287 / 942
1年生3学期
1月15日(土)晴れ カラオケは何度でも楽しい
しおりを挟む
ようやく晴れ間が見えた土曜日。今日は全国共通テストの1日目が開催される。ただ、3年生の知り合いが文芸部の新山先輩しかおらず、その新山先輩とも絡みが多いわけではないからどこか他人事のように感じていた。
しかし、蓋を開けてみるとこの試験日は世間的に様々な騒動を引き起こしてしまった。うちの県内では特に何事もなかったから良かったものの、来年に受けるであろう現2年生の先輩方や再来年に受ける自分たちにとっても考えてなくてはならない問題だ。
「4人で休みの日に遊ぶのも久々だなー」
そんな真面目なことを書いているけど、この日の僕はいつメンとカラオケに遊びに来ていた。遊ぶ約束した時点ならさっきも書いた通り他人事で、そんなことが起こるだなんて思っていなかったからしょうがないことだ。
「それじゃあ、どんどん歌っていこうか。遊べる時間は限られてるし」
松永がそう言うと入力機器を回し始める。僕としてはカラオケの方も久しぶりだったけど、この4人でカラオケへ行く回数はある方だから何を歌おうか迷ってしまう。歌えるレパートリーはそれほど多くないので毎回同じ曲ばかり歌ってしまいがちだ。
「おっ、これCMの曲か。もう入ってたんだな」
「そうそう。たぶん2番わからんから適当になっちゃうけど。ぽんちゃんも一緒に歌ってもいいよ?」
その誘いを本田くんは断ると、松永は「照れっちゃってー」と言いながら歌い始める。僕が同じ曲を歌っていると思ってしまうのは、反対に松永が毎回違う曲を歌っているからだ。カラオケが好きだから最新曲にアンテナを張っているのはあるだろうけど、僕が何となくわかる曲をだいたい歌えるのは凄いことだと思う。
「う、産賀くんはこの曲知ってる……?」
「うん。確か……不動産のCMの曲」
「そ、そうなんだ。全然知らなかった……」
それに対して大倉くんは基本的にテレビはあまり見ないことから松永の選曲に引っかからないこともあるようだ。でも、大倉くんはネット上で流行っている曲を持ち込んでくるから選曲的には飽きがこない。
「……良ちゃん、オレ一旦パス」
「えっ!? そう言われても僕も特に新曲は……」
こういう場面で選曲に詰まって入力機器を止めるのは僕か本田くんだった。二人とも全く新曲を聞かないわけじゃないけど、自分で歌えるかは別だと思っているし、結局気に入っている曲を聴いている回数の方が多くなってしまうから困ってしまうのだ。
そんな二人のやり取りを見て松永はツッコミを入れる。
「いやいや、別に新曲縛りしてるわけじゃないから。二人とも十八番を歌えばいいんだよ」
「十八番と呼べる歌がない。良ちゃんはあるのか?」
「たぶん……ない。ちょっと考えるから先に入れてても……」
「俺の言い方が悪かった。下手くそでも1番だけでもいいから自由に入れていいんだよ」
「ふ、二人ともそういうところは変に真面目なことあるよね」
大倉くんにそう指摘されて、僕と本田くんはちょっと申し訳なくなって小さくなってしまい、それを見た松永と大倉くんは笑った。
世間では色々起こった日ではあったけど、3学期が始まってからまた4人でこういう雰囲気で今日を楽しめているのは本当に良かったと思う。
しかし、蓋を開けてみるとこの試験日は世間的に様々な騒動を引き起こしてしまった。うちの県内では特に何事もなかったから良かったものの、来年に受けるであろう現2年生の先輩方や再来年に受ける自分たちにとっても考えてなくてはならない問題だ。
「4人で休みの日に遊ぶのも久々だなー」
そんな真面目なことを書いているけど、この日の僕はいつメンとカラオケに遊びに来ていた。遊ぶ約束した時点ならさっきも書いた通り他人事で、そんなことが起こるだなんて思っていなかったからしょうがないことだ。
「それじゃあ、どんどん歌っていこうか。遊べる時間は限られてるし」
松永がそう言うと入力機器を回し始める。僕としてはカラオケの方も久しぶりだったけど、この4人でカラオケへ行く回数はある方だから何を歌おうか迷ってしまう。歌えるレパートリーはそれほど多くないので毎回同じ曲ばかり歌ってしまいがちだ。
「おっ、これCMの曲か。もう入ってたんだな」
「そうそう。たぶん2番わからんから適当になっちゃうけど。ぽんちゃんも一緒に歌ってもいいよ?」
その誘いを本田くんは断ると、松永は「照れっちゃってー」と言いながら歌い始める。僕が同じ曲を歌っていると思ってしまうのは、反対に松永が毎回違う曲を歌っているからだ。カラオケが好きだから最新曲にアンテナを張っているのはあるだろうけど、僕が何となくわかる曲をだいたい歌えるのは凄いことだと思う。
「う、産賀くんはこの曲知ってる……?」
「うん。確か……不動産のCMの曲」
「そ、そうなんだ。全然知らなかった……」
それに対して大倉くんは基本的にテレビはあまり見ないことから松永の選曲に引っかからないこともあるようだ。でも、大倉くんはネット上で流行っている曲を持ち込んでくるから選曲的には飽きがこない。
「……良ちゃん、オレ一旦パス」
「えっ!? そう言われても僕も特に新曲は……」
こういう場面で選曲に詰まって入力機器を止めるのは僕か本田くんだった。二人とも全く新曲を聞かないわけじゃないけど、自分で歌えるかは別だと思っているし、結局気に入っている曲を聴いている回数の方が多くなってしまうから困ってしまうのだ。
そんな二人のやり取りを見て松永はツッコミを入れる。
「いやいや、別に新曲縛りしてるわけじゃないから。二人とも十八番を歌えばいいんだよ」
「十八番と呼べる歌がない。良ちゃんはあるのか?」
「たぶん……ない。ちょっと考えるから先に入れてても……」
「俺の言い方が悪かった。下手くそでも1番だけでもいいから自由に入れていいんだよ」
「ふ、二人ともそういうところは変に真面目なことあるよね」
大倉くんにそう指摘されて、僕と本田くんはちょっと申し訳なくなって小さくなってしまい、それを見た松永と大倉くんは笑った。
世間では色々起こった日ではあったけど、3学期が始まってからまた4人でこういう雰囲気で今日を楽しめているのは本当に良かったと思う。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる