ。死神が寿命を延ばすとかないもんな。」
すると目の前には見覚えのある顔と知らないがものすごく可愛らしい女の子がいた。
「え…?何?お前焉ちゃんに振られて新しい彼女作ったの?」
星瑛が物凄く低い声で言った。
「は?俺が焉に振られるとでも思ったか。この子は俺がこの病室に入ろうとした時に声をかけてきた子。名前はさっき知った。」
ほげぇ…。なんでだろー。ってかよく見るとすげぇ可愛い…。上から下にかけてグラデーションのように茶髪がかかっていて、髪の長さは腰ぐらいまである。身長が小さく、肌は絹のように白く、海のような瞳はすごく綺麗だ。
ほげぇ…と見つめてるとその女の子が口を開いた。
「きっ….急に来てすみません!!廊下を歩いてるとことか見てかっこいいなって思って…あ!!私の名前は時遠 鳴です!!本当にすみません!!」
かっこいい…?え、言われたことないから嬉しいな。
「僕も鳴さんのこと可愛らしいと思ってます。あ。僕の名前は露来です。呼び捨てでいいですよ?」
「だったら私も呼び捨てで構わないです!」
と話してるとスクっと星瑛が立ち上がった。
「あー俺、今から焉と遊ぶから行くわぁ」
と言って病室から出て行った。
「あっあの!!よかったら私と友達になってくれませんか!!?」
その一言から僕の運命は変わることになった。
*病室103号にて*
「へぇ~鳴は病室隣だったんだね」
ここは鳴の病室だ。一応鳴も入院していたらしい。
「私は大体1ヶ月後には退院する予定なの。だけど学校にはまだ行けないみたい…。」
僕は1ヶ月後には死んでるかもしれない。でもそれは言わないで置くことにした。
「そういえばさ、ここの病棟の廊下で真夜中に綺麗な紅葉が観れるの知ってた?」
すると鳴の顔が明るくなり、
「観てみたい!!」
と言われた。
僕も久しぶりに観たいので、夜中にこっそり抜け出すことにした。
その日の夜、僕は約束通り廊下に出た。すると隣の病室から鳴が出てきた。
「ちょうど僕も今出てきたところそれじゃあ行こうか。」
月明かりが綺麗だ。こんな幻想的な異世界みたいな光景が病院の窓から見えるとは思わなかった。
そして何よりも隣に立っている鳴がすごく綺麗だ。ライトアップされた紅葉がバックになっていつもより少し大人っぽく見える。
少しの間見ていたら目があった。隣にいた鳴は下を向きポツリとこう呟いた。
「好き…」
ん??僕は十秒以上思考が停止した。
鳴の耳が真っ赤だ。
僕…今告られた…?もうすぐ終わる人生で最後の願いが…?確かに鳴のことは好きだ。
ーーよく考えろ僕、あと数週間で死ぬ僕が鳴を幸せにできるのか?
ーー答えはNO。
でもここで断ってしまったら……
『あんたのやりたいことやれるようにした』
あれは嘘かも知れない。でも…………
「ごめん。鳴、僕じゃ隣にいられないかも知れないけど僕でいいなら…」
すると鳴が僕の目を見て言った。
「露来がいいのッ!!」
僕はびっくりした。そんなこと言われるとは思わなかった。
「いつかは泣かせるかも知れない、もしかしたら1人にするかも知れないけど本当にいいの?」
鳴は頷いた。
そして鳴は
「露来の彼女になりたい。」
と言った。
僕は鳴を幸せにしてあげたいと思った。このまま「はい」と言えばよかったのに。
僕が告げた言葉は
「今週末まで考えさせて」
だった。
そのままここに居られるはずもなく、僕は鳴を廊下に残し、病室に戻ったのだった。
*露来の寿命*
すぅぅぅぅ
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"(泣)」
「静かにして!!」
今日は母がお見舞いに来ていた。
そして僕は猛反省中である。もちろん昨日の夜のことである。
そうやって僕が深い深いため息をついてると母が話をし始めた。
「そういえば、露来今日病室の前に小さい女の子がいたけど…友達?」
ビックゥと僕は飛び跳ねた。それ絶対鳴じゃん。
「もしかして…彼女?」
とニヤニヤしながら聞かれた。
でも僕はそんなことも気にせず無言でドアの方を見た。
すると隣の部屋から
「ギャア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」
という叫びが聞こえた。
鳴の声だ…。
僕は真っ先に駆け出した。
「鳴ッ!!」
鳴は涙目でこう言った。
「露来ぃ…ゴキ○リがぁ……。」
ゴキ○…
「取り敢えず僕の部屋くる?」
鳴は首を縦に振った。
「露来その子、今日の朝の子よ!!露来の彼女なの?」
鳴は少し暗い顔をした。
僕はもうここで言ってしまった方がいいと思い
「そうだよ」
と答えたのだった。
「やっぱり!??あ!お父さんにも伝えなきゃね☆じゃあね!!」
と去って行ったのであった。
鳴がボソボソ話し始めた。
「私って露来の彼女ってことでいいの?」
まぁ…そう言うことになるね。
「あ。私もうすぐお母さん来るから病室に戻るね!!」
それから毎日楽しかった。
そして僕はもうあと一日しか生きれない。
眠ったら死ぬのかな。怖い。生きたい。
意識が遠のく。
『やっぱり駄目かな。』
「…来!馬鹿かよっ!」
ふぁっ!??馬鹿?!なんだよ急に…って死神…?
「あんた生きたいって言ってるくせにやっぱり駄目かなっては?馬鹿?わたしが寿命延ばしたって言ったろ???」
ガチの死神の説教怖え…。
「ちゃんと鳴を幸せにしてから死ねや。それまでは魂受け付けないからな??」
ってことは悪霊になってしまう…やだそれは。
「今度こそ死ぬ時までさよならだからね?」
うん。信じる。僕は生きるから。
そして僕は戻る前にこんな言葉が聞こえた。
「頑張れよ」
と………。
「露来!??生きてる!?」
目の前にはお母さんとお父さんと鳴がいた。
「露来…よかった…。さっきまで意識不明だったんだよ!??」
すごく心配そうな顔をしている。
だが僕は死神と約束したんだ。
これからまだまだ先は長い。
*新しい生活*
僕はその後、徐々に体調が良くなっていき、退院できた。その一週間後学校に行けるまでに回復して久しぶりに学校に行くことになった。
「おー星瑛、焉ちゃんおはよー。」
何故か遅刻魔が朝早くにいるのは聞かないでおこう。
「本当に久しぶりだねぇー露来君!!そして今日は私も何故か来るのが早いのだ!!」
あ。自分で何故かなのね。
「…露来?もしかして露来!?」
この聞き馴染みのある、でも久しぶりに聞いた声は……。
「鳴!?」
すると焉ちゃんがニヤニヤしながら聞いてきた。
「露来君、入院してる間に彼女出来たのぉー?可愛い彼女さんだねぇ。名前鳴って言うんだぁー?よろしくね鳴ちゃん!!」
鳴は少し戸惑いながらも
「はい!喜んで、焉さん!!」
と答えたのだった。
こんな現実味のない話、信じられないかも知れない。でも僕の寿命を延ばしてくれたのはあの死神しかいないであろう。
生きたいと思ったらいつかは誰かが手を差し伸べてくれる。
生きれない人のためにも今日を楽しく生きてほしい。
僕はこれから精一杯生きて大切な人を幸せにするんだ。
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