産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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1年生冬休み

12月27日(月)雪のち晴れ 清水夢愛との冬散歩

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 冬休み3日目。昨日の就寝から約4時間後の7時半頃、LINEの通知音が数回鳴り響く。これは全く自慢じゃないけど、僕は目覚ましは一回鳴ると起きられるタイプだ。だから、そんな音でも普通に目を覚ましてしまった。
 そして、その内容は寝ぼけた頭でも少しだけ予想できるものだった。

――良助、散歩行かないか?

 そのメッセージとスタンプが数個ほど清水先輩から送られていた。僕はのそりと起き上がって返事を打ち始める。

 それから30分後。学校近くのコンビニに到着すると清水先輩は今日も元気そうに待ち構えていた。

「おはよう……なんだ、良助。めっちゃくちゃ機嫌悪そうじゃないか」

「いえ。眠いだけです」

 別に断っても良かったんだろうけど、誘ってくれたなら行きたいと思った。だけど、顔は正直なので夜更かしの反動が出ていたようだ。昨日言ってくれればもう少し早く切り上げられたけど、清水先輩にも都合があるから仕方ない。

「夏休みの時もそんな感じだったな。あの時は暑いからそうなっていた気がするが」

「今回の昨日夜遅くまで起きてたせいなので。清水先輩は休みの日はいつ頃寝てるんですか?」

「基本は日付変わる前に寝てるな。夜更かしはお肌の大敵……って小織が言ってた。私自身は特に理由がなければお風呂に入って、ちょっと体をほぐして、あとは自然な流れで眠りにつく感じだ」

「……参考にします。僕、このまま行くと不健康な冬休みまっしぐらなんで」

「ははっ。別に用があるなら夜更かししてもいいじゃないか。そうだな、私も今夜あたりやってみるか」

 清水先輩は割と本気で言ってそうだった。用がないのに夜更かしするのは苦行な気もするけど、せっかくやる気になっているなら止めるのは野暮だろう。

「それはそれとして、寒いですね。ここら辺は雪がぱらついているだけですけど、もう少し北側は雪が積もってるって出る前のニュースで見ました」

「そうらしいな。雪が積もるなんて……羨ましい限りだ」

「えっ?」

「え?」

 予想していた答えと違ったので僕はちょっと驚いてしまった。

「雪積もると不便だと思うんですけど……」

「でも、雪だるま作ったり、雪合戦できたりするぞ?」

「うーん……もうそういうのでテンションは上がらないです」

「……それじゃあ、そういうので喜べる私が子供っぽいみたいじゃないか」

「す、すみません」

「いや、別に謝らなくてもいいぞ。単に私があんまりやったことないから何となく憧れがあるんだ。色んな雪遊び」

 清水先輩は恐らく昔を思い出しながら言う。この辺りは過去に雪が積もったことがあるけど、清水先輩はそのタイミングでは雪遊びはしていなかった。いや、やりたくてもできなかったのかもしれない。何せ公園で遊んだことがないくらいなのだから。

「じゃあ、スキーにも行ったことないんですか?」

「ないな。良助はあるのか?」

「小学生くらいの時に一度だけ。両親が一回くらい連れて行きたいって思ったらしいんですけど、その日はスキー場付近がめちゃくちゃ吹雪いてた日で、家族満場一致でもう行かなくていいかなってなったんです」

「へー 良助のご両親は……そういう風によく遠出する感じだったのか?」

「まぁ、小さい頃はちょくちょくあった気がします。でも、基本は家にいることが多かったですし、今だと遠出は祖父母の家に行く時くらいです。うちの家族は妹以外は結構出不精なんで」

「そうなのか……ん? 妹以外ということは良助も出かけたくないタイプ……?」

「あっ!? いえ、散歩とか軽い外出なら全然大丈夫ですよ!?」

 慌てて否定する僕を見て清水先輩は笑う。全く考えずに出不精なんて言ってしまった。

「それならこの休み中も行くとすればその祖父母の家くらいか?」

「はい。年明けに京都の方へ行く予定です。あっ、この前は渡すタイミングないと思ってたんですけど、今回は清水先輩にお土産買ってきます」

「おお。なんか催促したみたいで悪いな。でも、楽しみにしているよ。私も……まだ予定はできてないが、里帰りすることがあったら何か探しておこう」

 そんな話をしながら僕と清水先輩は1時間ほど適当に歩いた。夏休み以来の散歩は途中で粉雪が散ることもあったけど、段々と目が覚めると冷たい空気が気持ちよく感じる。
 清水先輩に誘われなくても健康的な冬休みにするため、明日から散歩してみてもいいかもしれない……と一瞬だけ思ったけど、帰ってからコタツに入るとその決意はかなり揺らいでしまった。
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