産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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1年生3学期

1月15日(土)晴れ カラオケは何度でも楽しい

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 ようやく晴れ間が見えた土曜日。今日は全国共通テストの1日目が開催される。ただ、3年生の知り合いが文芸部の新山先輩しかおらず、その新山先輩とも絡みが多いわけではないからどこか他人事のように感じていた。
 しかし、蓋を開けてみるとこの試験日は世間的に様々な騒動を引き起こしてしまった。うちの県内では特に何事もなかったから良かったものの、来年に受けるであろう現2年生の先輩方や再来年に受ける自分たちにとっても考えてなくてはならない問題だ。

「4人で休みの日に遊ぶのも久々だなー」

 そんな真面目なことを書いているけど、この日の僕はいつメンとカラオケに遊びに来ていた。遊ぶ約束した時点ならさっきも書いた通り他人事で、そんなことが起こるだなんて思っていなかったからしょうがないことだ。

「それじゃあ、どんどん歌っていこうか。遊べる時間は限られてるし」

 松永がそう言うと入力機器を回し始める。僕としてはカラオケの方も久しぶりだったけど、この4人でカラオケへ行く回数はある方だから何を歌おうか迷ってしまう。歌えるレパートリーはそれほど多くないので毎回同じ曲ばかり歌ってしまいがちだ。

「おっ、これCMの曲か。もう入ってたんだな」

「そうそう。たぶん2番わからんから適当になっちゃうけど。ぽんちゃんも一緒に歌ってもいいよ?」

 その誘いを本田くんは断ると、松永は「照れっちゃってー」と言いながら歌い始める。僕が同じ曲を歌っていると思ってしまうのは、反対に松永が毎回違う曲を歌っているからだ。カラオケが好きだから最新曲にアンテナを張っているのはあるだろうけど、僕が何となくわかる曲をだいたい歌えるのは凄いことだと思う。

「う、産賀くんはこの曲知ってる……?」

「うん。確か……不動産のCMの曲」

「そ、そうなんだ。全然知らなかった……」

 それに対して大倉くんは基本的にテレビはあまり見ないことから松永の選曲に引っかからないこともあるようだ。でも、大倉くんはネット上で流行っている曲を持ち込んでくるから選曲的には飽きがこない。

「……良ちゃん、オレ一旦パス」

「えっ!? そう言われても僕も特に新曲は……」

 こういう場面で選曲に詰まって入力機器を止めるのは僕か本田くんだった。二人とも全く新曲を聞かないわけじゃないけど、自分で歌えるかは別だと思っているし、結局気に入っている曲を聴いている回数の方が多くなってしまうから困ってしまうのだ。

 そんな二人のやり取りを見て松永はツッコミを入れる。

「いやいや、別に新曲縛りしてるわけじゃないから。二人とも十八番を歌えばいいんだよ」

「十八番と呼べる歌がない。良ちゃんはあるのか?」

「たぶん……ない。ちょっと考えるから先に入れてても……」

「俺の言い方が悪かった。下手くそでも1番だけでもいいから自由に入れていいんだよ」

「ふ、二人ともそういうところは変に真面目なことあるよね」

 大倉くんにそう指摘されて、僕と本田くんはちょっと申し訳なくなって小さくなってしまい、それを見た松永と大倉くんは笑った。

 世間では色々起こった日ではあったけど、3学期が始まってからまた4人でこういう雰囲気で今日を楽しめているのは本当に良かったと思う。
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